我らがブレンダーズ・バーで、ニッカのブレンダーが来店して
トークライブを行なうイベントが開かれましたので、喜んで
参加してきました。
この企画は、今月2日にブレンダーズ・バーが開業9周年を
迎えたことで開かれたもので、普段とは趣向が違いました。
メーカのバーとはいえ、普段ブレンダーが来店するときは、
新製品の紹介やウィスキーセミナーといった啓蒙的プロモー
ションとなるのが通例ですけれども、今回はブレンダーの
お気に入りウイスキー、思い出のウイスキーの試飲がメイン
という、ちょっとプライベート色のある興味深い企画でした。
佐久間チーフブレンダーは、現代ニッカのキーモルトのひとつ
に育った、ノン・ピートの余市とノン・ピートの宮城峡を
ブレンドしたバッティング原酒を、綿貫主任ブレンダーは
ブラックニッカ・リッチブレンドの原酒を、それぞれノージ
ングしながら解説し、さながら普段ブレンダー室で行なわ
れている作業を再現するような、様々なキーワードが出て
くる楽しいテイスティングとなりました。
私が参加したのには、もうひとつ目的があり、もちろんウィ
スキーのブレンドに関して常日頃抱えている疑問質問を
プロにぶつけて解明しようというものです(笑)。
それこそ、束になるような数の質問を次々とぶつけてみました
ら、素人が製品に触れて感じる疑問と、ブレンダーが製品開発
にあたって意識していることとのあいだには、大きな距離が
あって、それぞれ一般的に使われている言葉は、非常に抽象的
であるということが判明しました。
それに加えて、自分のブレンドに関する質問を重ねていきました
ところ、酒質が違う原酒をブレンドする方法や、スタートの
ところから立ち位置が異なることなどを教えていただき、
「(あなたは)もう出来ているんじゃないですか」と言ってもら
えて有頂天。メーカのプロのブレンダーから、ブレンダー認定を
していただいてしまいました。
考えてみれば、素人があれこれ混ぜる場合、いわゆる経験だけ
でなく原酒に関する情報も絶対的に不足していて推測でスタート
していますので、まずはそこを掘り下げる必要があるということ
です。
その掘り下げ作業に多くの言葉を身につけたことは、理論+実践
の両面で、間違いなくワン・ステージ分ステップアップできた
素晴らしい経験となりました。
感謝!