職員通用口に一匹の茶トラの猫。 扉の前から動こうとしない。
顔は大きいのに、痩せて体はガリガリだった。お腹がすいているようで、皆でパンや鰹節をあげると、ものすごい勢いで食べた。
人懐こくて、傍から離れようとせず、抱きついてくる。体力が落ちており、このまま放置することもできず、結局私が病院に連れていくことになった。
かかりつけ医までは無理なので、職場の近くの病院へ。
調べてもらったら、エイズをもっていたため、我が家で他の猫と一緒に飼うことは無理とわかり、壁にぶつかる。
先生がとてもいい人で、相談の結果、まずは抗生剤やインターフェロンを投与してもらい、しばらく預かってもらうことになった。
栄養をとって、蚤もとってもらい、その間誰か飼ってくれる人を探す。
もう4歳くらいで、歯が1本折れており、口内炎もある。
猫のエイズは、ちゃんと管理すれば死んでしまうことはないのだけれど、それでもみまもりが必要。体調が整えば去勢もお願いしなければいけないし、宿泊料金、検査代と、費用はかさむ。でも、不思議と、こんな時はお金を勿体ないと思わない。
他で節約すればいいと思える。
家族には呆れられるけれど、目の前で困っていたら、それがヒトでも犬でも猫でも、見殺しにするなんてできない。お金よりも命が大事。しかもこの猫君は、生きたい一心で頼ってくれたんだから、とにかく絶対に守らないと。
(`・ω・´)