昨日の朝。
すでに虫の息で、仕事を終えて帰るまでにはもう死んでしまっているだろうと、後ろ髪をひかれる思いで、出勤した。
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覚悟して帰宅したら、ぐーのお腹が小さく動いている。
耳を当てると、弱いけれど規則的に心臓も動いている。
待っていてくれた。
手を握ると、かすかに顏をあげて起き上がろうとする。
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8日以上食べていないのに、心臓は動いていて。
なかなか楽になれない様子を見守るのは辛かった。
3時間後。
ついに呼吸苦が訪れた。
数分後、次第に鼓動が弱くなり、その後ゆっくり止まった。
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生きていた頃出来なかった爪切りをして、口の中も見てみると、歯は数本しか残っていなかった。
一体何歳だったのだろう。玩具にも何にも興味を持たず、ただ静かに過ごしていた猫。仔猫時代はどんなふうだったのだろう。
ずっと過酷な暮らしの中で生きてきたのかな。
骨を拾う代わりに、ひげと毛を少しだけ切り取って、一晩一緒に過ごした。
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そして今日。
早朝、紫のタオルでそっとくるんで庭に埋葬する。
他の猫の遺骨と一緒に。
土をかけるとき、苦しくないだろうかと一瞬躊躇するが、よく考えてみれば、火葬場で点火のスイッチを押させられる瞬間だって、同じような気持ちになるのだ。
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「おばさん、そこにあるのは僕の外側だけだよ。もう僕はそこにいないから大丈夫だよ。短い間いだったけど、飼いネコにしてくれてありがとうね。」
ぐーの声が聞こえたような気がして、空を見上げると、朝6時だというのに、真夏の太陽がすでに照りつけている。
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ぐー。
どんなにしんどくても、最後まで自分の力でトイレに行ったね。泣きもわめきもせずに、静かに旅立って行った。その強さ、私も見習うよ。
ありがとうね。