涅槃(ねはん)サンスクリット語で「ニルバーナ」東寺では江戸時代の大幅の涅槃図が他にありますが、近代のものをかけて旧暦の2月15日にあたる今日の日に涅槃会をします。(新暦でするところは3月15日)
涅槃図はお釈迦様のお亡くなりになる図で人も動物も悲しんでいる様子が描かれています。
左上の雲に乗ってやってこられたのがお釈迦さまの生後七日後に亡くなられた母上の摩耶夫人で、
左の木にぶらさっがている赤い袋は摩耶夫人がもっと長生きして説法をしてくれと投げられた長寿の薬が入ってるとされてます。
「投薬」と言う言葉はここからきています。
また回りの木は沙羅双樹の木で日本では夏椿です。
右4本は白く枯れているのは人間や動物だけでなく植物までも嘆き悲しんでいる様子です。
左の4本は青々と花を咲かせています。これは教えが連綿と受け継がれていることをあらわしています。
8本の木は「正見、正思惟、正語、正業、正命(生活)正精進、正念、正定(精神)」の八正道の教えと思われます。
また右横でお釈迦様に唯一触れているのが乳粥を施したスジャータとされています。
また十二支の動物たちも描かれますが、
お釈迦様の使いとされるねずみを食べるとして猫はえがかれないことが多いのですが、
絵師が自分の飼い猫を入れたり、施主が入れたりもします。
この図では獅子と虎の間に描かれている数少ない例の一つと言えます。
管理人が「涅槃」の言葉に出会ったのは
俳優の沖雅也さんが昭和58年に自殺したとき「おやじ涅槃でまってる」と遺書に書いてあったと
TVで「涅槃」の言葉を知ったのが初めてでした。
三法印に「諸行無常、諸法無我、涅槃寂静」 涅槃と言う言葉は迷いのない悟りの世界の事ですが、
これに四法印として最後に「一切皆苦」を付け加えます。
「人生は苦なり」です。
余談ですが
お釈迦さまの前世で、恐らくヒマラヤと思われる雪山で修行されていたので
雪山童子と呼ばれていた時の事です。
帝釈天がこの童子の仏の道への道心を試すため羅刹(食人鬼)となって
「諸行無常、是生滅法」(作られたものは全て常ならず、生じては滅することを本性とする)
と前半の2句を唱すると、
童子は残りの2句を聞くために進んでわが身を羅刹に施しました。
帝釈天は童子の堅固な心に感じ、空中に受け止め、地上に安置し礼拝し、
「生滅滅已、寂滅為楽」(生滅するものがなくなり静まっていることがやすらぎである)
と答えたとされる「雪山偈」として残っています。
今も葬式にこの4句を書いているところもあります。
この写真は薮内佐斗司さんのカレンダーよりお借りしました。
イラスト「ほな、おやすみ」です。