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芥川&直木賞の功罪

2015-01-16 08:54:52 | 歌う

           ・・・ 芥川&直木賞の功罪 ・・・

 ✿怖いこと言ってくれるな紅バラは紅バラの木にしか咲かないなんて  松井多絵子

 第152回芥川賞と直木賞が決定。文学振興のための賞らしいが受賞者たちは芸能人的にマスコミで扱われる。年に2回、1月と7月はまるでお祭りだ。今年の✿芥川賞は44歳の
小野正嗣の「九年前の祈り」✿直木賞は37歳の西加奈子の「サラバ!」 副賞各100万円

 芥川賞の小野正嗣は、1970年、大分県生まれ。東京大学大学院を経て、パリ第8大学で文学博士。2001年朝日新人文学賞、02年三島由紀夫賞。現在立教大学准教授。優等生である。やはりバラの花はバラの木にしか咲かないのか、なんて思うのは私だけだろうか。

 直木賞の西加奈子は1977年、テヘラン生まれ。カイロや大阪府内で育つ。関西大学法学部卒。06年織田作之助賞、12年河合隼雄物語賞、やはりバラの木のバラの花だ。

 芥川&直木賞の選考会は毎年2回、今回は昨年6月~11月に出た作品から選ばれた。芥川賞は純文学が対象で、「新潮」「すばる」「文学界」「群像」「文芸」などに載った約100作からえらばれる。これらの文芸誌に載れなかった作品は埋もれてしまうのか。

 大衆文芸の直木賞は主に単行本が対象で、250~300作から選ばれる、そうである。夥しい単行本の中からどのようにして、選ばれるのか。主催は日本文学振興会だが、実質的には出版社の文芸春秋が運営しているらしい。編集者たちが予備選考し候補作を選ぶ。その中からベテランの作家が議論し受賞作を決める。作者が応募した作品から選ばれるのではないのが私には歯がゆいのである。

 芥川賞は純文学が対象らしく、難解だ。前衛的な作品は妖しく、その妖しさが魅力にもなり
才能ということになるのか。20代で受賞し知名度を武器にし、マスコミを騒がせ、稼いで半世紀もぬくぬく生きることもできるのだ。芥川賞は「裸の王さま」を作りかねないと思う。

 明日から休日、外出は寒いから家で読書を、という方は、本を買うときは知名度だけで
飛びつかないでくださいね。まず立ち読みをして、、。  1月16日  松井多絵子