~ 風邪をひく心 ~
♠ 納豆のねばねばの糸が鬱の字になる鬱になどなってはならぬ 松井多絵子
寒さがきびしくなるにつれ気分が落ち込む。外出がイヤ、人付き合いもイヤ、だらだら寝ていたい、甘いものばかり食べたくなる。こんな人は「冬季うつ病」かもしれないという新聞の記事を読む。原因は「冬の日照不足」という説。冬は日が短く、外に出る機会も少なくなりがち。光を浴びる量が減ると、心のバランスを整えるといわれる脳内の神経伝達物質「セロトリン」をうまく作れなくなり、うつ病を発症すると考えられている。近頃は鬱という字を見ることが少なくなった。この字は何とも鬱陶しい。しかし平仮名の「うつ」は軽い病気を思わせる。
冬は心だって風邪をひきやすいのだ。もう少しの辛抱。 梅の花が咲けば春が始まる。
♠ 気がついたときは重症なんですとテレビの医師は我を見て言う
季節が人の気分に影響するのは当然のこと。「冬季うつ病」の治療は、人工的に明るい光を浴びる「高照度光療法」があり、早ければ数日で効果が出る人もいるらしい。そんなことをしなくても沖縄などに2泊3日の旅でも治るのではないか。私は気分が落ち込んだときはテレビの旅番組を見る。冬は南国がいい。カヌーに乗ってマングローブの川を下る、、。
♠ 自殺するエネルギーなど何処にある、このソファーから立ち上がれない
「うつ病」がコワイのは自殺。わたしは自殺未遂の人を何人も知っている。その本人から打ち明けられている。律儀でこころ優しい人が多い。真面目で、「趣味と実益志功」タイプ。無駄遣いをしない、遊ぶことが下手な人、人の思惑を気にしすぎるひと。人の心は変わりやすく気にしていたら疲れる。身近な木々や花に目を、心を向けよう。もうじき春がくる。
♠ わたくしの主治医はわたくし、信号は赤より青へ変わりていたり
1月20日 松井多絵子