~ 坂東三津五郎の句 ~
この2月に坂東三津五郎は59歳で亡くなった。彼は14年も前から句会に参加していたらしい。昨日の朝日俳壇のコラムに黛まどかが 「三津五郎さんの俳句」 を書いている。
黛まどか主催「百夜句会」第一夜から三津五郎は参加していた。南座、博多座、八千代座、金丸座など氏の巡業に合わせて吟行会も度々行ったそうである。四季の移ろいや「型」を重んじる俳句と歌舞伎には共通点が多く、句風は芸風になったのではないか。
✿ 昭和さへ遠くとなりて草田男忌
~草田男の一句を踏まえたこの句を詠んだのは昨年八月。その一年前に膵臓癌の手術をしている。芝居での本格復帰となった●「たぬき」に出演し、歌舞伎座から直接句会に。
「たぬき」 は死んだ主人公が生き返る話。癌から生還し演ずるのだから、以前とは思いが格段に違うよ」。しかしこの日、癌が肺に転移しているらしいことを秘かに打ち明けられた。人生の大半を生き、芝居に踊りに魂を捧げた昭和という時代ももはや遠くなってしまった、、無念さが滲み、途方もなく寂しい句だ~ と黛まどかは書いている。
✿ 討入の芝居のあとのひとり酒
✿ 楽屋出で花散る街の人となり
~三津五郎さんが最も愛した海棠が花の盛りを迎えた。百夜句会では三津五郎さんの忌日に ● 「海棠忌」を提案している。~黛まどかのコラムはここで終わっている。
我が家出て若葉の道の人となり 4月7日 松井多絵子
黛まどかは書いている。