▲ 片づけコンサルタント ▲
✿ いま我が踏みしめている花びらはこの桜の木に捨てられたのだ 松井多絵子
20代をすぎれば姥桜になるのは昔々のお話。いまや「世界の100人」の1人になり注目されているのは30歳の近藤麻理恵。16日の米タイム誌に「世界で最も影響力のある100人」に彼女が選ばれているのである。昨年10月に米国で出版した▲「人生がときめく片づけの魔法」が67万部超のベストセラーになった。「kondo」を近藤さん流に片づける意味の動詞として使う人もいるという。「使い捨て文化の國」のように私が思っていたアメリカ人も「捨てる」ことが苦手なのか。イタリアやフランスでも刊行され、世界シリーズ累計300万部の人気になっているらしい。人間はみなモノへの執着が強いのかもしれない。
✿ エッセイも言葉を捨てねばならぬのか書かないで書くことなどできぬ
短歌を始めた頃の私に、或る歌人が詩歌は言葉を捨てることだと言った。言葉を探し集めることに明け暮れていた私に。 エッセイだっていかに言葉を捨てるか、なのだ。大切なことだけ残しその他は捨てること。でも何が大切なのか容易にわからない。だから捨てられないのだ。オシャレ老女A子はかなり広い戸建てから2DKのマンションに引っ越した。思いきり捨てたが、服はなかなか捨てられなかった。服を捨てると思い出も失いそうなので、と言ったその気持ちがよくわかる。服を1枚買ったら1枚捨てなければ、とは思いながらも、、。
✿ 旧い手帳をネガフィルムを捨てるなら空っ風吹く今日こそよけれ
断・捨・離 はむづかしい。勿体ないとおもうことで部屋を狭く、住みにくくしている。思い出に繋がるモノは特に捨てられない。年を取るほど思い出を大切にするが、私の思い出のモノは他者には単なるモノ。近藤麻理恵の▲「人生がときめく片づけ魔法」の印税はかなりの額だろう。彼女は服やバッグを買わないだろうか。結婚したら捨てにくい夫も所有しないのかしら。マンションの広い空間、ソファーに一人、捨てるモノの何もない空間。
ガラクタのなかでブログを書いています。 4月18日 昼 松井多絵子