短歌の結社賞
現代短歌新聞3月号に短歌の結社賞受賞者と作品が各1首づつ掲載されている。
✿ 南船新人賞 本田皓子
♦ ありのままの君を受け止む狭き庭に根づきくれたる冬のタンポポ
南船新人賞次席 鎌田とく子
♦ 窓に這うラッパのごとき夕顔の洗いざらしの風入りくる
✿ 2015年度未来年間賞
古川順子 ♦ 祈りとは業のごとくにえんえんと鍵をあけ続ける明け方よ
飯田彩乃 ♦ いもうとと互ひの爪を比べ合ふまちがひ探しをしてゐるやうに
弘田ちゑ子 ♦ ふたたびをふれざらましを水仙の花弁のなかに黄の炎見ゆ
✿ 短歌新潮賞
錦織正明 ♦ 人のため背負へるものもなき傘寿何から逃ぐるそれもわからず
土屋桃江 ♦ 要塞の如き端島の見えきたるその影まさに軍艦に似て
短歌新潮賞次席
柳沢三和子 ♦ 楽しきかな一年を咲く花々を詠いて暮す一度の人生
小山玉江 ♦ 仙台の旅の終わりに予期もせず転びて脚を強く打ちたり
結社賞受賞の皆様のこれからのご活躍を楽しみにしております。
3月5日 松井多絵子