
一円の…愛読している…メールマガジンより…お福分け…させて…いただきます…m(__)m…
写真は…名古屋の路上詩人筆侍ジャッカルさんの…提供です…m(__)m…
ありがとう…ございます…m(__)m…
【名人上手といわれる人でも】№626
外山滋比古(とやま しげひこ)氏の心に響く言葉より…
「ハナシ家の方でも、あがるっていうことはあるものですか」
ある有名な落語家と仕事でいっしょになったとき、仕事を終えて、いっぷくした席で、きいてみました。
「ありますとも。しょっちゅうあがってますワ」
「毎日のように高座へあがっていらっしゃるでしょうに、それでもあがらなくはならないのでしょうか」
「いつまでたってもあがる人がすくなくありませんな。亡くなった文楽師匠なんか晩年まで、ずっとあがってましたものね」
「名人と言われるようになってからでもですか」
「出をまっているとき、手のひらに何か指で字を書いているのです。どうしてかというと、あがらないおまじないをしていたらしいですね」
「実際にあがることがありましたか、文楽師匠?」
「ええ、ときどき、ありましてね。そうなるともうメタメタですわ。まるでハナシにもなにもなりはしません。有名でしたね、師匠のあがるの」
「おどろきました。ハナシ家さんには、あがるなんていうことはないものか、と思っていましたが」
「いや、あがる方が芸も伸びるのではありませんか。妙に度胸のいいのは、あるところまでは早くいきますが、そこから先、なかなか進歩しないようです」
「あがるのは神経のこまかい証拠なのでしょうか」
「そうかもしれません。わたしなんか、あがりかたがすくないから、芸もようあがらんですわ」
それで思い出したことがあります。
いつか、亡くなった越路吹雪さんがもっとも充実した芸を見せ、人気絶頂のころのこと、テレビで自分の芸を語ったことがありました。
相手をした人が、
「越路さんくらいのキャリアのある方になれば、もうあがる、なんてことはないでしょうね」とききます。
するとすかさず、
「とんでもありません。いつもあがります。それがひどいんです。公演の一週間前くらいからあがり始めます」
「一週間前からですか。どんな風になるのです」
「食欲がさっぱりなくなります。そして、そわそわ落着かないのです。
家のものに悪いんですけど、どうにもなりません。
いつまでたってもこれはすこしもなおりませんね」
『心と心をつなぐ話し方』PHP文庫
名人上手(めいじんじょうず)は「あがらない」、と思っていたがそうではないようだ。
あがるくらいの人の方が、あとから伸びるという。
これは職人の世界でも同じで、入ってきた頃は不器用で、覚えるのが遅く、箸にも棒にもかからなかった人が、
10年たってみると、見違えるようにしっかりした仕事をするようになっている、などという例はよくある話だ。
器用貧乏の、なんでもそこそこ出来てしまう人は、仕事をバカにしたり、眼前の仕事に集中しないことが多い。
反対に、ヘタクソだろうが、たどたどしかろうが、それしかないと一途に没頭する人は、結局は長く生き残る。
どんな名人であっても、駆け出しの頃は誰でも高座や舞台でドキドキする。
失敗したらどうしようという不安や、うまく演じようとする気負い、なんとか喜ばせようとするあせり、があるからだ。
初心者の頃の、ハッとする感性をいつまでも持ち続けられる人は、初々しさを忘れない人。
どんなに年齢を重ねていようと、初々しい人は魅力的だ。
素朴で、飾らない素(す)の魅力がある。
名人上手も、舞台ではあがるという。
まして、素人ならなおさらのこと。
スピーチでは、あがって当たり前、の気持ちでのぞみたい。
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外山滋比古(とやま しげひこ)氏の心に響く言葉より…
「ハナシ家の方でも、あがるっていうことはあるものですか」
ある有名な落語家と仕事でいっしょになったとき、仕事を終えて、いっぷくした席で、きいてみました。
「ありますとも。しょっちゅうあがってますワ」
「毎日のように高座へあがっていらっしゃるでしょうに、それでもあがらなくはならないのでしょうか」
「いつまでたってもあがる人がすくなくありませんな。亡くなった文楽師匠なんか晩年まで、ずっとあがってましたものね」
「名人と言われるようになってからでもですか」
「出をまっているとき、手のひらに何か指で字を書いているのです。どうしてかというと、あがらないおまじないをしていたらしいですね」
「実際にあがることがありましたか、文楽師匠?」
「ええ、ときどき、ありましてね。そうなるともうメタメタですわ。まるでハナシにもなにもなりはしません。有名でしたね、師匠のあがるの」
「おどろきました。ハナシ家さんには、あがるなんていうことはないものか、と思っていましたが」
「いや、あがる方が芸も伸びるのではありませんか。妙に度胸のいいのは、あるところまでは早くいきますが、そこから先、なかなか進歩しないようです」
「あがるのは神経のこまかい証拠なのでしょうか」
「そうかもしれません。わたしなんか、あがりかたがすくないから、芸もようあがらんですわ」
それで思い出したことがあります。
いつか、亡くなった越路吹雪さんがもっとも充実した芸を見せ、人気絶頂のころのこと、テレビで自分の芸を語ったことがありました。
相手をした人が、
「越路さんくらいのキャリアのある方になれば、もうあがる、なんてことはないでしょうね」とききます。
するとすかさず、
「とんでもありません。いつもあがります。それがひどいんです。公演の一週間前くらいからあがり始めます」
「一週間前からですか。どんな風になるのです」
「食欲がさっぱりなくなります。そして、そわそわ落着かないのです。
家のものに悪いんですけど、どうにもなりません。
いつまでたってもこれはすこしもなおりませんね」
『心と心をつなぐ話し方』PHP文庫
名人上手(めいじんじょうず)は「あがらない」、と思っていたがそうではないようだ。
あがるくらいの人の方が、あとから伸びるという。
これは職人の世界でも同じで、入ってきた頃は不器用で、覚えるのが遅く、箸にも棒にもかからなかった人が、
10年たってみると、見違えるようにしっかりした仕事をするようになっている、などという例はよくある話だ。
器用貧乏の、なんでもそこそこ出来てしまう人は、仕事をバカにしたり、眼前の仕事に集中しないことが多い。
反対に、ヘタクソだろうが、たどたどしかろうが、それしかないと一途に没頭する人は、結局は長く生き残る。
どんな名人であっても、駆け出しの頃は誰でも高座や舞台でドキドキする。
失敗したらどうしようという不安や、うまく演じようとする気負い、なんとか喜ばせようとするあせり、があるからだ。
初心者の頃の、ハッとする感性をいつまでも持ち続けられる人は、初々しさを忘れない人。
どんなに年齢を重ねていようと、初々しい人は魅力的だ。
素朴で、飾らない素(す)の魅力がある。
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