
【スタンフォード式「生き抜く力」とは】4608
スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長、星友啓(ともひろ)氏の心に響く言葉より…
スタンフォード大学にきて20年ほど、私がスタンフォードの学術界の巨匠やシリコンバレーのビジネスリーダーから実感してきた「生き抜く力」の源泉は、20年前に自分が思い描いていた「ケンカ上等」でゴリゴリに勝ち上がっていくスタイルとは真逆の、「利他的マインド」をベースにしたものだったのです。
スタンフォード大学が誇るアメリカのビジネス理論家で『ビジョナリー・カンパニー』の著者であるジム・コリンズの『レベル5』は有名です。
コリンズは、アメリカの経済誌『フォーチュン』に掲載された1435社から大飛躍を遂げた11社を厳選し、他の優良企業との差を徹底的に調査。
その結果、企業の大飛躍を達成したスーパーリーダーたちに共通していたのは、なんと「謙虚さ」だと解明したのです。
スキルや知識、チームワークやチームを引っ張る力、ビジョンやカリスマ。
そうした能力は、レベル1からレベル4とされ、リーダーとしてあたりまえの資質とされます。
そうした資質に加えて、人の話をよく聞いて理解し、人の失敗を責め立てず、共感しながら、思いやりにあふれた行動が取れる。
エンパシーの効いた「生き抜く力」を持った謙虚なリーダーこそが、アメリカの大企業を牽引してきたレベル5なのです。
コリンズの研究は2001年に発表され、大きな反響を呼びました。
それまでは、ブルドーザーのように突き進んで道を切り拓くカリスマ的な剛腕CEOがもてはやされていたからです。
しかし、近年、エンパシーや思いやりの力がビジネスパーソンの間でも注目されています。
もちろん、エンパシーや謙虚さは、企業のリーダーだけに必要な「生き抜く力」ではありません。
アメリカの心理学者でノースカロライナ大学チャペルヒル校のミッチ・プリンスタイン教授の「人気者」の研究が示唆に富んでいます。
人気には2種類あります。
1つは、学校での成績やスポーツ、見た目などの社会的評価や名声に基づいた「ステータスの人気」。
もう1つは、性格など内面的な理由による「性格の人気」です。
プリンスタイン教授によると、どちらの種類の人気を求めるかが、我々の人生に大きな影響を及ぼすと言います。
「ステータスの人気」を追求しすぎると、アルコール依存や薬物中毒、うつ病、社会的孤立などの健康リスクが増大し、満足のいく恋愛や友人を得る確率も下がってしまうという研究結果が出ています。
一方、「性格の人気」は正反対です。
子どもの頃に「性格の人気」を得た人は、就職率や昇進が高いことがわかりました。
また、友人や恋人とも長期的な関係を築きやすいこともわかっています。
プリンスタイン教授によると、これまで科学的に根拠づけられてきた「性格の人気」の条件には、以下のようなものが挙げられます。
●うまくその場の状況に適応する
●適度に頭がいい
●いつも機嫌がいい
●自分のいいたいことを上手にいえて、他の人にも配慮できる
●アイデアが豊富で、交友関係の難しい状況を解決するのがうまい
●みんなの和を乱さない
人のいうことをよく聞き、相手の気持ちを汲み取り、柔軟に対応できる。
ここまで見てきたような「生き抜く力」の源泉が、このリストにも重なって見えてきます。
ちなみに、これは単なる人気だけではなく、恋愛感情についても当てはまるようです。
テキサス大学オースティン校のデヴィッド・バス教授は37か国、1万人以上の青年男女に「恋愛相手に求める条件は何か」という質問をしました。
すると、37か国すべての国で共通の条件が、「相手に対する思いやり」だったのです。
アメリカの大企業をリードするCEOが「モテる」理由は、お金だけではなく、彼らの「生き抜く力」にも秘密がありそうです。
『スタンフォード式 生き抜く力』ダイヤモンド社
https://amzn.to/3nUbdCP
本書の中にスタンフォード大学の「思いやりセンター」についてこんな記述があった。
『《何度となく脳科学や進化心理学などにおける研究が示してきたことは、「思いやり」がまさに進化の結果生まれた人間の本質であるということです。
身体の健康だけでなく、人間の種としての生存にも欠かせません。
10年ほど前には少数で、単に興味深い程度だった研究が、今では科学の一大ムーブメントとなって、私たちの人間観を変えようとしています》
これは2013年、スタンフォード大学「思いやり利他行動研究教育センター」(思いやりセンター)の科学ディレクターのエマ・セバーラは博士の言葉です。
行き過ぎた利益追求や、思いやりに欠けた自己中心的な行為を、オバマ前大統領は「エンパシー負債」と警告しました。
一方、人を思いやることや、相手に与える献身的な行動は、身近なものでもあります。
生まれたばかりの赤ちゃんをあたたかく抱擁する母。
互いを気遣う家族や友人たち、大災害で困った人たちを救うボランティア。
ニュースや映画で痛々しい子どもの貧困に世界の不条理を感じ、手を差し伸べたくなる私たち。
私たちには人を思いやる力があり、利他的な行動にかられる傾向があります。
意識しなくても、考え方や感じ方、なんともなしの行動にもそれが表れているのです。
ではなぜ、私たちは人を思いやったり、利他的行動を取ったりするのでしょうか?
近年、この問いに最先端の科学が挑んできました。
そうした研究をリードしてきたのが、スタンフォード「思いやりセンター」です。
スタンフォード「思いやりセンター」は、人間の思いやる力や利他性を、心理学、脳科学、医学などの視点から、分野横断的に研究することを目的とした機関です。
なんと、チベット仏教のリーダーであるダライ・ラマの寄付により設立されました。』
エンパシーとは「共感力」のこと。
もし、自分が相手の立場だったらどう考えるかという、「立場」を理解することであり、相手の気持ちを汲み取り、それを自分事として受け止めること。
そのためには、想像力を働かせることが必要。
そして、相手の話をよく聞くという「傾聴の姿勢」が大事だ。
田中真澄氏は「傾聴の三動作」として、「うなずき」「あいづち」「驚きの表情」を挙げている。
昨今、会話の途中で携帯をいじっている人は多いが、これは傾聴の姿勢としては多いに問題がある。
つまり、「共感力」の低い人間と見なされるということ。
スタンフォード式「生き抜く力」を身につけたい。
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スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長、星友啓(ともひろ)氏の心に響く言葉より…
スタンフォード大学にきて20年ほど、私がスタンフォードの学術界の巨匠やシリコンバレーのビジネスリーダーから実感してきた「生き抜く力」の源泉は、20年前に自分が思い描いていた「ケンカ上等」でゴリゴリに勝ち上がっていくスタイルとは真逆の、「利他的マインド」をベースにしたものだったのです。
スタンフォード大学が誇るアメリカのビジネス理論家で『ビジョナリー・カンパニー』の著者であるジム・コリンズの『レベル5』は有名です。
コリンズは、アメリカの経済誌『フォーチュン』に掲載された1435社から大飛躍を遂げた11社を厳選し、他の優良企業との差を徹底的に調査。
その結果、企業の大飛躍を達成したスーパーリーダーたちに共通していたのは、なんと「謙虚さ」だと解明したのです。
スキルや知識、チームワークやチームを引っ張る力、ビジョンやカリスマ。
そうした能力は、レベル1からレベル4とされ、リーダーとしてあたりまえの資質とされます。
そうした資質に加えて、人の話をよく聞いて理解し、人の失敗を責め立てず、共感しながら、思いやりにあふれた行動が取れる。
エンパシーの効いた「生き抜く力」を持った謙虚なリーダーこそが、アメリカの大企業を牽引してきたレベル5なのです。
コリンズの研究は2001年に発表され、大きな反響を呼びました。
それまでは、ブルドーザーのように突き進んで道を切り拓くカリスマ的な剛腕CEOがもてはやされていたからです。
しかし、近年、エンパシーや思いやりの力がビジネスパーソンの間でも注目されています。
もちろん、エンパシーや謙虚さは、企業のリーダーだけに必要な「生き抜く力」ではありません。
アメリカの心理学者でノースカロライナ大学チャペルヒル校のミッチ・プリンスタイン教授の「人気者」の研究が示唆に富んでいます。
人気には2種類あります。
1つは、学校での成績やスポーツ、見た目などの社会的評価や名声に基づいた「ステータスの人気」。
もう1つは、性格など内面的な理由による「性格の人気」です。
プリンスタイン教授によると、どちらの種類の人気を求めるかが、我々の人生に大きな影響を及ぼすと言います。
「ステータスの人気」を追求しすぎると、アルコール依存や薬物中毒、うつ病、社会的孤立などの健康リスクが増大し、満足のいく恋愛や友人を得る確率も下がってしまうという研究結果が出ています。
一方、「性格の人気」は正反対です。
子どもの頃に「性格の人気」を得た人は、就職率や昇進が高いことがわかりました。
また、友人や恋人とも長期的な関係を築きやすいこともわかっています。
プリンスタイン教授によると、これまで科学的に根拠づけられてきた「性格の人気」の条件には、以下のようなものが挙げられます。
●うまくその場の状況に適応する
●適度に頭がいい
●いつも機嫌がいい
●自分のいいたいことを上手にいえて、他の人にも配慮できる
●アイデアが豊富で、交友関係の難しい状況を解決するのがうまい
●みんなの和を乱さない
人のいうことをよく聞き、相手の気持ちを汲み取り、柔軟に対応できる。
ここまで見てきたような「生き抜く力」の源泉が、このリストにも重なって見えてきます。
ちなみに、これは単なる人気だけではなく、恋愛感情についても当てはまるようです。
テキサス大学オースティン校のデヴィッド・バス教授は37か国、1万人以上の青年男女に「恋愛相手に求める条件は何か」という質問をしました。
すると、37か国すべての国で共通の条件が、「相手に対する思いやり」だったのです。
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『《何度となく脳科学や進化心理学などにおける研究が示してきたことは、「思いやり」がまさに進化の結果生まれた人間の本質であるということです。
身体の健康だけでなく、人間の種としての生存にも欠かせません。
10年ほど前には少数で、単に興味深い程度だった研究が、今では科学の一大ムーブメントとなって、私たちの人間観を変えようとしています》
これは2013年、スタンフォード大学「思いやり利他行動研究教育センター」(思いやりセンター)の科学ディレクターのエマ・セバーラは博士の言葉です。
行き過ぎた利益追求や、思いやりに欠けた自己中心的な行為を、オバマ前大統領は「エンパシー負債」と警告しました。
一方、人を思いやることや、相手に与える献身的な行動は、身近なものでもあります。
生まれたばかりの赤ちゃんをあたたかく抱擁する母。
互いを気遣う家族や友人たち、大災害で困った人たちを救うボランティア。
ニュースや映画で痛々しい子どもの貧困に世界の不条理を感じ、手を差し伸べたくなる私たち。
私たちには人を思いやる力があり、利他的な行動にかられる傾向があります。
意識しなくても、考え方や感じ方、なんともなしの行動にもそれが表れているのです。
ではなぜ、私たちは人を思いやったり、利他的行動を取ったりするのでしょうか?
近年、この問いに最先端の科学が挑んできました。
そうした研究をリードしてきたのが、スタンフォード「思いやりセンター」です。
スタンフォード「思いやりセンター」は、人間の思いやる力や利他性を、心理学、脳科学、医学などの視点から、分野横断的に研究することを目的とした機関です。
なんと、チベット仏教のリーダーであるダライ・ラマの寄付により設立されました。』
エンパシーとは「共感力」のこと。
もし、自分が相手の立場だったらどう考えるかという、「立場」を理解することであり、相手の気持ちを汲み取り、それを自分事として受け止めること。
そのためには、想像力を働かせることが必要。
そして、相手の話をよく聞くという「傾聴の姿勢」が大事だ。
田中真澄氏は「傾聴の三動作」として、「うなずき」「あいづち」「驚きの表情」を挙げている。
昨今、会話の途中で携帯をいじっている人は多いが、これは傾聴の姿勢としては多いに問題がある。
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