
「本当の友とは」というお話です。
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幼い頃、両親に捨てられ、施設で育った男の子がいました。
小さい頃から毎日、同じ洋服を着ていたので、「施設の子」などと言われて、いじめられていました。
小学校の頃には、同級生の家に遊びに行くと、いつも家の中から、「あの子と遊んじゃだめでしょう」と同級生を叱っている親の声が聞こえました。
このような毎日が続いていたので、この男の子はできるだけ人と接しないように生きることで、自分を守ることを覚えます。
高校に進学したとき、誰とも仲良くなれなかった男の子はクラスでいじめにあいます。
朝、学校に着くと机に「死ね」「貧乏神」「親無し」などの悪口が、数え切れないぐらい書かれていました。
その机を見た男の子は、呆然と立ち尽くしていました。
「僕は誰にも迷惑をかけないようにと思って、寂しくても一人で毎日を過ごしてきたのに・・・。どうしてこんなひどいことをされないといけないんだ・・・」と思って、生きているのが嫌になりました。
そのとき、同じクラスのA君がその机を抱え上げました。
男の子は、机で殴られるのかと思って目を閉じましたが、A君は、「行くよ」と言って、廊下に出ると、そのまま机を工作室に運んでいきました。
男の子は黙って、A君の後をついていきました。
A君は工作室につくと、紙やすりで机の落書きを消し始めました。
そして、「つまんないことに負けるなよ」と一言だけ言うと、黙々と落書きを消していきました。
「放課後、もう一回、ここでニスを塗ろう。そうしたら、元通りだ」と話すA君を見て、男の子は涙が出ました。
数年後、A君が結婚することを知った男の子は、「おめでとう。君がいなかったら今の僕はいない。恥ずかしくて面と向かっては言えないけど、幸せになって欲しい。そしてこれからも親友でいて欲しい。今まで本当にありがとう」と伝えました。
この男の子は、自分の味方になってくれる存在がいることに気がつくことで、生き方が変わったと思います。
A君のように本当に困っている人に対して、周りを恐れずに助けられる勇気が欲しいですね。
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大切な人に贈りたい24の物語
中山和義 著
フォレスト出版
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ドイツの画家、版画家である『アルブレヒト・デューラー』氏の描いた「祈りの手」のエピソードをご紹介いたします。
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いまから500年ほど前、ドイツのニュールンベルグの町に「デューラー」と「ハンス」という若者がいました。
2人とも子沢山の貧しい家に生まれ、小さな時から画家になりたいという夢を持っていました。
2人は版画を彫る親方の元で見習いとして働いていましたが、毎日忙しいだけで絵の勉強ができません。
思いきってそこをやめて絵の勉強に専念したいと思いましたが、絵の具やキャンバスを買うお金もままならないほど貧しく、働かずに勉強できるほど余裕はありませんでした。
ある時、ハンスがデューラーに1つのことを提案しました。
「このままでは2人とも画家になる夢を捨てなくてはいけない。
でも、僕にいい考えがある。
2人が一緒に勉強はできないので、1人ずつ交代で勉強しよう。
1人が働いてもう1人のためにお金を稼いで助けるんだ。
そして1人の勉強が終わったら今度は、別の1人が勉強できるから、もう1人は働いてそれを助けるのだ。」
どちらが先に勉強するのか、2人は譲り合いました。
「デューラー、君が先に勉強してほしい。
君の方が僕より絵がうまいから、きっと早く勉強が済むと思う。」
ハンスの言葉に感謝してデューラーは、イタリアのベネチアへ絵の勉強に行きました。
ハンスはお金がたくさん稼げる鉄工所に勤めることになりました。
デューラーは「1日でも早く勉強を終えてハンスと代わりたい」とハンスのことを思い、寝る時間も惜しんで絵の勉強をしました。
一方残ったハンスはデューラーのために早朝から深夜まで重いハンマーを振り上げ、今にも倒れそうになるまで働きお金を送りました。
1年、2年と年月は過ぎていきましたが、デューラーの勉強は終わりません。
勉強すればするほど深く勉強したくなるからです。
ハンスは「自分がよいと思うまでしっかり勉強するように」との手紙を書き、デューラーにお金を送り続けました。
数年後ようやくデューラーは、ベネチアでも高い評判を受けるようになったので、故郷に戻ることにしました。
デューラーは「よし今度はハンスの番だ」と急いでニュールンベルクの町へ帰りました。
2人は再会を手を取り合って喜びました。
ところがデューラーはハンスの手を握りしめたまま呆然としました。
そして、泣きました。
なんとハンスの両手は長い間の力仕事でごつごつになり、絵筆がもてない手に変わってしまっていたのでした。
「僕のためにこんな手になってしまって」と言って、デューラーはただ頭を垂れるばかりでした。
自分の成功が友達の犠牲の上に成り立っていた。
彼の夢を奪い、僕の夢が叶った。
その罪悪感に襲われる日々を過ごしていたデューラーは、「何か僕に出来ることはないだろうか」「少しでも彼に償いをしたい」という気持ちになり、もう一度、ハンスの家を訪ねました。
ドアを小さくノックしましたが、応答はありません。
でも、確かに人がいる気配がします。
小さな声も部屋の中から聞こえきます。
デューラーは恐る恐るドアを開け、部屋に入りました。
するとハンスが静かに祈りを捧げている姿が目に入りました。
ハンスは歪んでしまった手を合わせ、一心に祈っていたのです。
「デューラーは私のことで傷つき、苦しんでいます。
自分を責めています。
神さま、どうかデューラーがこれ以上苦しむことがありませんように。
そして、私が果たせなかった夢も、彼が叶えてくれますように。
あなたのお守りと祝福が、いつもデューラーと共にありますように」
デューラーはその言葉を聞いて心打たれました。
デューラーの成功を妬み恨んでいるに違いないと思っていたハンスが、妬み恨むどころか、自分のことより、デューラーのことを一生懸命祈ってくれていたのです。
ハンスの祈りを静かに聞いていたデューラーは、祈りが終わった後、彼に懇願しました。
「お願いだ。君の手を描かせてくれ。
君のこの手で僕は生かされたんだ。
君のこの手の祈りで
僕は生かされているんだ!」
こうして、1508年、友情と感謝の心がこもった「祈りの手」が生まれました。
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愛を与えられる人、愛を感じ取れる人、どちらも素晴らしいし、そうでありたいですね。
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今日も最後まで読んで頂きありがとうございます。
心より感謝します。
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小さい頃から毎日、同じ洋服を着ていたので、「施設の子」などと言われて、いじめられていました。
小学校の頃には、同級生の家に遊びに行くと、いつも家の中から、「あの子と遊んじゃだめでしょう」と同級生を叱っている親の声が聞こえました。
このような毎日が続いていたので、この男の子はできるだけ人と接しないように生きることで、自分を守ることを覚えます。
高校に進学したとき、誰とも仲良くなれなかった男の子はクラスでいじめにあいます。
朝、学校に着くと机に「死ね」「貧乏神」「親無し」などの悪口が、数え切れないぐらい書かれていました。
その机を見た男の子は、呆然と立ち尽くしていました。
「僕は誰にも迷惑をかけないようにと思って、寂しくても一人で毎日を過ごしてきたのに・・・。どうしてこんなひどいことをされないといけないんだ・・・」と思って、生きているのが嫌になりました。
そのとき、同じクラスのA君がその机を抱え上げました。
男の子は、机で殴られるのかと思って目を閉じましたが、A君は、「行くよ」と言って、廊下に出ると、そのまま机を工作室に運んでいきました。
男の子は黙って、A君の後をついていきました。
A君は工作室につくと、紙やすりで机の落書きを消し始めました。
そして、「つまんないことに負けるなよ」と一言だけ言うと、黙々と落書きを消していきました。
「放課後、もう一回、ここでニスを塗ろう。そうしたら、元通りだ」と話すA君を見て、男の子は涙が出ました。
数年後、A君が結婚することを知った男の子は、「おめでとう。君がいなかったら今の僕はいない。恥ずかしくて面と向かっては言えないけど、幸せになって欲しい。そしてこれからも親友でいて欲しい。今まで本当にありがとう」と伝えました。
この男の子は、自分の味方になってくれる存在がいることに気がつくことで、生き方が変わったと思います。
A君のように本当に困っている人に対して、周りを恐れずに助けられる勇気が欲しいですね。
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ドイツの画家、版画家である『アルブレヒト・デューラー』氏の描いた「祈りの手」のエピソードをご紹介いたします。
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いまから500年ほど前、ドイツのニュールンベルグの町に「デューラー」と「ハンス」という若者がいました。
2人とも子沢山の貧しい家に生まれ、小さな時から画家になりたいという夢を持っていました。
2人は版画を彫る親方の元で見習いとして働いていましたが、毎日忙しいだけで絵の勉強ができません。
思いきってそこをやめて絵の勉強に専念したいと思いましたが、絵の具やキャンバスを買うお金もままならないほど貧しく、働かずに勉強できるほど余裕はありませんでした。
ある時、ハンスがデューラーに1つのことを提案しました。
「このままでは2人とも画家になる夢を捨てなくてはいけない。
でも、僕にいい考えがある。
2人が一緒に勉強はできないので、1人ずつ交代で勉強しよう。
1人が働いてもう1人のためにお金を稼いで助けるんだ。
そして1人の勉強が終わったら今度は、別の1人が勉強できるから、もう1人は働いてそれを助けるのだ。」
どちらが先に勉強するのか、2人は譲り合いました。
「デューラー、君が先に勉強してほしい。
君の方が僕より絵がうまいから、きっと早く勉強が済むと思う。」
ハンスの言葉に感謝してデューラーは、イタリアのベネチアへ絵の勉強に行きました。
ハンスはお金がたくさん稼げる鉄工所に勤めることになりました。
デューラーは「1日でも早く勉強を終えてハンスと代わりたい」とハンスのことを思い、寝る時間も惜しんで絵の勉強をしました。
一方残ったハンスはデューラーのために早朝から深夜まで重いハンマーを振り上げ、今にも倒れそうになるまで働きお金を送りました。
1年、2年と年月は過ぎていきましたが、デューラーの勉強は終わりません。
勉強すればするほど深く勉強したくなるからです。
ハンスは「自分がよいと思うまでしっかり勉強するように」との手紙を書き、デューラーにお金を送り続けました。
数年後ようやくデューラーは、ベネチアでも高い評判を受けるようになったので、故郷に戻ることにしました。
デューラーは「よし今度はハンスの番だ」と急いでニュールンベルクの町へ帰りました。
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そして、泣きました。
なんとハンスの両手は長い間の力仕事でごつごつになり、絵筆がもてない手に変わってしまっていたのでした。
「僕のためにこんな手になってしまって」と言って、デューラーはただ頭を垂れるばかりでした。
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彼の夢を奪い、僕の夢が叶った。
その罪悪感に襲われる日々を過ごしていたデューラーは、「何か僕に出来ることはないだろうか」「少しでも彼に償いをしたい」という気持ちになり、もう一度、ハンスの家を訪ねました。
ドアを小さくノックしましたが、応答はありません。
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デューラーは恐る恐るドアを開け、部屋に入りました。
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ハンスは歪んでしまった手を合わせ、一心に祈っていたのです。
「デューラーは私のことで傷つき、苦しんでいます。
自分を責めています。
神さま、どうかデューラーがこれ以上苦しむことがありませんように。
そして、私が果たせなかった夢も、彼が叶えてくれますように。
あなたのお守りと祝福が、いつもデューラーと共にありますように」
デューラーはその言葉を聞いて心打たれました。
デューラーの成功を妬み恨んでいるに違いないと思っていたハンスが、妬み恨むどころか、自分のことより、デューラーのことを一生懸命祈ってくれていたのです。
ハンスの祈りを静かに聞いていたデューラーは、祈りが終わった後、彼に懇願しました。
「お願いだ。君の手を描かせてくれ。
君のこの手で僕は生かされたんだ。
君のこの手の祈りで
僕は生かされているんだ!」
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