- 松永史談会 -

   こんにちは。ご機嫌如何ですか。

松永史談会6月例会のご案内-第一報-

2023年05月26日 | 松永史談会関係 告知板
松永史談会2023-6月例会のご案内-第一報-

開催日時 6月30日 午前10-12時
会場   喫茶「蔵」2階
話題   庵室考-中近世移行期の沼隈郡新庄および神村における社会史の一断面-


参考史料(松永史談会2022-3例会配布資料を再編集:寛永期尾道町宗門改め帳抜粋)
かつて遊行者たちが一時滞在や寄留した尾道・浮御堂
【メモ】作田高太郎は江戸時代の農民たちの霊場の廻国が生活苦から行われたケースに言及し、それは野垂れ死にを覚悟のことだったと作田は書いていた。四国88か所霊場巡りもそういう側面を持っていたし・・・・・。これらの話題は『世事見聞録』から引用されたことのようだが、おそらく作田自身も幼少期に沼隈郡藤江で見聞したことがあり思い当たるところがあったのだろう(『徳川権力史論』230-252頁)。
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松永史談会5月例会のご案内-第一報-

2023年04月29日 | 松永史談会関係 告知板
松永史談会5月例会のご案内-第一報-

開催日時及び開催場所 5月26日 午前10-12時 「蔵」2階
話題:続「中世歌島荘研究の成果と課題」
松永湾岸の住民と関係の深かった旧御調郡向島町東部の中世(歌島郷土研究会や西条静夫氏(『和泉式部伝説とその古跡』)の研究成果、そしてさらには網野善彦・松井輝昭氏等の論攷を踏まえながら、次のステップに関わる問題圏)をハイライト化させる形での話題提供となる。
テーマ自体は形式的には2021年11月例会(話題:大炊寮領備後国御調郡歌島(荘)の研究ーその成果と課題ー)の続編という形を取ったが、内容的には、これまで行ってきた松永史談会の研究成果の断片化を回避するために、2022年5月例会(中世今津に存在した金剛寺(現在は廃寺)の本尊:如意輪観音像の拝観及び「中世沼隈郡新庄今津における『弁財天女の霊廟』-薬師寺蔵今津金剛寺本尊如意輪観音像の拝観に事寄せて-」)及び2023年4月例会(「つる木大明神が(式内)高諸神社へ-江戸時代に横行した偽文書制作とか偽史言説(or fakelore)の流布について-」)と関連付けながらのものとする。
松井輝昭「厳島神社の弁財天信仰の成立とその性格」、県立広島大学人間文化学部紀要8,2013年、137-148ページ。
11月例会当日参加者には尾道市提供の歌島郷土研究会編『歌島の中世文書』など配布済み。
連絡事項
①2022年12月例会(話題「松永町出身の著述家高橋淡水(1872-1922)を偲んで」)は市民雑誌「文化財ふくやま58号」(2023年6月刊、査読なし)に「方法としての作家高橋淡水」として掲載されます。抜刷版を7月例会(7月28日)時に配付予定。
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松永史談会4月例会第一報

2023年04月03日 | 松永史談会関係 告知板
松永史談会4月例会を下記の日程で実施します。

開催日:4月28日 開催時間帯(午前10-12時)。
開催場所:喫茶「蔵」二階
提供する話題「つる木大明神が(式内)高諸神社へ-江戸時代に横行した偽文書制作とか偽史言説(or fakelore)の流布について-」

4月例会は偽文書の制作や偽史言説の流布に関して善悪/虚実/正誤という(現代人の)価値軸の中での邪悪で負性を帯びた存在として非難や不正行為の暴露に終始するのではなく(、それはそれとして)、次段階の問題でもある、前論理的思考が蔓延していた江戸期に於ける日本人の歴史制作(ここでは寺社縁起・由緒書・事書類)や歴史認識(→生活環境をデザインしたり、生活世界の在り方を特徴付けている時代的知や社会的知の総体=geosophie)の在り方を念頭に置きながらの話題提供となる。
前論理的思考に関する追加資料9(松永史談会2019‐4例会配布資料の一部)10・・・関連記事11(2018年1月例会配布資料の一部)


3月例会の話題は来年度の市民雑誌に投稿(「中近世移行期における松永湾北岸域の風景点描-2-」)予定です。





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松永史談会3月例会のご案内

2023年02月24日 | 松永史談会関係 告知板
松永史談会3月例会のご案内

開催日時 3月31日 午後1-3時
場所   喫茶「蔵」2階

話題 「中近世移行期における松永湾北岸域の風景点描(2)」
(市民雑誌・2024年度版に投稿済み)
   尾道渋谷家文書の読解を通して中世荘園としての「沼隈郡神村」と「沼隈郡新庄」の一端について最新の知見を踏まえて解説していく
。なお、当日は毛利氏の「海の御用商人」尾道・渋谷与右衛門の知行地・新庄つる木浦について-中近世移行期における松永湾北岸域の風景点描(1)- 尾道文化41(2023)抜刷をA3サイズ(141%)拡大版ともども配付する。
空中写真上の×印は鍛冶神社or 金山彦神社、なお、旧沼隈郡内には藤江・千年・山南・熊野・水呑・鞆にこの種の神社があった。

 
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松永史談会2月例会のご案内

2023年01月30日 | 松永史談会関係 告知板
松永史談会2月例会のご案内

日時:2月24日 金曜日 午前10-12時
場所:喫茶「蔵」2階
話題「法人類学視点から見たオランダ領インドネシアの中国銭についてーインドネシアの慣習法典(Buku awig awig subak)を読むー」

Wicsのいう「初期東南アジア」とは14世紀段階のそれを指す

これまでの松永史談会の関連記事
なお、ここでいう「法人類学視点」とは法観念へのアプローチを指す。たとえば渡辺修二郎「阿部正弘事蹟」では敗戦時にいち早く、将軍が入寺する。同様のプロットは会津戦争での敗戦時に藩主が同様の行動を執る(。こういう法慣習/folkloreを佐藤孝之『駆込寺と村社会』、吉川弘文館、2006が扱っている、但し、佐藤の場合は個別具体例の収集と分類次元に留まりそこから先の話は不在)。つまり「入寺」とか出家というユニークな行動の背後にあるものは日本社会に流布していた当時の倫理観/法観念(広義のfolklore)であると理解し、この種のもの(ここでは「入寺」ではなく市場経済の外部で展開される「中国銭」の流通)について探っていく。
岩橋勝『近世貨幣と経済発展』、名古屋大学出版、2019
東洋史家黒田明伸『貨幣システムの世界史』、岩波現代文庫、2020
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松永史談会 令和5年1月例会のご案内(第一報)

2023年01月06日 | 松永史談会関係 告知板

松永史談会 令和5年1月例会のご案内(第一報)

日時と場所
1月27日 午前10-12時、『蔵』2階
話題 福山藩出身の歴史家&史伝作家渡辺修二郎(1855~1944?)考


①国会図書館デジタルコレクション中の「渡辺修二郎」関係書籍
②同上「渡辺修次郎」関係書籍
「備後福山阿部家史料」のデジタル化、史料編纂所 荒木裕行
東京阿部家資料目録

本林 義範「上野戦争における福山藩士の彰義隊不参加と山岡鉄舟 」、白山文学(東洋大学)57,2021(山岡鉄舟のお陰で彰義隊に加わろうとした江戸詰め福山藩士を説得し、その参加を取り止めさせさらには藩の重臣と掛け合い、朝廷へ申し立てを行って、同藩が朝廷からの嫌疑も受けないよう取り計らった事実が判明したという内容の論攷。)
彰)
・・・・本林氏翻刻の全生庵所蔵「萬延元申歳以来日誌書抜大畧」を翻刻(19頁以後)
「(前略)藩内ノ方向如何哉ト、重臣渡辺大助(総兵衛、『県史』近2、366頁)ニ迫リ候處、福山ハ兎モあれ、是迠之御恩義ヲ以、譜代恩顧ノ家々トシテハ、如何シテ傍観ナルベキヤ、仮令万石以上王臣ノ布告アリテ、大義名分ニ於テ止ヲ得ズト雖モ、東京ニ於テハ隠居阿部不争斎(六代藩主・阿部正寧)初メ一同、徳川御家ト存亡ヲ共ニ可成ト決答ナリ」(12頁)、つまり江戸詰め福山藩士達は全員で徳川家と運命を共にすべきと決まった、と言うのである。その中心人物として引き合いに出されたのが重臣渡辺大助。この人物(江戸詰・御年寄)は渡辺修二郎(幼少期の思い出として「明治元年旧暦10月車駕御東幸を大宮町氷川神社付近の通路脇で拝したとか、明治2年旧暦2月23日より3日間吹上御所の拝観が許されたため渡辺修二郎/隠居後、止水を名乗る阿部正弘公御用人兼勤渡辺三太平の、子息)は母親・義理の姉とともにそれを見物に旧江戸城の『半蔵門より御苑内に入り,一巡して竹橋門』より出ず」(『近世叢談』,23頁)との記述)の親族だったヵ(渡辺『阿部正弘事蹟』索引にも「渡辺総兵衛、のち大助」名は登場、濱野『懐旧紀事』の引用文献として「渡辺総兵衛筆記」の記載あり)。

⑥1月例会提供の話題の方向性:
幕末期の阿部家中の場合、前述した隠居阿部不争斎が佐幕派で江戸詰の家来はその影響を強く受けていた。そのためこの渡辺と尊皇攘夷でまとまっていた国元の藩士達(福山藩の主流である福山在住の老臣達は、賴山陽の影響を受け尊皇論者)との間には微妙な意識面での温度差があった。この辺りの温度差は写真に示したようなテクストの形式で残された両者(すなわち、①濱野章吉編『懐舊紀事-阿部伊勢守事蹟-』明治32刊と②渡辺修二郎著『阿部正弘事蹟』,明治43年刊)の藩主阿部正弘観に反映されていたのか否かと言った点を含め、(もしあったとすれば)①と②の間に見られる歴史制作あるいは史伝制作の外形的な在り方の差異(その背後に潜む各制作者たちの知/knowledgeあるいは認識の地平の在り方の違い)に焦点を当ててみようと思う)。
こういう方面での松永史談会の話題としては例えば(a)松永史談会2019年11月例会:高島平三郎に退治された「おややの火」及び当該怪異妖怪譚に仮託された民衆的知(folklore)や(b)松永史談会2019‐4例会:福山の嘯雲嶋業編「備後国名勝巡覧大絵図(復刻版)」についてや鑑賞・読解から分析へ-「万延元年備後国名勝巡覧大絵図」中の沼隈郡表現にこと寄せて-等が関連してこよう。
いまのところ、③渡辺修二郎『評伝井上馨』同文館,明治30,(焉用氏(えんようし)=渡辺修二郎)、昨年12月例会でも一部言及した④渡辺修二郎『学商福澤諭吉』岩崎鐵次郎刊,明治33といった人物評伝なども視野に入れながらの話題(物語論/narratology:物語や語りの技術と構造の解明)を構想している。
【注意】井上馨の人物評伝については井上馨侯伝記編纂会・代表者:坂谷芳郎編『世外井上公伝」1-5、昭和9がある。長州閥の巨頭山県有朋の元書生二宮熊次郎が、頼まれて渡辺修二郎の著書の序文に書いた文面が(江湖→江湖新聞=佐幕派系ジャーナリズムと渡辺修二郎との関係を示唆?)。ちなみに二宮は渡辺よりも10歳も若い無名のジャーナリストだった。
そのため『評伝井上馨』は『学商福沢諭吉』同様に、よりいっそう、予め(井上馨のどういう側面をハイライト化したテクストで、それは妥当なものであると言えるのか否かを含め)史料批判orテキスト批判を要するのだ。
参考文献)例えばジェラール・ジュネット「物語のディスクール―方法論の試み」 や「物語の詩学 」続・物語のディスクールなど

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松永史談会12月例会のご案内

2022年11月25日 | 松永史談会関係 告知板
松永史談会12月例会のご案内

開催日時 12月23日 金曜日 午前10-12時。
開催場所 『蔵』2階
話題 「松永町出身の著述家高橋淡水(1872-1922)を偲んで」

メモ:
家永三郎『津田左右吉の思想史的研究』、岩波、1976。
高島平三郎『現代の傾向と心的革命』
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松永史談会11月例会のご案内

2022年11月05日 | 松永史談会関係 告知板
松永史談会11月例会のご案内

開催日時及び場所
11月25日 午前10-12 喫茶「蔵」二階
話題「新庄つる木浦新考」(正しくは毛利氏の「海の御用商人」尾道・渋谷与右衛門の知行地・新庄つる木浦について-中近世移行期における松永湾北岸域の風景点描(1)-
最新の知見を交えた松永史談会会報2017‐11例会報告の続編
史料としては便宜的に『広島県史 古代中世資料編Ⅳ』を使っていくが、この史料には誤植(誤解を含む)・脱漏と思われる箇所が散見されることを予め断っておきたい。
中近世移行期における松永湾北岸域の風景点描(2)及び(3)は論文としての一貫性を鑑み、いずれ市民雑誌に投稿予定(中近世移行期における松永湾北岸域の風景点描(2)は「文化財ふくやま」59号、2024年度版に投稿済み)。
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松永史談会10月例会のご案内

2022年10月10日 | 松永史談会関係 告知板
松永史談会の2022年10月例会のご案内

日時及び場所
10月28日(金曜日) 午前10-12時、喫茶「蔵」2階
話題明治以後に於ける山陽本線松永駅周辺の都市開発(性格としては「非効率的な資源利用につながる、近代日本における都市政策の欠落に起因する無計画かつ漸増的な都市成長」の実態)について
9月例会の話題の完結編で、引き続き都市史という側面から松永(旧松永市の中核部)の近現代を捉えていく。
空中写真で見た戦後の松永駅周辺の変化-市街地の面的拡大は進んだが、その内実は・・・。


1978年図中の南駅前線はV-Y(誤)→V-W(正)



実態とは乖離した福山市の都市計画区分 引用サイト

松永史談会2020年2月例会報告を加筆修正の上、2023年5月発行の雑誌に投稿済み。
現在は別の論文執筆(こちらも来年4月1日発行の雑誌原稿としてすでに投稿済み
続編はⅡ)沼隈郡新庄と沼隈郡神村 Ⅲ)備後守護細川氏の所領「備後国神村庄」と石清水神社領「備後国神村庄」
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松永史談会9月例会のご案内

2022年09月07日 | 松永史談会関係 告知板
松永史談会2022年9月例会を下記の要領で実施致します。
開催日時と場所

9月30日金曜日、午前10-12時
喫茶店「蔵」一階(店側の説明では”貸し切り”)
話題「「明治以後に於ける山陽本線松永駅周辺の都市開発(性格としては「非効率的な資源利用につながる、近代日本における都市政策の欠落に起因する無計画かつ漸増的な都市成長」の実態)について」(松永史談会2019年2月例会の続編:総括編という位置づけの話題となる)。
1954年3月撮影 松永市制施行当時の西町及び塩田の状況が判る。
市制施行前からの古い町場化の見られた栄町@東島での住宅は東島全域での埋め立て工事が不十分で、域内の住宅はこんな有様。防災面での脆弱性は明白。判屋栄町会館(旧母子寮)が松永小学校の前身・明治8年常磐小学校跡。

同様の状況は塩田の宅地・工場用地への転用が早い段階から見られた本郷島でも認められる。。旧畑と塩田境界部に立地する商工会議所松永支部の南隣はこんな状況だ。2㍍以上の高度差。ここでは鍋底状の窪地に住宅や職住混在型の各種事業所集積。

長和島のロイヤル自動車学校脇に残る旧塩田地形の痕跡(1メートルかさ上げされた車道との比高は4㍍程度・・石崖部分に注目すると、石段下の横石がかつての延谷屋浜塩田面を示す。

1962年ゼンリン住宅地図に見る駅周辺

昭和48(1973)年撮影・・・福山市合併
楠務『松永の展望』,中国観光地誌社、1955
広島河川国道事務所関係 国道2号線(昭和34年開通、国道2号線松永バイパス(昭和53~昭和62)道路建設⇒塩田埋立土供給。参考までに、松永地区の江戸後期~戦前における埋立土としては塩業の産業廃棄物(石炭ガラ)利用
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松永史談会7月・8月例会 中止のご連絡

2022年07月19日 | 松永史談会関係 告知板
松永史談会7月/8月例会の中止のご連絡

広島県内では新型コロナ感染者の一週間の増加数がこれまでの1.3倍から、直近では2倍へと急速に増加中で、8月11日現在6284人感染(日本国内の感染者の累計は1500万人超、これは国民の8人に一人に当たる数字。参考までに、この一ヶ月間の国内感染者が500万人)
つきましてはリスク回避の観点から、来る7月22日予定の松永史談会7月例会及び8月例会は中止と致します。
9月例会(提供話題:「明治以後に於ける山陽本線松永駅周辺の都市開発(性格としては「非効率的な資源利用につながる、近代日本における都市政策の欠落に起因する無計画かつ漸増的な都市成長」の実態)について」)を含め今後の予定については別途調整の上ご連絡させていただきます。
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松永史談会6月及び7月例会(中止)のご案内

2022年06月08日 | 松永史談会関係 告知板
松永史談会6月例会のご案内

開催日時と場所
◎6月24日(金曜日),午前10-12時
◎喫茶「蔵」2階
話題「武井節庵」研究のその後(武井節庵研究報告Ⅲ)
西尾市岩瀬文庫/古典籍書誌データベース中の武井節庵情報

松永史談会7月例会のご案内(なお、新型コロナ感染者が西日本を中心に急増中であり、わが県での一日当たり県内感染者が1200人超となり「要注意」/「危険」と判断された場合は、政府の緊急事態宣言発出の有無に関わらず、躊躇せず開催の延期/中止予定)県内ではすでに感染爆発状態にありますので7月例会は中止と致します。

開催日時と場所
◎7月22日(金曜日)、午前10-12時
◎喫茶「蔵」2階
話題 明治以後に於ける「山陽本線松永駅」周辺の都市開発について
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松永史談会5月例会のご案内

2022年04月29日 | 松永史談会関係 告知板
5月例会のご案内-第一報-
  
日程及び開催場所
5月27日(金曜日)、午前10-12時、開催場所:福山市今津町・薬師寺本堂
中世今津に存在した金剛寺(現在は廃寺)の本尊:如意輪観音像の拝観及び
「中世沼隈郡新庄今津における『弁財天女の霊廟』-薬師寺蔵今津金剛寺本尊如意輪観音像の拝観に事寄せて-」

広島県年表(1374-1600) 松永史談会「2021-11月例会レジュメ」④⑤に整理し掲載。
関連記事(松永史談会の研究成果公開分)//
参考文献)備後国守護山名関係の事柄については岸田裕二『大名領国の経済構造』岩波、2001,及び岸田裕二『大名領国の構成的展開』,吉川弘文館、1983など。

【追記】
『沼隈郡誌』に天平6年6月と銘打った「剣大明神由来記」に「御山の内厳島弁財天とて石あり」(495頁)の記述。これについて昭和に入り神主を務めた金原氏はわざわざ拝殿の西北脇にそれらしい石組(金原さんは「青むしろ」か「?」の地方雑誌中の小論文の中で「磐座」)を新造し、そこは旧来より厳島(宮島さん///厳島のことを宮島と呼ぶのは明治以後、この時代には剣大明神境内の弁天岩を厳島弁財天だという認識が消滅していたことを示唆)と名付け云々と紹介していた。内容はfakeだったが、この厳島弁財天は石段脇の所謂「弁天岩(明治10年には元禄7年の石灯籠と一括して闇龗神社と命名)」を指す。この辺の口伝は戦前段階には神主さんたちの間でも不在だったのだろう。さらに『沼隈郡誌』掲載の伊藤梅宇撰文「剣大明神縁起」(496頁)にその霊験として「而して或いは龍女献燈の事あり」の一節を記述しているが、剣大明神境内にはそれとは別に厳島弁財天=龍女伝説が伏在していたことが判る。この辺のものは金剛寺本尊:如意輪観音像(像高さ50~70㎝程度のまことに小さなもの)関連の伝承だろうと思われる。剣大明神縁起とは別に、本社の境内地には金剛寺とリンクした如意輪観音-厳島弁財天‐龍女信仰が複合していた点が確かめられたように思う(2023年5月5日)。


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松永史談会4・5月例会のご案内-第一報-

2022年03月25日 | 松永史談会関係 告知板
表紙画像は16秒間だけ表示、繰り返し見る場合は240秒待つか、直ぐに表紙画像をクリック。それも16秒後に消えるので最初の小さな表紙画像に戻る。全文精読の場合はその繰り返し。

沼隈郡島嶼部/臨海部での龍神信仰(民俗学的情報)


テクスト:『神道大系・論説編 4/天台神道(下)』405-450頁、所収の「渓嵐拾葉集」(チェック済み)、およびこれと系統を異にする『大正大蔵経・第七十六巻』版の「渓嵐拾葉集、503-888頁、神道大系版より有用だが、誤植多し」。

松永史談会4月・5月例会の予定について

4月例会・・・・4月29日(昭和の日、祝日)午前10-12時 喫茶「蔵」2階

5月例会    日程及び開催場所については調整中(近世初頭に廃寺となった中世今津に存在した金剛寺の本尊:如意輪観音拝観を兼ねる)
4月5月例会の話題は中世における如意輪観音・宇賀神(弁財天:沼隈・御調郡域では厳島弁財天)信仰の話題を視野に入れながら、4月例会では第一話として自分たちの住む地域を海側の視点から見つめ直す意味も含め、旧沼隈郡及び御調郡域における竜神(弁天/如意輪観音などとも習合する)信仰の痕跡についてです。


瀬戸内海西部(j福岡・大分・愛媛・山口・広島の各県)
考古学・・・祭祀遺跡
歴史学・・・海上信仰の奉納物(船絵馬など)
民俗学・・・漁民の信仰(フナダマ信仰・オオダマ信仰・魔除けの貝、えびす信仰・竜神信仰・厳島信仰・金比羅信仰andその他)
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松永史談会2月/3月例会についてのご連絡と今後の予定

2022年02月06日 | 松永史談会関係 告知板
表紙画像は16秒間だけ表示、繰り返し見る場合は240秒待つか、直ぐに表紙画像をクリック。それも16秒後に消えるので最初の小さな表紙画像に戻る。全文精読の場合はその繰り返し。





松永史談会3月例会は3月25日 金曜日(10-12時) 場所:「蔵」2階という線で日程調整します。
話題は昨年3,4月例会報告の骨子をまとめた「尾道の『丹花』について」(尾道文化、40、2022年3月刊)で言及しなかった、例えば①渋谷家文書(九州大学長沼文庫内)中の寛永期『尾道町宗門人別改帳』等を取り上げ、そこから透かし見えてくるものについて解説します。なお、尾道渋谷氏(大西屋)は沼隈郡つるぎ浦(松永/柳津境)に知行地を与えられた戦国大名毛利氏の家臣で、近世前半期松永塩田(大西浜、享保期の所有者は大西屋治兵衛、その後、寛延期には竹原屋七三郎へ。写真手前の大型舟形光背墓が大西屋荘兵衛/大西浜の所有者)の開発事業に関わった尾道豪商の一人。

なお、②平泉澄「対馬のアジール」については中沢新一『僕の叔父さん 網野善彦』、集英新書、2021こちらの記事
①②のうちいずれかについて話題提供します。
関連した2016年度松永史談会の活動⑨・・・尾道[笠岡屋小川家(尾道町本陣)墓地、慈観寺境内宇都宮龍山(三原藩の藩儒で、松永浚明館主長谷川櫻南の師)墓、尾道・善勝寺大西屋渋谷家墓地、丹花小路及び同小路脇「荒神社」、播磨屋松之助墓および同氏建立供養塔]のエクスカーション
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