- 松永史談会 -

   こんにちは。ご機嫌如何ですか。

右文堂編集長時代の高島平三郎

2014年03月31日 | 教養(Culture)






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高島平三郎最後の著書『新日本女性に寄す』

2014年03月31日 | 断想および雑談
高島平三郎最晩年の著書だ。武士道に関する言及があったので入手した。
高島が武士道精神を持つ人物であることを最初に書いたのは下澤瑞世ではなかったか。
下澤があまり優秀ではなく、高島から寵愛されていたタイプだが、下澤の指摘は慎重に吟味しながら、今後やってくことになろう。
本文関係は国会図書館でネット公開されている。
大宮某という人物の名前が消されている。




中に朝日新聞東京本社版、昭和20年2月X日の切り抜き記事が入っていた。
切り抜き記事の裏面A、連日連夜の本土空襲下での記事だったようだ。高島のこの本もそういう時代的状況下で読まれた書ということになるのだ。


裏面B


裏面C


切り抜き記事=「新しき日本婦道」、BASEBALLではなく、野球道、相撲道 ここでは其の並びで「日本婦道」



女子教育を体系化した広島県人下田次郎あたりの「人間味の教育」とは一味違う高島であった。

作家高群逸枝「伝統の護持心」







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高島平三郎の風景と肖像

2014年03月30日 | 断想および雑談
高島の風景を考える場合のポイントは広島在住時代から、雑誌教育時論に投稿していた若いころ(明治19年、高島22歳時・金見村浜上にあった小学校訓導時代)からの篤学の士であった。


明治18年創刊の『教育時論』は,同年に発刊された『教育愛知』と双壁をなす近代教育ジャーナリズムの一方の雄というべき教育雑誌である。報道,秤論を重視して編集されており,教育情報媒体として明治中期の教育界に大きな機能を果たした。
教育時論は雄松堂から復刻版





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小酒井不木「学者気質」

2014年03月29日 | 断想および雑談
学者気質

小酒井, 不木, 1890-1929,小酒井不木 著


学者気質(洛陽堂版、1921)

小酒井不木 著


[目次]
標題
目次
一 病苦 / 100
二 貧苦 / 109
三 迫害 / 118
四 魔法 / 119
五 予言 / 135
六 不可思議 / 152
七 名誉 / 161
八 金 / 170
九 道義 / 179
一〇 常識 / 189
一一 科学と文芸 / 199







春陽堂版(1921)





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伊藤 堅逸 著「児童宗教教育の基礎」 、 洛陽堂、 大8

2014年03月28日 | 断想および雑談
伊藤 堅逸 著「児童宗教教育の基礎」 、 洛陽堂、 大8
序文





児童宗教教育の基礎

伊藤堅逸 著



[目次]
標題
目次
第一章 兒童精神生活の基礎 / 1〜23
一、 序說 / 1〜4
二、 遺傳 / 4〜17
三、 境遇 / 17〜22
四、 意志 / 22〜23
第二章 兒童精神生活の發達 / 24〜73
一、 序說 / 24〜32
二、 胎兒期の精神生活 / 32〜33
三、 嬰兒期の精神生活 / 33〜45
四、 幼兒期の精神生活 / 45〜58
五、 少年少女期の精神生活 / 59〜64
六、 靑年處女期の精神生活 / 64〜72
第三章 兒童の宗敎意織及び其發達 / 74〜108
一、 兒童の實在感情 / 74〜76
二、 兒童の信仰性 / 76〜79
三、 宗敎心の基礎 / 79〜85
四、 兒童宗敎意織發達の過程 / 85〜90
五、 兒童の道德的意識 / 91〜97
六、 宗敎敎育に於ける性的差別の願慮 / 97〜99
七、 理性の發達 / 99〜114
八、 回心 / 104〜108
第四章 宗敎、宗敎心及び宗敎敎育の意義 / 109〜138
一、 宗敎とは何ぞや / 109〜114
二、 宗敎心に對する本能說と經驗說 / 114〜118
三、 宗敎心及び其涵養 / 118〜121
四、 宗敎は敎育すべきもの / 122〜127
五、 何を敎育するか / 127〜131
六、 兒童の宗敎敎育と父母の任務 / 132〜135
七、 兒童の個性と共通性 / 134〜137
八、 宗敎敎育の槪念 / 137〜138
第五章 宗敎敎育の要素 / 139〜153
一、 神 / 139〜143
二、 敎師 / 134〜146
三、 自然 / 146〜151
四、 兒童 / 151〜153
第六章 本能と宗敎敎育 / 154〜242
一、 序說 / 134〜159
二、 自己保存の本能 / 160〜174
三、 個體本能 / 174〜187
四、 社會本能 / 187〜207
五、 知的本能 / 207〜243
第七章 感情の發達と宗敎敎育 / 244〜287
一、 序說 / 244〜248
二、 感情の性質 / 248〜250
三、 感情の身體に及ほす影響 / 250〜251
四、 感覺と感情との關係 / 252〜257
五、 感情の表出 / 257〜259
六、 感情の發達 / 259〜286
七、 結論 / 286〜287
第八章 意志の發達と宗敎敎育 / 288〜320
一、 序說 / 288〜292
二、 衞動 / 292〜294
三、 慾望 / 294〜299
四、 意志 / 300〜303
五、 意志動作の發達 / 303〜307
六、 不健全なる意志及び其取扱ひ方 / 307〜311
七、 意志の敎育 / 312〜315
八、 意志の完成 / 315〜316
九、 意志の宗敎敎育 / 316〜320
第九章 理智の發達と宗敎敎育 / 321〜366
一、 序說 / 321〜366
二、 記憶 / 327〜339
三、 聯想 / 339〜349
四、 想像 / 349〜360
五、 觀念 / 360〜365
六、 結論 / 365〜366
第十章 習慣の構成 / 367〜392
一、 序說 / 367〜370
二、 習慣構成の生理的說明 / 370〜371
三、 可塑性及び習慣の可能期間 / 371〜374
四、 習慣構成上の兒童の保護及び官理 / 374〜375
五、 習慣構成の方法 / 376〜379
六、 習慣構成の法則 / 376〜379
七、 惡習慣の打破 / 381〜382
八、 習慣の價値 / 382〜386
九、 習慣構成の時機 / 387〜389
十、 宗敎敎育と習慣 / 389〜392
第十一章 人格の養成 / 392〜405
附錄 幼稚園時代までの宗敎敎育 / 407〜432
一、 序說 / 407
二、 胎內時代の敎育 / 407〜409
三、 生後三歳迄の敎育 / 409〜412
四、 幼稚園時代の敎育 / 412〜431

「国立国会図書館のデジタル化資料」より

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山本瀧之助「地方青年」明治37、国光社

2014年03月27日 | 断想および雑談
タイトル
地方青年
著者
山本滝之助 著
出版者
国光社
出版年月日
明治37


本書の刊行は国光社の印刷部門のトップだった河本亀之助の支援の賜物だろ。











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高島平三郎 著「教育的心理学」右文館、明治33年

2014年03月27日 | 断想および雑談
[目次]
標題紙
目次
第一編 緒論 / 1〜34p
第一章 心理学の意義 / 1p
第二章 心理学の種類 / 2p
第三章 教育的心理学 / 5p
第四章 精神作用の生理的基礎 / 6p
第五章 神経生理と教育と / 12p
第六章 識及び注意 / 16p
第七章 注意の教育 / 22p
第八章 精神作用の区分 / 28p
第九章 教育の意義 / 31p
第二編 覚性の心理 / 34〜98p
第十章 感覚(上) / 34p
第十一章 感覚(下) / 40p
第十二章 知覚 / 48p
第十三章 表現作用の教育 / 52p
第十四章 記憶(表象表象連合) / 59p
第十五章 記憶の教育 / 67p
第十六章 想像 / 71p
第十七章 想像の教育 / 75p
第十八章 感情の概説 / 77p
第十九章 初歩の感情(感応) / 80p
第二十章 感応の教育 / 82p
第廿一章 意の概説 / 86p
第廿二章 衝動及び慾望 / 88p
第廿三章 其の教育 / 95p
第三編 悟性の心理 / 98〜136p
第廿四章 思考作用類化 / 98p
第廿五章 概念 / 100p
第廿六章 概念の教育 / 105p
第廿七章 判断及び推理 / 108p
第廿八章 其の教育 / 114p
第廿九章 情緒 / 118p
第三十章 情緒の教育 / 123p
第卅一章 意志 / 129p
第卅二章 意志の教育 / 133p
第四編 理性の心理 / 136〜156p
第卅三章 理想及び其の教育 / 136p
第卅四章 知情及び美情 / 139p
第卅五章 美情の教育 / 145p
第卅六章 徳情及び其の教育 / 149p
第卅七章 品性及び其の教育 / 152p
第五編 心理法及び自我 / 156〜170p
第卅八章 心理法及び教育上の注意 / 156p
第卅九章 自我 / 163p
第四十章 教育の極致 / 167p
附録
日英独心理学語彙

「国立国会図書館のデジタル化資料」より


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魯迅の弟周作人

2014年03月27日 | 教養(Culture)
魯迅の弟周作人(作家・随筆家)は高島の「児童研究」や「児童を謳へる文学」から影響を受けたらしい。
同仁会と「同仁」


雑誌「児童研究」は高島平三郎を研究するときの基本文献のようだ。
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山口伊策 編纂「コドモノ画」

2014年03月26日 | 断想および雑談
山口伊策 編纂「コドモノ画」、中西屋書店、大正1年 序文は高島平三郎。














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明治時代の教育会

2014年03月26日 | 断想および雑談
明治時代の教育会
新武士道の国際的運動に就いて(少年団by 高島平三郎)
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高島平三郎:東洋大学歴代学長

2014年03月26日 | 教養(Culture)
高島平三郎:東洋大学歴代学長

高島の年譜、人物紹介としては「高島先生教育報国60年」、「高島平三郎著作集、高島平三郎年譜」が詳しい。
心理学分野では高島の代表的著書として「児童心理学講話」(1909)、「教育に応用したる児童研究」(1911)、「児童之精神及身体」(1914)があげられることが多い。

典拠→新規検索「高島平三郎」

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高島平三郎が右文館編集長時代の出版物:元良「倫理講話 : 中等教育 前編 」明治33年

2014年03月26日 | 断想および雑談
高島は長野師範をやめて右文館の編集長となり、小学校の教科書編纂に従事(『高島平三郎著作集』付き「高島平三郎年譜 by 大泉溥」)。明治31年のことだ。
元良勇次郎『倫理講話・上下』は明治33年に高島平三郎のもとで編集・出版されたが、教科書の執筆に経験のあった高島は元良をリードする形で自分のセンスで「考案」の部分の増補と字句修正を行い、実践的な中等学校教科書の体裁に整えた。序文中の高島に対する元良の謝辞は、高島の有能さと元良の人柄の発露だろ。

雑誌「児童研究」(明治31年11月~)の発売元は第二巻より普及舎から右文館へ変更。編集作業が高島中心に進められていたことを示す。

ちょっと余談になるが「児童研究」は全国からの投稿記事が載されたりしており、子供をめぐる当時の風習・因習(folklore)をしる手掛かりが得られるかも・・・・・


大阪府師範学校→大阪学芸大学の旧蔵書を大阪の古書店より入手。


元良勇次郎 著「倫理講話 : 中等教育 前編
出版地:東京
出版社:右文館
出版年:1900






目次




標題紙 / (0001.jp2)
目次 / (0005.jp2)
緒論 / (0007.jp2)
第一章 倫理学の範囲及定義 / 1 (0007.jp2)
第二章 自己の観念(一) / 8 (0011.jp2)
第三章 自己の観念(二) / 19 (0016.jp2)
第四章 自己の観念(三) / 30 (0022.jp2)
第五章 自己の観念(四) / 40 (0027.jp2)
第六章 徳性涵養の必要 / 49 (0031.jp2)
第七章 家族倫理(一)家族組織 / 55 (0034.jp2)
第八章 家族倫理(二)親子の道 / 64 (0039.jp2)
第九章 家族倫理(三)婚姻論 / 74 (0044.jp2)
第十章 社会倫理(一)概論 / 82 (0048.jp2)
第十一章 社会倫理(二)公益論 / 91 (0052.jp2)
第十二章 社会倫理(三)礼儀論 / 101 (0057.jp2)
第十三章 社会倫理(四)信義論 / 108 (0061.jp2)
第十四章 社会倫理(五)慈善論 / 115 (0064.jp2)
第十五章 社会倫理(六)名誉論 / 123 (0068.jp2)
第十六章 社会倫理(七)訴訟論(一) / 131 (0072.jp2)
第十七章 社会倫理(八)訴訟論(二) / 139 (0076.jp2)
第十八章 社会倫理(九)娯楽論(一) / 148 (0081.jp2)
第十九章 社会倫理(十)娯楽論(二) / 156 (0085.jp2)
第二十章 社会倫理(十一)献身論 / 164 (0089.jp2)
第二十一章 社会倫理(十二)生命論 / 171 (0092.jp2)
第二十二章 社会倫理(十三)財産論 / 183 (0098.jp2)
第二十三章 社会倫理(十四)品格論 / 193 (0103.jp2)
第二十四章 国家倫理(一)国家組織論一斑 / 202 (0108.jp2)
第二十五章 国家倫理(二)臣民相互の関係 / 210 (0112.jp2)
第二十六章 国家倫理(三)納税の義務 / 219 (0116.jp2)
第二十七章 国家倫理(四)兵役の義務 / 223 (0118.jp2)
第二十八章 国家倫理(五)権利義務の解釈 / 229 (0121.jp2)
第二十九章 国家倫理(六)責任論 / 242 (0128.jp2)
第三十章 国家倫理(七)国際倫理 / 254 (0134.jp2)
第三十一章 国家倫理(八)一般人類と国家との関係 / 263 (0138.jp2)
第三十二章 国家倫理(九)政府と人民との関係 / 270 (0142.jp2)
第三十三章 国家倫理(十)人民階級論 / 270 (0142.jp2)
第三十四章 国家倫理(十一)国民といへる観念 / 278 (0146.jp2)

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元良勇次郎・著作リスト

2014年03月26日 | 断想および雑談
元良勇次郎・著作リスト


名称 共著・訳者 年 出版社
博士論文 - - -
Exchange - 1888 -
著書(主著者) - - -
教育新論 - 1884 中近堂
心理学 - 1890 金港堂
万国史綱 家長豊吉 1892 三省堂
倫理学 - 1893 冨山房
心理学十回講義 - 1897 冨山房
中等教育倫理講話 - 1900 同文館
教育と宗教との関係 - 1900 光融館
精神物理学 - 1900 哲学館講義録
現今将来倫理及宗教 - 1900 勉強堂
中等教育元良氏倫理書(上下巻) 文学博士元良勇次郎博士講話 1902 成美堂
心理学綱要 - 1907 弘道館
心理学概論 - 1915 丁未出版社・実文館
著書(分担執筆) - - -
教育病理及び治療学 榊保三郎 1912 冨山房
児童学綱要 高島平三郎等 1912 洛陽堂
翻訳 - - -
仏国不換紙幣発行始末並信用論 - 1890 民友社
ヴント氏心理学概論(上下巻) 中島泰蔵 1898/1899 冨山房
青年期の研究 中島力造等 1910 同文館
その他 - - -
片仮名・平仮名読み書きの難易に関する実験報告 松本亦太郎 1904 国語調査委員会
論文集 - 1909 弘道館
英独仏和:哲学字彙 井上哲次郎・元良勇次郎・中島力造共著 1911 丸善
哲学大辞典



「児童学綱要」メモ


序文M40.4


特記事項

日本児童研究会秋季総会での講演会の講演記録(20~30分)

 1911(明治44)年11月23日・神奈川県師範学校



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元良は講演筆記の「児童研究」を掲載している。

p9 私は実は其頃には児童研究ということを目的として居ったのではなかったのであるけれども、ホール先生があまり熱心に児童研究の話をされるものですから、知らず識らずの間に此の研究に引込められたという訳で、それからこちらへ帰ってきまして、其時分から高島君が最も古い方でありますが、高島君と話をして、日本でも児童研究を始めようではないかということで、実はあの外山正一さんや何かと一緒に研究を始めたのであります。



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大泉(1997)p117参照


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続・東京洛陽堂の刊行物たち

2014年03月25日 | 断想および雑談

東京洛陽堂の書籍を何冊か入手した。白樺派の文学作品・竹久夢二の画集は高価なので購入対象外。

医師三田谷啓の「そとへそとへ」は英独留学後の三田谷が日本人に対する国際感覚・世界的視野の必要性を説いたもの。医師三田谷は我が国における身障児童行政面での功労者/先駆者。
三田谷は高島平三郎、富士川游つながりで本書を洛陽堂から刊行。『学校及び家庭に於ける児童生活の研究』は高島平三郎らの翻訳書。「感情移入の美学」で著名であったドイツの美学者テオドル・リップス『美学汎論』は河本俊三時代の刊行物。稲垣末松講述『美学汎論』(洛陽堂、1921)、同『美學各論』(洛陽堂、1922)
タイトル:美学各論,著者:リップス 著[他],出版者:洛陽堂,出版年月日:大正11

ルウドルフ・マグヌス 『自然科学者としてのゲエテ』は原翻訳書は洛陽堂刊、戦後翻訳者:小川政修が勤務校の九州大学医学部の九州医報に補訂版をだし、これをゲーテ関係のほかの論稿を併せて増補版としたのがこの九大出版会版だ。原翻訳書には小川の畏友永井潜への謝辞が付されており、永井の口利きで洛陽から出版していたことが判る。

ドラモント、高島&山本訳『学校及び家庭における児童生活の研究』、洛陽堂

目次 / (0005.jp2)
第一章 緖言 / 1 (0016.jp2)
第二章 兒童研究の豫備 / 10 (0021.jp2)
第三章 兒童研究上の警戒 / 29 (0030.jp2)
第四章 生物學と兒童研究 / 49 (0040.jp2)
第五章 兒童研究の方法 / 94 (0063.jp2)
第六章 嬰兒研究の法 / 128 (0080.jp2)
第七章 兒童の體重と身長 / 152 (0092.jp2)
第八章 兒童發育上の事實 / 164 (0098.jp2)
第九章 兒童の感覺及神經系統 / 189 (0110.jp2)
第十章 兒童の健康 / 212 (0121.jp2)
第十一章 兒童の疲勞 / 233 (0132.jp2)
第十二章 兒童の本能 / 262 (0147.jp2)
第十三章 兒童の本能と習慣 / 305 (0168.jp2)
第十四章 兒童の興味 / 321 (0176.jp2)
第十五章 兒童の發表 / 349 (0190.jp2)
第十六章 兒童の道德的特質 / 385 (0208.jp2)
第十七章 宗敎と兒童 / 408 (0220.jp2)
第十八章 特異の兒童 / 432 (0232.jp2)

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帆足理一郎『精神生活の基調』、新生堂、大正12月刊

2014年03月22日 | 断想および雑談
90年前の本だが、売れ残りか、中野書店・古本倶楽部(東京・杉並)より使用感の少ない本を入手した。帆足の生き方には敬服させられるところもあるが、私の場合、別段彼のキリスト教神学に関心があるわけではなく、単に新生堂が震災後最初に出した文献史料として・・・・・


本の装丁は洛陽堂時代と変わらず。帆足は宗教(博士論文はキリスト教神学)学者としていまではすっかり忘れられた存在だが、大正14年にはモダンな新居を建築し婦人雑誌の取材を受けたり、よく大正15年には2人の娘がアサヒグラフ 1926年11月3日号の表紙のモデルとして起用されたりし、大正~昭和初年における時の人だった。


帆足理一郎は明治14年11月5日,福岡県二日市に生れた。同地で中学校を終えたのち,明治35年にアメリカヘ渡った。ハイスクールを現地で卒業後,南カリフォルニア大学に進み,主として英文学を学び,明治45年に同大学を卒業した。のちさらにシカゴ大学の大学院,ディヴィニティ・スクール組織神学科に進んだ。その後の研鑽を経て,大正6年に前掲の論文(The Problem of Omnipotence in Current Theology,1918.A Dissertation
submitted to the Faculty of the Graduate School of Arts and Literature in Candidacy for the Degree of Doctor of Philosophy,Department of  Systematic Theo1ogy in the Graduate Divinity School)を提出し,Ph.D.を獲得した。この論文は優れた内容のものであったので,その後同大学のテキストの一つとして用いられたといわれる。帆足はアメリカでの学業を終え,大正7年に帰国した。ちょうどその時,早稲田大学で宗教学を講じていた石原謙が海外留学におもむくことになったので,帆足には同志社大学への話もあったが,早稲田大学で石原の後任をつとめることになった。帆足はすでに大正5年ころから洛陽堂を通じて薯書を公にし始め,帰国後は毎年数冊を刊行するほど驚異的な著述を行なったが,いずれも400頁前後の大著であり,またそれらの中には数十版というように版を重ねるものも少なくなかった。そのほか,個人雑誌「人生」(新生堂刊)を編集・刊行し,読者や聴衆の中からかなりの信奉者を出し,その著書の一つをもって「是れ吾が聖書なり」と記す者さえあったほどである。その主張するところ(キリスト教的平和主義、戦時中の良心的非戦/反戦論)は時流におもねらなかったので,大正(昭和?)9年の筆禍事件となり,大正(昭和?)11年復職するまで2年ほど大学を離れていた。帆足は,他方,早稲田大学基督教青年会の学生寮である信愛学舎の舎監をつとめ,のち理事,理事長となった。また第二次世界大戦後は早稲田奉仕園理事長もつとめた。その立場は自由なキリスト者の立場であった。第二次世界大戦中,そのデモクラティックな主張や国家主義に対するの批判が因とたって,ふたたび2年ほど(昭和19-21年)大学を離れていたが,昭和21年に復職し,27年,定年退職まで早稲田大学で教えた。その後,国際短期犬学,文化学院,東京文化短期大学で教え,昭和37年に北里大学の創設とともに教授として招かれたが,教壇に立つこと8ヶ月ほどで,昭和38年1月1日,82歳で他界した。」(以上、峰島旭雄「大正期における倫理・宗教思想の展開(7)一帆足理一郎の初期論文をめぐって一」による)


関東大震災直後に河本哲夫が帆足の求めに応じて出版した本だ。以後帆足はキリスト教思想を踏まえた思想書を新生堂より立て続けに出していく。思想信条面で河本哲夫と帆足とは信頼関係で結ばれていたようだ。ともにアメリカ留学経験者であった。

大正12年11月刊。関東大震災直後の出版だ。

序言には・・・・・











本文は国会図書館のデジタル化資料で閲覧可能だ。


目次




標題 / (0003.jp2)
目次 / (0008.jp2)
序 / (0004.jp2)
第一章 トルストイとガンディーの宗教思想 / 1 (0010.jp2)
トルスイトの傳統的宗教觀 / (0012.jp2)
眞の福音、眞のクリスト教 / (0019.jp2)
無抵抗と愛の生活 / (0027.jp2)
兩性關係の規律 / (0032.jp2)
「誓ふ勿れ」 / (0037.jp2)
「汝の敵を愛せよ」 / (0038.jp2)
イエスの福音と實行難 / (0042.jp2)
ガンディーとトルストイ / (0045.jp2)
「眞理の把持」と消極的反抗 / (0048.jp2)
アヒムサとスワデシの宗教的意義 / (0051.jp2)
ガンディーは政治家か宗教家か / (0055.jp2)
トルストイとガンディーの文化觀 / (0060.jp2)
現代的宗教より見たる二者及び「懴悔の生活」の批判 / (0062.jp2)
第二章 生の要求と宗教 / 123 (0071.jp2)
肉體と精神 / (0071.jp2)
發展の可能は何れにありや / (0073.jp2)
心的生活の三方面 / (0074.jp2)
生命の統一 / (0077.jp2)
理性と宗教 / (0077.jp2)
情性と宗教 / (0079.jp2)
意志と宗教 / (0081.jp2)
宗教の本領
第三章 昔の宗教と今の宗教 / 149 (0083.jp2)
過去に完全を認めし昔の宗教 / (0083.jp2)
眞理の專賣特許を僣稱せるカソリック教會 / (0084.jp2)
天啓と理性 / (0086.jp2)
教權と教理 / (0087.jp2)
十八世紀の理性萬能主義 / (0089.jp2)
十九世紀の進化論と宗教の歴史的研究 / (0090.jp2)
宇宙の創造的進化とクリスト教 / (0092.jp2)
現代的宗教 / (0093.jp2)
第四章 現代思潮とクリスト教 / 173 (0095.jp2)
ヘブライズムとヘレニズム / (0095.jp2)
中世思想と近代思想 / (0096.jp2)
カント以來の哲學 / (0098.jp2)
絶對論の打破と進化論 / (0100.jp2)
思辨と實驗 / (0101.jp2)
進化論とクリスト教 / (0103.jp2)
現代の進化論と神の人格 / (0104.jp2)
宇宙の神聖化とクリスト教 / (0106.jp2)
第五章 クリスト教の眞髓 / 200 (0109.jp2)
先づ迷信を打破せよ、イエス即神説の虚妄 / (0109.jp2)
家柄の誇と處女降誕、宇宙の進化と醜惡の善美化 / (0112.jp2)
イエスの時代とユデヤ教、彼の福音と現代の要求 / (0114.jp2)
福音の要諦 / (0118.jp2)
イエスの福音と解放の宗教 / (0121.jp2)
イエスの倫理觀 / (0124.jp2)
神人合一と自我の充實 / (0127.jp2)
家庭的愛の宗教 / (0130.jp2)
イエスの人格 / (0132.jp2)
十字架の意義 / (0136.jp2)
罪の贖ひと靈的生命の更改 / (0139.jp2)
第六章 救拯觀の今昔とクリスト論 / 268 (0143.jp2)
史上のイエスと信仰上のクリスト / (0143.jp2)
舊教時代の救拯觀 / (0144.jp2)
近代の救拯觀 / (0147.jp2)
クリスト觀の今昔 / (0151.jp2)
イエスの人格 / (0154.jp2)
第七章 神々の死 / 298 (0158.jp2)
緒言 / (0158.jp2)
形而上神の死 / (0160.jp2)
超然神の死 / (0162.jp2)
絶對神の死 / (0165.jp2)
創造神の死 / (0178.jp2)
結論 / (0181.jp2)
第八章 宗教の特質 / 349 (0183.jp2)
ヘエゲル派の神秘的宇宙觀 / (0183.jp2)
宗教的本能とは何ぞや / (0185.jp2)
生の欲求と冐險的要素 / (0186.jp2)
環境の觀念化 / (0188.jp2)
人格的態度 / (0191.jp2)
宗教の本質 / (0193.jp2)
結論 / (0195.jp2)
第九章 人本的宗教 / 375 (0196.jp2)
社會生活と宗教の改造 / (0196.jp2)
僧侶無用論 / (0198.jp2)
罪惡觀と救拯觀の改造 / (0200.jp2)
民本的宇宙觀と神の共働者たる人間 / (0203.jp2)
人本的宗教の適用 / (0204.jp2)
第十章 祖先崇拜の末路 / 394 (0206.jp2)
表面的日本 / (0206.jp2)
祖先崇拜の墮落 / (0207.jp2)
葬式の虚禮と廣告的行列 / (0209.jp2)
神社佛閣の墮落 / (0211.jp2)
第十一章 國民道徳と宗教 / 411 (0214.jp2)
軍國主義の破滅と國民道徳 / (0214.jp2)
國家主義的不一致と民本的共同 / (0216.jp2)
自律的道徳と民本政治及び教育 / (0218.jp2)
國民道徳の擴張と深化 / (0221.jp2)
個人道徳と社會道徳 / (0224.jp2)
現代的宗教 / (0226.jp2)

大正12年の2円40銭

帆足の薯書(類)....かなり誤りがあるので要注意!

宗教と人生     洛陽堂→新生堂 大正5年2月 448p・(改版野口書店
      昭和25年9月 276p.)
哲理と人生      洛 陽 堂 犬正7年3月 372p一(改版 野口書店
    旦召禾口25毛三10月  251p。)
人生詩人ブラウニソグ  新生堂 犬正7年6月450p.(改版野口書店
    昭和25年2月 296p.)
文化生活と人閥改造    博 文 館 犬正10年ユ月 460p.
哲学概論   洛陽堂 大正iO年3月393p。(改版新生堂
    犬正12年8月 334p・改訂増補 春秋杜 昭和28年8月 297p.)
聖き愛の世界へ      博 文 館 犬正10年9月 486p.(改訂 犬正10年
    ヱO月 476p・三訂増補 大正ユ5年4月 456p・新増訂版 野口書店
    昭和23年7月 310pつ
杜会と新人   洛陽堂大正10年11月456p.
人間苦と人生の価値    博 文 館 犬正12年4月 420p.
精神生活の基調      新 生 堂 犬正12年1工月 439p.(改版 野口書店
    昭和25年2月 290p。)
婦人聞題評論集      博 文 館 大正13年3月 470p.
杜会と人生      新 生 堂 大正ユ3年5月 452p.(改版 東方社
   昭和22年12月 295p一)
哲学と人生    新生堂大正13年5月443p.
教育と人生      新 生 堂 大正ユ3年6月 4工2p、
死生と宗教    新生堂犬正13年8月430p.(改版野口書店
   昭和23年8月 263p.)
婦人と新杜会の建設(共薯) 東京市編纂(三省堂発売) 犬正13年12月 1工8p.
   (「婦人と新杜会の建設」pp・1-51.他に:大江スミ「婦人の責任」,下
    田歌子r婦人の真自覚を要す」収載)
宗教哲学概論    博文館大正14年6月803p、
恋愛論  簿文館犬正15年6月348p.
優越の世界へ    新生堂昭和3年11月417p・(改版野口妻店
   昭和25年2月 252p一)
人生随想   博文館昭和4年4月384p・
教育改造論    新生堂昭和4年9月243p.
西津哲掌史      早稲田大学出版都 昭和5年10月 520p・(改版 野
    口書店 昭和25年11月
イエスの生活原理     新生堂
人生の目的(講演集)   新生堂
人 生 詩 集     新生堂
人 生 間 答     新生堂
448P一)
昭和8年1月
昭和9年3月
昭和10年9月
昭和11年6月
314P.
446p.
441p.
312P。

倫理学原論      新 生 堂 昭和11年6月 435p.
続人生間答    新生堂昭和13年10月336p・
デモクラシーの諸間題   日高書房 昭和21年11月 94p。
アメリカの宗教思想   野口書店昭和22年7月186p.
愛の倫理   東方杜昭和23年6月238p・
杜会文化と人間敏造   野口書店 昭和23年8月 231p。
ブラグマチズムの哲学   野口書店 昭和23年11月 157p.
デモクラシーの思想と宗教 東 方 杜 昭和24年1月 268p・
イエス伝    野口書店昭和25年2月432p.
人生読本    池田書店昭和29年6月466p.
 〔訳書〕
ジョソ デュウィーr教育学概論 民本主義と教育」 洛陽堂 大正8年5月
     603p・(改版「民主主義と教育」〔改題〕 審秋杜 昭和25年2月 393p・)
ミルトソ「失楽園」上    新生堂犬正15年3月476p.
ミルトソ「失楽園」下     新生堂昭和2年4月 566p.
ジョソ デュウィーr経験と自然」 審 秋 杜 昭和34年6月 377p一
デュウィー・タフツ「倫理学」   春 秋 杜 昭和37年1月 451p.
 〔選集〕
帆足理一郎選集      潮 文 閣 昭和17年6月 362p・
(5)月刊のこの個人雑誌ば第1巻1号(昭和6年6月)から5巻7号(昭和10年7月)
 まで続いたが,時流に合わず,廃刊となった。発禁停止により廃刊。
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