2チャンネルというネット掲示板があります。ワタシがまだ40歳になった頃でしたか、世の中の裏側にある様々な情報が飛び交う何でもありの掲示板で、いろいろと役に立ちました。その創始者にあたる著名な人物Hさんのことをちょっと書きます。(名前はあえて明かしませんが)
彼に言わせると、自分は議論で人に負けたことが無いのだそうです。過日「食糧自給率」のテーマがあって、農業食糧問題の専門家の方と議論をすることになったとか。
その時、専門家の方が自給率を上げることが重要だと力説したのに対して、H氏は、「単純に名目的な食糧自給率を上げても無意味である。外国人労働者が農業に従事していて、農薬・肥料・ハウスなど農業資材から温室の保温のための重油や農機具の燃料まで輸入に依存している。」と反論したら黙ってしまった、と自慢していました。(というような話だったと記憶していますが違ってたらごめんなさい)
相手の学者さんか農政の専門家は、至極もっともな反応であったでしょう。自分は狭義の食料自給率を上げることによって食糧問題の解決を図る研究をしているので、日本の資源輸入・エネルギー問題や外国人労働者の雇用問題などは専門外、軽々にそれを交えて議論する準備も立場にもないのですから。
ドリフのコントじゃないけれど「駄目だこりゃ」と呟いたでしょうね。
相手に対して「マウントを取り」たがる人が多いです。自分の方が、頭が良くて優秀で上の人間なんだと、大きな声でカマシたり、意表をついて有利に立とうとするのですね。議論は、本来勝った負けたでは無く、一つのテーマや問題に対して、複数の専門家や知見のある人、経験豊富な人がそれぞれの立場で意見を出し合い、最善の方法を導き「解決する」ことが目的であるはずなのですが。
さてそれはともかく、ウクライナ侵攻による国内への影響が様々出ていることが明らかになっています。原油・石炭・天然ガスなどロシアからの輸入が「制裁措置」により徐々に禁輸に向かい、その分他所からの調達コストが上昇しているのです。
また、鮭や蟹などの水産物の輸入も激減しています。蟹は当分「ズワイ・松葉ガニ」など日本海で獲れるもので間に合わすしかありません。さらに深刻になる問題は穀物であります。パンやうどん・ラーメンなど日本の主食に使われる小麦が向こう数年間違いなく世界的に不足するのです。
食品の値上がりは、半端じゃなくなるでしょう。政府はコロナ対策予備費に12兆円を充てていますが、これは国会を通さないですむ(予算に盛り込まれない)掴み金であります。与党が明細も無く好き勝手に10兆円以上を使ったことが報道されています。ワタシ達の税金と国債発行(借金)の資金が、誰もしらないまま消えているのだと。
本来はコロナで困っている人たちに補填し、ワクチン・医療体制・治療薬開発に役立てるべきものが、特定の業界(旅行・観光・飲食等)を優遇されていることは紛れもない事実であります。最近では参議院選挙対策のバラマキにあの手この手を使ってるようですが。また、ロシアショックによる物価の高騰や経済不況の対策も打つべきなのです。
すると岸田さん、今になって、石川県の農家さんなどとの懇談会で、「食糧自給率」を上げることの重要性を力説したそうです。ウクライナ侵攻がないとそこまで思い当たらなかったのでしょうか。自給率は1965年の73%をピークに4割を切っています。ワタシ達の食べ物の6割以上を輸入に頼っているのです。
この問題は、2chのHさんに依らずとも大変複雑でわかりにくいものです。大きくは①日本人の食生活 ②食料廃棄物 ③農業政策(休耕・後継者・小規模農家等々 ④輸入制度 ⑤自給率の考え方(カロリーベースとか
生産額ベースとかで全く異なる)などが挙げられます。
こうした諸問題を一つずつ取り上げると一冊の本になるくらいです。ただ明らかなことは自民党が農家を「票田・集票マシン」としかみてこなかったことと、農水省が三流でまじめに日本の農業振興に貢献していないこと、更に「農協」が日本の農業を歪めダメにしてきたことが原因と言えます。そして国際社会が不安と危機に陥り、中露の横暴が強まるにつれて、この2国からの輸入に頼らないシステムに移行すべきだと思いますね。
むろん消費者も、無農薬有機栽培を期待したり、季節性がある野菜や果物を一年中求めるのを考えさないと、コスト高=農産物の値段が高い→国際競争力を失い野菜が売れないという負の連鎖が断ち切れないのです。
ワタシ達が出来ることと言えば、プランターや庭で自前の野菜を育てる事、季節折々の旬の食べ物を美味しく、残さずいただくことを心がける、過剰に(輸入)食肉を食べないことくらいかもしれません。
ということで、今日も屋上スイカと菜園での野菜作りにいそしむといたしましょう。
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