5月のプライベートツアー(1年前の出来事です)。本日のお客さんは超セレブ界より。有名ハリウッド女優さんのご主人でした。沢山の人気映画に出演しています。準備の段階で事前にこっそり教えていただきました。テレビはニュースしかみないため芸能人には非常にうといソリマチ、失礼なきよう過去の奥様の出演作品等々、関係分野でご活躍のご主人の経歴もきちんと勉強しておきました。お待ち合わせの時間にいきますと、若い男性がいらして、「本日のお客様です」と紹介されましたが、どうみてもネットで調べたご主人の顔と違う。「?」不可解な顔をしていると、マネージャーさんでした、そうよね、本人がロビーに立っているわけないか 笑。隣には強面のボディガードさん。そうして3人でご主人が下りてくるのを待ちます。
しばらくしてカジュアルな普段着姿で現れたご主人。セレブな方がお客さんだと必要ないのに緊張するなー。マネージャーさんのご要望で、まずは明治神宮へ。明治の森をゆっくり進みながら、いろいろなお話をさせていただきます。ご職業柄か、時間をかけて、かなりディープに神社、神道、宗教、の域に入っていきました。
ご主人曰く、お昼に奥様と六本木のお蕎麦屋さんでランチの約束があるということ。ということは、明治神宮のあと、一度六本木に戻らないといけませんね。
ハイヤーに戻ったところでご主人大ピンチ!なんと、どうしたことだかパンツが破けているう〜。下着が見えてしまう位置でちょっと目立つ〜 「大変だ!どこかパンツを買えるお店に連れていってくれないか?」
表参道がすぐ横。ラルフローレンへ直行。うまくサイズがあるといいのですが。。パンツって、ウエストと丈の両方が合っていないとすぐはけませんよね。何度もみたけど売り場で適当なパンツはなく、でもお店が倉庫からカタチはともかくご主人のサイズのパンツをあるだけ持って来てくださいました。全部試着するご主人。。。そして、なんとか、気に入った1着が見つかった様子。良かったーーー
お買い物も着替えも済ませ、軽い足取りで六本木へ向かいます。お蕎麦屋さんはまだ開店前でしたが、すでに数グループが列を作っていました。お店のオーナーさんによると、奥様とはもう長いことお知り合いなのだそうです。奥様との再会を心待ちにしている様子でした。ご主人には窓際の席に座って待っていただき、ソリマチはお店の外へ。しばらくすると、マネージャーさんとボディガードさんにはさまれて奥様がゆったりと歩いてやって来ました!金髪、長身、白いドレスで、超細い いや〜すごいオーラです。優雅ににっこり微笑みかけられ、ソリマチ目がハート😍
さて、お二人がランチを召し上がっている間、ソリマチも別席でお昼をいただきました。開店前から沢山並んでいたけれど、お店の中はもうあっという間に満席です。
お蕎麦、というと、温かいものを頼んでしまうんです。冷えた食事が実は苦手。なので、弁当・駅弁も好きではありません。そんなわけで、ついつい、温かい山菜蕎麦を頼みましたが、頼んでから周りを見回すと、ほとんど皆さんせいろそば。確かに、本当に麺の美味しさ、風味、食感を楽しめるのは、冷たいざるそばですよね!こういうお店だからこそ、冷たいシンプルな蕎麦を頼んで蕎麦湯もいただくべきだった。あー残念。食事のあとも、ご主人に「何を食べたの?」って聞かれて「汁そば」と言ったら、「せいろそばにすれば良かったのにね」って言われた! もちろん、汁そばもとても美味しかったですが、うーん、また来なくちゃ。
さてさて、お食事後、奥様はお仕事に戻られました。マネージャーさんとボディガードさんにはさまれ、再び優雅に歩いて戻るそうです。
ご主人とソリマチはハイヤーにてツアーの続きです。なんでも、大戦の傷跡が残っているところに行きたいとのこと。あらま。
そこで、戦争関係だけでなく、自然も文化財もある上野。上野公園でじ〜っくり残りの時間を過ごし、ツアーは終了となりました。
旅行会社さんが決めてその内容でお客さんに販売している「詰め込み式」の行程では、そこに書かれている場所は全て回らないといけなくて、そうなるとたいていは、表面さらっと案内するしか許されない時間配分になっちゃいます。たいていが駆け足。それはそれで、時間とのゲームであり、どんな行程でも決められた時間で上手く収めるのが通訳案内士の腕の見せどころなのかも知れませんが、このように、「どこにいきましょうか?何がみたいですか?」という白紙のツアーは、難しくもあり、また、ディープでもある。でも、印象に残ります。
夕方何かのお約束がある、とおっしゃっていたご主人を無事時間までにホテルにお連れして、業務終了です。お仕事で来日中もお忙しそうですが、少しの時間でも、空いたお時間を利用して、このように、東京観光をしてくださって良かった。また、来日するチャンスがあったら、もっと観光したいそうです。
そして、お仕事中でも、お昼はゆったりと、ご夫婦で。そんな時間をきちんと作っているなんて、なんか、良いな〜
さて、家への帰り道。ちょっと喉がかわきまして、立ち寄りました、酒屋併設のワインバー@有楽町。ふらっと入れて、サクッと飲めて、ぱっと帰れるのが嬉しい。泡とドライフルーツにしてみました。こうした時間に、次のロングツアーの行程チェックをします。
ロングは毎回行程が一緒だけれど、プライベートは個性的。どっちも長短あってどっちも好き。ロングだって、参加者が違えばツアーのカラーも変わる。一期一会のお付き合いだけど、「人」とある程度の時間一緒に過ごしそのお人柄にふれるお仕事。全国通訳案内士の仕事は奥が深いです