第2次世界大戦を体験した世代が次々と世を去り、戦争の悲惨さの記憶が急速に風化しつつある。
山崎豊子の力作「大地の子」は、中国残留孤児(戦争孤児)陸一心(松本勝男)の波乱万丈の半生を描いたものだ。
戦前日本の各地から新天地開拓の美名のもと「満蒙開拓団」が組織され満州に入植した。
しかし1945年ソ連の対日参戦で入植した家族はちりじりになり、幼い子供たちが満州に取り残された。
私は、彼ら残留孤児と同世代なので身につまされるものがあった。
まかり間違えば同じような境遇になっていたかもしれないからだ。
これだけの大作を書き上げた山崎豊子の原動力は「戦争に対する激しい怒り」である。
戦争から遠くなった世代である「若い人たち」にぜひこの本を読んで欲しいと思う。
ウツギ(ウノハナ)
この花を見ていると心が和む。
NHKの放送70周年記念番組として日中の共同制作によりドラマ化された。
主役に抜擢されたのは、当時無名であった上川隆也である。
素朴で骨のある役柄を見事にこなしていたと思う。
今でも彼が出るドラマはよく見る。
セントニコラス
薔薇は大変種類が多い。
優美で豪華な薔薇も良いが原種系のオールドローズも好ましい。
英国ヨークシャーのセントニコラス庭園で発見された。
中国に取り残された松本勝男は、過酷な体験を続けたのだが、小学校教師陸徳志に助けられる。
子どもの無い夫妻は、勝男に一心と言う名前を与え実の子のように育てたのだ。
中国や韓国、そして日本にも良い人もいれば悪い人もいる。
要は「ひと」である。国全体を捉えてどうのこうの言うのは控えたほうが良いのではなかろうか。
薔薇(ブラスバンド)
この薔薇はアメリカ作出。そのせいでもないだろうが、オープンで快活な印象を受ける。