花は盛りに、月はくまなきをのみ見るものかは。
雨に対ひて月を恋ひ、たれこめて春の行方知らぬも、なほあはれに情深し。
徒然草第137段
満開や満月など完全なものだけに執着して良いのだろうか?
雨が降る時に月が見えたらと懐かしく思い、家に引きこもったままで春の暮れて行くのを知らないでいるのも、やはり趣深くしみじみと感じられるものだ。
この数日、北海道はややしのぎやすい。ホット一息と言ったところか。
草花たちもそんな感じであろう。
シュウメイギク
どうもわれわれは「文明の毒」にかなり侵されているようだ。
物理学者で随筆家の寺田寅彦は次のように警告していた。
文明が進めば進むほど天然の暴威による災害がその劇烈の度を増すという事実である。
薔薇(ジャルダン ドウ フランス)
二番花の薔薇はみな小ぶりだがこの花は元気が良い。
台風が連続して日本列島に押し寄せてきている。
寺田寅彦は「天災は忘れた頃にやってくる」と言ったようだが、
忘れる間もなくやってくるようになった。
「自然に対して謙虚になれ」とイエローカードを突き付けられているような気がする。