行雲流水の如くに

漢詩を楽しもうーー漢字文化の衰退を憂える

悲しい哉 秋の気為るや 簫瑟(しょうしつ)として、草木揺落(ようらく)変衰す。

憭慄(りょうりつ)たり 遠行に在り、登山臨水、将に帰らんとするを送るが若し。 宋玉

なんと悲しいかな 秋の気というものは、ものさびしくも、草や木は揺すり落ち、いろが変わって衰える。

こころいたむこと、まるで遠い旅にあって、山に登り水に臨んで,ふるさとに帰ろうとするひとを送る気分だ。

 

宋玉は屈原の弟子と言われる。

2300年ほど前の詩だが、ここに流れる詩情は今も変わることはないと思う。

 

つりばなの紅葉が始まる

 

最近苦々しく思っていることは、日本語を使えば意味が通じるときでも英語を使うことだ。

英語を使うことで優越感を持ちたいのだろうか?

日本語はやわらかい言葉だ。

そこに漢語が入ることによって強さが加わり抽象思考が出来るようになる。

たとえば「美」という漢字がある。この字を分解すると羊と大になる。

羊の肉は柔らかく古代中国人の好みに合った。

肥えた羊の肉を食べることは至福であるのみならず安心を意味したのだ。

「美」は美味の意味をあらわし、それが拡張されて美しいものに対する感動をあらわすようになった。

どうだろう。こんな風に考え方が発展していくことは楽しいと思うのだが。

 

薔薇(マチルダ)

このバラの優しい感じは「美味」だと思う。


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コメント一覧

megii123
kenちゃん
同じ感じをお持ちでしたか。
本当にコロナウイルスが蔓延してからますますひどくなった印象を持っています。
なんとなく心が荒んできているのでしょうか?

学校教育では暗記を毛嫌いしているとか。
「受身3年」とか「門前の小僧習わぬ経を読む」などにあるように、基礎をしっかり体で覚えるべきだと思うのですが、かっこよく楽に覚えることが奨励されているのでしょう。

マスコミやお笑い芸人の劣化もひどいですね。
megii123
ひまわりさん
ありがとうございます。
詰め込み教育のせいなのか、それとも時代の流れなのか、「日本の良さ」がドンドン失われていきます。
はかない抵抗かもしれませんが、漢文や漢詩の良さを伝えていきたいと思っています。
詩人の高橋睦郎さんは次のように述べています。
「言葉が貧しくなっていくということは、心が貧しくなっていくことです」
knsw0805
「行雲」さん、こんにちは。
おっしゃる通りだと思います。日本は英語とカタカナ語が氾濫しています。こんなところで使わなくても良いと思うのに英語が出て来ます。恐らく未来は英語とカタカナの国になっていると思います。多分私もそれに属されていると思います。今日の私のブログ「スキャボロ・フェア」を紹介する時でもボーダーにぴったりなバラの花と出ていました。調べますと石垣等の後ろの壁を指すらしいのですが、初心者には全く分かりません。コロナをテレビで伝える時でもカタカナ語が多いですよ。全国民理解しているのかなと思います。それに若者言葉、何でも縮めて発言します。「難しい→むずい」「本当ですか→まじ、まじで」いらっとします。全てはマスコミメディア、お笑い芸人番組の責任です。
ひまわり
行運さま、賛成です!
わざわざなのか、知ってるから使いたいのかわかりませんが
エビデンスだとか、クラスターだとか、カタカナ言葉が氾濫してますね。
日本語で言ってくれれば、理解も早くできるのに……。
美しい日本語が廃れていくのは、寂しいです!
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