最近はパソコンやスマホの普及により、漢字への変換が簡単に出来るので真面目に漢字を覚えなくなっているようだ。
実際に、漢字検定を受ける人は2008年の290万人をピークに、2020年度は141万人になった。
世の中すべてデジタル、デジタルと大騒ぎしているが、単に平板な人間を作り出しているだけではなかろうか?
私の好きな漢詩に陶淵明の飲酒その五がある。
菊を採る東籬の下 悠然として南山を見る
阿辻哲次氏(京大名誉教授)によれば、
「ここで陶淵明が菊を摘んでいるのは、花瓶に活けて花を愛でようとしてのことではない。この菊は食用であり、彼は実は夕食のおかずとして、庭の菊を摘んでいたのである」
※陶淵明はかなりの酒好きだから、菊の花を肴に老酒でも飲んでいたのであろうか。是もまた面白い。
宿根アスター(1年草のエゾギクをアスターという)
「菊」には訓読みがないという。
「桜」は音読みではオウ、「梅」はバイ、「竹」はチク。
「菊」は音読みが「キク」、早い時期に中国から日本に伝わったからか。
是もまた面白い。
「薔薇」という言葉はどうなんだろう?
日本には薔薇の原生種は、「うばら」とか「いばら」と呼んでいた。
10世紀前後に中国から在来種のバラとは別物で入ってきたものがある。
漢語で薔薇(さうび)と呼んだ。
羽ならす蜂あたたかに見なさるる窓をうづめて咲くさうびかな
橘曙覧(1812~1868)
薔薇(アンネの想い出)
もう少し花が開くとアプリコットに変わる。
楚々たる感じだが寒さに立ち向かっている姿は凛とした強さを感じる。
アンネ・フランクにふさわしい。