モアノー探偵事務所 4つ目の話 万引!! 安子ばぁちゃんが?
ああ、店長と二人の巡査は挨拶した。
ハルさんは店長の顔を見つめた。
「あの、せっかく来ていただいたけどパン屋のハルさんが保証人になると言うし・・・・それに初めてのことですから・・・・・今日はいいことにします。」
「そうですか? 一体誰ですか?一応知っておきたいのですが。」
「イヤ、今回はなかったことにしてください。」
店長はやんわりと、しかし、譲らない口調で言った。
ハルさんは「申し訳ありません。 もう二度としませんので。」とぺこぺこしながら言った。
ハルさんは安子ばぁちゃんをパン屋の奥の自宅に連れて行った。
「安子ばぁちゃん、とにかくお茶でも飲んでください。」
大き目の湯呑茶碗にたっぷりの飲み頃のお茶を勧めるのだった。
安子ばぁちゃんは何も言わなかった。
ケンちゃんの顔と孫の顔が交互に頭をよぎった。
お茶を少し飲んだ後、
「ハルさん、ご面倒をおかけしました。」と安子さんは頭を下げた。
安子ばぁちゃんはケンちゃんの家の側に住んでいた。
その家は安子ばぁちゃんの亡くなったご主人が育った家で、よくできた家だったけれど、とにかく古かった。
南側には庭もあって居間の正面の塀に沿って2本の桜の木があった。
それは安子ばぁちゃんに長男が生まれたときに植えたものだった。
格別に食べに来るわけではなかったが、チュン太は仲間とよく来る庭だった。
安子ばぁちゃんはフローリングの廊下にゴザを敷いて日の当たる冬の昼間はそこで編み物をしたり、ラジオを聞いたりしていた。
チュン太の生まれる前は知らないけど、安子ばぁちゃんちには長いこと他に誰もいなかった。
ケンちゃんはおかあさんに連れられてよく安子ばぁちゃんちに来た。
ケンちゃんが小学校に入ると昼食とか、夕食のおかずを安子ばぁちゃんに届けるようになった。
またケンちゃんのおとうさんはちょっとした修繕とか電球を替えるようなことをしてあげた。
ケンちゃんにとって安子ばぁちゃんは3人目のおばあちゃんだった。
安子ばぁちゃんちには絵本や童話がたくさんあった。それから汽車や電車のおもちゃもたくさんあった。
ケンちゃんはおもちゃで遊ぶのが大好きだった。
そしてケンちゃんには安子ばぁちゃんちに本やおもちゃがあるのは当然だった。
商店街の人たちは安子ばぁちゃんが若いお嫁さんのときから知っていた。
だから店の代が変わっても安子ばぁちゃんの買い物の荷物が多いと届けたりしていた。
ハルさんは安子ばぁちゃんの長男が北海道にいることや、長女や次男が時々来ていることも知っていた。
長女の電話番号も持ってはいたのだが、あまりにもプライバシーにかかわることなので、今回のことは娘といえども他言する気にはなれなかった。
安子ばぁちゃんは何度も面倒をかけたことを謝罪したが、それ以上何も言おうとしなかった。
桜の花は半分以上散っていた。
チュン太は枝を飛び移りながら、縁側にいる安子ばぁちゃんを観察していた。
チュン太は何か不自然でいつもと違うものを安子ばぁちゃんに感じていたのだ。
ああ、店長と二人の巡査は挨拶した。
ハルさんは店長の顔を見つめた。
「あの、せっかく来ていただいたけどパン屋のハルさんが保証人になると言うし・・・・それに初めてのことですから・・・・・今日はいいことにします。」
「そうですか? 一体誰ですか?一応知っておきたいのですが。」
「イヤ、今回はなかったことにしてください。」
店長はやんわりと、しかし、譲らない口調で言った。
ハルさんは「申し訳ありません。 もう二度としませんので。」とぺこぺこしながら言った。
ハルさんは安子ばぁちゃんをパン屋の奥の自宅に連れて行った。
「安子ばぁちゃん、とにかくお茶でも飲んでください。」
大き目の湯呑茶碗にたっぷりの飲み頃のお茶を勧めるのだった。
安子ばぁちゃんは何も言わなかった。
ケンちゃんの顔と孫の顔が交互に頭をよぎった。
お茶を少し飲んだ後、
「ハルさん、ご面倒をおかけしました。」と安子さんは頭を下げた。
安子ばぁちゃんはケンちゃんの家の側に住んでいた。
その家は安子ばぁちゃんの亡くなったご主人が育った家で、よくできた家だったけれど、とにかく古かった。
南側には庭もあって居間の正面の塀に沿って2本の桜の木があった。
それは安子ばぁちゃんに長男が生まれたときに植えたものだった。
格別に食べに来るわけではなかったが、チュン太は仲間とよく来る庭だった。
安子ばぁちゃんはフローリングの廊下にゴザを敷いて日の当たる冬の昼間はそこで編み物をしたり、ラジオを聞いたりしていた。
チュン太の生まれる前は知らないけど、安子ばぁちゃんちには長いこと他に誰もいなかった。
ケンちゃんはおかあさんに連れられてよく安子ばぁちゃんちに来た。
ケンちゃんが小学校に入ると昼食とか、夕食のおかずを安子ばぁちゃんに届けるようになった。
またケンちゃんのおとうさんはちょっとした修繕とか電球を替えるようなことをしてあげた。
ケンちゃんにとって安子ばぁちゃんは3人目のおばあちゃんだった。
安子ばぁちゃんちには絵本や童話がたくさんあった。それから汽車や電車のおもちゃもたくさんあった。
ケンちゃんはおもちゃで遊ぶのが大好きだった。
そしてケンちゃんには安子ばぁちゃんちに本やおもちゃがあるのは当然だった。
商店街の人たちは安子ばぁちゃんが若いお嫁さんのときから知っていた。
だから店の代が変わっても安子ばぁちゃんの買い物の荷物が多いと届けたりしていた。
ハルさんは安子ばぁちゃんの長男が北海道にいることや、長女や次男が時々来ていることも知っていた。
長女の電話番号も持ってはいたのだが、あまりにもプライバシーにかかわることなので、今回のことは娘といえども他言する気にはなれなかった。
安子ばぁちゃんは何度も面倒をかけたことを謝罪したが、それ以上何も言おうとしなかった。
桜の花は半分以上散っていた。
チュン太は枝を飛び移りながら、縁側にいる安子ばぁちゃんを観察していた。
チュン太は何か不自然でいつもと違うものを安子ばぁちゃんに感じていたのだ。