三代目桂米朝師匠が、お亡くなりになりました。
89歳でした。
ここ何年か、入退院を繰り返されていたようなので、案じていたのですが、、、。
三代目桂米朝師匠は、
五代目桂文枝師匠、
六代目笑福亭松鶴師匠、
三代目桂春團治師匠
とともに、『上方落語四天王』と呼ばれ、戦後上方落語衰退期を支えた方です。
『上方落語四天王』のことは、
"好きなモノ その2―上方落語―"の
故五代目桂文枝師匠を取り上げた時にも書きましたが、悲しいことに、故人のほうが多くなってしまいました。
春團治師匠も
『残された四天王も僕ひとりになり、寂しい思いでいっぱい』
と仰っておられます。
戦後、十人程度に減った噺家を現在の二百人近い数にまで増やした師匠方の中心が、『上方落語四天王』でした。
その中で、最大が米朝一門です。
月亭一門や、桂枝雀一門や、桂ざこば一門等々、バラエティ豊かな弟子や孫弟子、曾孫弟子の集まる一門の中心が、米朝師匠でした。
更に、噺家を増やすだけでなく、生真面目で、研究熱心で学者肌の師匠は、数多くの埋もれていた上方落語の演目も復活させました。
演じるだけでなく、文献として残し、継承することにも情熱を注がれました。
そんな著作の中で"読む上方落語"と言っていいのが、ちくま文庫の
「上方落語 桂米朝コレクション」
だと思います。
「上方落語 桂米朝コレクション」
(ちくま文庫 全8巻)
「第一巻 四季折々 百年目 他」
「第二巻 奇想天外 地獄八景亡戯 他」
「第三巻 愛憎模様 たちぎれ線香 他」
「第四巻 商売繁盛 はてなの茶碗 他」
「第五巻 怪異霊験 猫の忠信 他」
「第六巻 事件発生 らくだ 他」
「第七巻 芸道百般 軒づけ 他」
「第八巻 美味礼賛 饅頭こわい 他」
これこそ、上方落語の教科書だと思います。
頭の中で米朝師匠が、様々な噺を語って下さってるような楽しい錯覚に陥ります。
(ただの妄想でありますf(^_^;)
あまりの可笑しさに、読みながら吹き出すこともあるので、通勤時の読書は、要注意ですが。(^^;
故桂枝雀師匠の
『上方落語 桂枝雀爆笑コレクション』(ちくま文庫 全5集)
とともに、私の宝本です。
その米朝師匠の語り口は、上品で"はんなり"してるのに、モッチャリしてなくて、シャッキリしてるというか、切れ味鋭く立て板に水の小気味良さなんです。
声に関しては、
五代目桂文枝師匠の高音の魅力、
三代目桂春團治師匠の低音の魅力、
六代目笑福亭松鶴師匠の愛敬あるどら声、
と比べると、米朝師匠のお声は、一言で表現しにくいお声なんです。
高さは中庸で、優しく聞きやすく、なめらかで、上品というのが、私のイメージです。
しかし、噺に入ると登場人物に合わせて、自由自在に声を変え、語り分ける七色の声なんです。
その七色の声と、細かい言葉使い、計算され尽くした細かい仕草で現す人物のメリハリの見事さは、流石です。
大袈裟な仕草や、極端な声の強弱をつけなくても、自然と人物の語り分けが判るところが、聴いていて心地良いんです。
語り分けの見事さに、テンポの良さが相まって、グイグイ噺に引き込まれていくのが、快感なんです。
悲しいですが、追悼番組で、この快感を味あわせて頂きます。
大ネタ「地獄八景亡者戯」もあります。
長らく「近日来演 桂米朝」の看板がかかっていた、地獄の寄席に
「本日来演 桂米朝」
の大看板がかかるんでしょうね。
と、思っていたら、息子さんの桂米團治さんも、早速寄席で、
「地獄八景亡者戯」前半で、ネタにされていたみたいですね。
米朝師匠自身も、あちらの寄席で同じようにご自身のことをネタに、この大ネタを演じられてるんじゃないでしょうかね。
ただ、米朝師匠のことなので、歴代の大師匠連から埋もれた噺を聞き出しているかもしれませんね。
米朝師匠、多くの噺を教えて頂き、ありがとうございました。
心を豊かにしていただいて、本当に感謝してます、ありがとうございました。
読んで頂いた皆様、ありがとうございました。(^^)
では、また(^-^)
89歳でした。
ここ何年か、入退院を繰り返されていたようなので、案じていたのですが、、、。
三代目桂米朝師匠は、
五代目桂文枝師匠、
六代目笑福亭松鶴師匠、
三代目桂春團治師匠
とともに、『上方落語四天王』と呼ばれ、戦後上方落語衰退期を支えた方です。
『上方落語四天王』のことは、
"好きなモノ その2―上方落語―"の
故五代目桂文枝師匠を取り上げた時にも書きましたが、悲しいことに、故人のほうが多くなってしまいました。
春團治師匠も
『残された四天王も僕ひとりになり、寂しい思いでいっぱい』
と仰っておられます。
戦後、十人程度に減った噺家を現在の二百人近い数にまで増やした師匠方の中心が、『上方落語四天王』でした。
その中で、最大が米朝一門です。
月亭一門や、桂枝雀一門や、桂ざこば一門等々、バラエティ豊かな弟子や孫弟子、曾孫弟子の集まる一門の中心が、米朝師匠でした。
更に、噺家を増やすだけでなく、生真面目で、研究熱心で学者肌の師匠は、数多くの埋もれていた上方落語の演目も復活させました。
演じるだけでなく、文献として残し、継承することにも情熱を注がれました。
そんな著作の中で"読む上方落語"と言っていいのが、ちくま文庫の
「上方落語 桂米朝コレクション」
だと思います。
「上方落語 桂米朝コレクション」
(ちくま文庫 全8巻)
「第一巻 四季折々 百年目 他」
「第二巻 奇想天外 地獄八景亡戯 他」
「第三巻 愛憎模様 たちぎれ線香 他」
「第四巻 商売繁盛 はてなの茶碗 他」
「第五巻 怪異霊験 猫の忠信 他」
「第六巻 事件発生 らくだ 他」
「第七巻 芸道百般 軒づけ 他」
「第八巻 美味礼賛 饅頭こわい 他」
これこそ、上方落語の教科書だと思います。
頭の中で米朝師匠が、様々な噺を語って下さってるような楽しい錯覚に陥ります。
(ただの妄想でありますf(^_^;)
あまりの可笑しさに、読みながら吹き出すこともあるので、通勤時の読書は、要注意ですが。(^^;
故桂枝雀師匠の
『上方落語 桂枝雀爆笑コレクション』(ちくま文庫 全5集)
とともに、私の宝本です。
その米朝師匠の語り口は、上品で"はんなり"してるのに、モッチャリしてなくて、シャッキリしてるというか、切れ味鋭く立て板に水の小気味良さなんです。
声に関しては、
五代目桂文枝師匠の高音の魅力、
三代目桂春團治師匠の低音の魅力、
六代目笑福亭松鶴師匠の愛敬あるどら声、
と比べると、米朝師匠のお声は、一言で表現しにくいお声なんです。
高さは中庸で、優しく聞きやすく、なめらかで、上品というのが、私のイメージです。
しかし、噺に入ると登場人物に合わせて、自由自在に声を変え、語り分ける七色の声なんです。
その七色の声と、細かい言葉使い、計算され尽くした細かい仕草で現す人物のメリハリの見事さは、流石です。
大袈裟な仕草や、極端な声の強弱をつけなくても、自然と人物の語り分けが判るところが、聴いていて心地良いんです。
語り分けの見事さに、テンポの良さが相まって、グイグイ噺に引き込まれていくのが、快感なんです。
悲しいですが、追悼番組で、この快感を味あわせて頂きます。
大ネタ「地獄八景亡者戯」もあります。
長らく「近日来演 桂米朝」の看板がかかっていた、地獄の寄席に
「本日来演 桂米朝」
の大看板がかかるんでしょうね。
と、思っていたら、息子さんの桂米團治さんも、早速寄席で、
「地獄八景亡者戯」前半で、ネタにされていたみたいですね。
米朝師匠自身も、あちらの寄席で同じようにご自身のことをネタに、この大ネタを演じられてるんじゃないでしょうかね。
ただ、米朝師匠のことなので、歴代の大師匠連から埋もれた噺を聞き出しているかもしれませんね。
米朝師匠、多くの噺を教えて頂き、ありがとうございました。
心を豊かにしていただいて、本当に感謝してます、ありがとうございました。
読んで頂いた皆様、ありがとうございました。(^^)
では、また(^-^)