"みゆきさんの言葉選び"なのですが、まずはお知らせから。
今日('20.5.30)午後7:00~10:54放送の日本テレビ系音楽特番『Premium Music 特別編』の『もう一度聴きたいプレミアム応援歌』コーナーのメドレーの中に
"43年前の貴重映像で中島みゆき「時代」"もあるそうです。
情報が遅くて、本当にギリギリで、ごめんなさい。m(_ _)m
さて、本題です。
と言っても、仰々しいタイトルの割には"今更ながら"なことなんですよ、今回は特に。
「風にならないか」と"言葉の傷"について書いた"みゆきさんの言葉選び、その27"にいただいたcookieさんのコメントで気づかせていただきました。
コメントをくださる皆さま、本当にありがとうございます。(*^ー^)ノ♪
そのやり取りを細かく書いていくと、数の壁が出てくるので少しだけ。
逃げずに向き合わなくてはいけないことが色々あるというお話に、結果的に逃げることになっても、みゆきさんは受け止めてくれる、というような返信をしたんです。
その後のcookieさんのコメントで、
"みゆきさんの歌は全部を受け止めてくれる。
みゆきさんの歌の懐の深さに救われた"とあったんです。
その受け止めてくれる懐の深さの根本はなんだろう?って、今更ながら考えたんです。
ここからは、本当に今更なこと、わかりきった話になると思います。
私も、それらしいことを書いてきましたし。
でも、その"今更"を改めて考えて、まとめたので、よろしければお付き合いくださいませ。
で、考えた結果、みゆきさんは他人事だと思わない、他人の痛みを自分の痛みとして捉えられる人なんだと改めて認識したんです。
漠然とは思っていたのですが、改めて。
そして、他人の痛みを感じられるというのが、想像力っていうことなんじゃないかなって思ったんです。
他人の痛みに思いを馳せれたら、自分のことを客観視して、省みることができるんじゃないでしょうか?って。
そこから、どうすればいいかを考えていくことが、"思いやり"や"気づかい"と呼ばれるものになるのかな?って。
それが、みゆきさんの懐の深さの源なんじゃないかと思うんです。
そう、感じて考える。
他人や雰囲気のせいにせず、流されずに、自分で考える。
考えた結果なら、みゆきさんは全部受け止めてくれるんじゃないでしょうか?って。
そんな、みゆきさんの想像力を感じられる曲が、
「お月さまほしい」
(『ララバイ SINGER』'06)
『♪君が今頃泣いてるんじゃないかと思ったんだひとりだけで泣いてるんじゃないかと思ったんだ
どんなにひどい1日の終わりでも
笑って帰って行った君だから
夜中にひとりで泣いてるんじゃないかと思ったんだ
君をかばう勇気も なぐさめも
何ひとつ浮かばず 見送った
己れのなさけなさに さいなまれて
君に何か渡してあげたくて
何かないか何かないか 探し回ったんだ
夜中の屋根で猫は跳ぶ 呼んで跳ぶ 泣いて跳ぶ
夜中の屋根で猫は跳ぶ 呼んで跳ぶ 泣いて跳ぶ
君に贈ってあげたいから
お月さまほしい
夜中の屋根で猫は跳ぶ 呼んで跳ぶ 泣いて跳ぶ
君に贈ってあげたいから
お月さまほしい』
他人の痛みへの共感、想像で一番はじめに浮かんだ歌です。
1番の『君』への語りかけは、気弱な幼声。
2番は、幼声ではなく、優しくしっかりした声で、『君をかばう勇気もない』僕(?)を歌う。
『君』と『君をかばう勇気もない』僕(?)、どちらの痛みも伝わってきます。
そして、悲しげだけど力強く歌われるサビ。
『夜中の屋根で猫は跳ぶ 呼んで跳ぶ 泣いて跳ぶ
君に贈ってあげたいから
お月さまほしい』
ラストは、悲しい熱唱です。
歌の主が猫なのか、比喩なのか、とかの解釈はしません。
理屈抜きで、全身で受け止めたくなる歌です。
私にとって、歌の力に泣かされる歌なんです。
特に2番のみゆきさんの優しく沁みる声と
『夜中の屋根で猫は跳ぶ 呼んで跳ぶ 泣いて跳ぶ』
のところが、泣きのツボです。(笑)
『鳴いて』ではなくて、『泣いて』としてるのも。
あっ、これでは"みゆきさんの声"になってしまう。
失礼しました。f(^^;
歌ではありませんが、みゆきさんの想像力の凄さ、懐の深さを最も感じたのが、
2.26日「結果オーライ」で、みゆきさんが語りかけられた言葉です。
(注:私の記憶の中のお言葉です)
"こういう、未知の出来事が起こると、パニックになって、押しのけあったりすることも心配ですが、
心優しい人たちが、心優しいために、自分のことを後回しにして、倒れてしまわないか心配です。
皆さま、どうか自分のことを大切にしてください。"
このお言葉を2回めにUPした
"師匠inなんばは、中止です。"(2.27)で、お言葉とリンクして浮かんだ曲の一部分だけを抜き出しました。
その2曲をフルバージョンで載せようと思います。
まず、最初に浮かんだ曲。
「ささやかな花」
(『夜会VOL.17 2/2』DVD・Blu-ray'13)
『♪艶やかな人が多くなったね 声高な人が多くなったね
いまどき誰でも当り前だろうか 勝ち負けで人は分けられる
いまに限らず遠い昔から 目立つ話が正論で残る
声を荒げて人は我(われ)を通す 黙る人は置き去られる
ささやかな花 踏まれるな 気弱な花 折られるな
ささやかな花 傷つくな 気弱な花 傷つくな
ささやかな花 踏まれるな 気弱な花 折られるな
ささやかな花 傷つくな 気弱な花 傷つくな』
残念ながら、アルバム収録曲ではありません。
『夜会VOL.17 2/2』('13)の劇中曲で、DVD・Blu-rayに入ってます。
みゆきさんの眼差しがよくわかる隠れた名曲だと思っています。
ただ、みゆきさん歌唱曲ではないんです。
劇中では、コビヤマ洋一氏が、みゆきさん扮する莉花に向けて、優しく歌われます。
コビヤマさんもステキなのですが、みゆきさんバージョンが、是非聴きたい1曲です。
特に、今は。
そして、もう1曲。
こちらは、アルバム『常夜灯』('12)、『中島みゆき ライヴ リクエスト-歌旅・縁会・一会-』('18)と『中島みゆき「縁会」2012~3』DVD・Blu-ray('14)に収録されてます。
「風の笛」
(『常夜灯』'12 他)
『♪つらいことをつらいと言わず イヤなことをイヤとは言わず
呑み込んで隠して押さえ込んで 黙って泣く人へ
ええかげんにせいよ たいがいにせいよ
あけっぴろげだったお前は 何処へ消えた
ええかげんにせいよ たいがいにせいよ
目一杯だったお前が 気にかかる
言いたいことを言えば傷つく 大切な総てが傷つく
だから黙る だから耐える それを誰もが知らない
ならば
言葉に出せない思いのために お前に渡そう風の笛
言葉に出せない思いの代わりに ささやかに吹け風の笛
言葉に出せば通じることもある
言葉に出せばこじれることもある
目を上げてみな アゴ上げてみな
言えないこと呑んで溺れかけている
黙るより他思いつかず 決めたんならそれもいいだろう
そして黙る そして耐える それを誰もが知らない
ならば
言葉に出せない思いのために お前に渡そう風の笛
言葉に出せない思いの代わりに ささやかに吹け風の笛
つらいことをつらいと言わず イヤなことをイヤとは言わず
呑み込んで隠して押さえ込んで 黙って泣く人へ
言葉に出せない思いのために お前に渡そう風の笛
言葉に出せない思いの代わりに ささやかに吹け風の笛
言葉に出せない思いの代わりに ささやかに吹け風の笛』
笛の音のように澄んだ、みゆきさんの声が沁みる曲です。
この曲の中で、私が一番好きなフレーズが、
『♪言えないこと呑んで溺れかけている
黙るより他思いつかず 決めたんならそれもいいだろう』
「ささやかな花」もそうですけど、みゆきさんは決して"逃げるな~闘え~"じゃないんですよ。
自分で考えて決めたなら、受け止めてくれる。
その懐の深さに救われるんです。
それが、もう少し過激で、お尻を叩かれるようになると、彼の有名なフレーズになるんだと思います。
『♪その船を漕いでゆけ おまえの手で漕いでゆけ
おまえが消えて喜ぶ者に おまえのオールをまかせるな』
(「宙船」)
みゆきさんの目線は、いつも一緒なんだと思うんです。
だから救われるんだと。
何かまとまったのか、まとまってないのかわからなくなりましたね、ごめんなさい。
その上、途中中断を余儀なくされたので、UPが本当にギリギリになってしまって、すみません。m(_ _)m
時間がないので、この辺で。
お読みいただきまして、ありがとうございます。(^^)
では、また。(^-^)