「蜜蜂と遠雷」 恩田陸

2019年10月06日 | 読書
「羊と鋼の森」を読んだ時もそうだった。

音楽を文章にすることで、こんなにも頭のなかにその時の音楽と情景が、鮮明に思い出すことがあるなんて。作者の筆力に圧倒される。

調律師とピアニストの違いはあっても自然の中から浮かび上がる人それぞれの音たちを、どうやったら自分のものにできるか、又は人の心に届けられるか。
そこに至るまでの葛藤、困惑、情熱、絶望などが描かれる過程で、自分のあらゆる感情がさらされ試されるような気がした。

人が持つ音楽や芸術への尊敬や憧れは小さな頃からの環境にもよるけれど、誰しもあり、それがあるから人生は救われているのだろう。
人も自然、地球の一部でありそこから生まれ土に帰るから畏敬の念を持って作り出す音楽や芸術は心を揺さぶられるのだ。

ずいぶん前に読んだが、最近映画が公開されたので再読。映画も見たら又感想書きます。

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