タイトルのやさしさに魅かれて手に取った。しかし、そこは宮部みゆき作。
地方の小さな藩の武士の次男坊、古橋笙之介が、江戸に出てきて人々に助けられながら、
自分の父の無実を証明しようと奔走するのだが、
優しい性格の笙之介や父とは違いきつい性格の母や兄との葛藤や、藩の陰謀を絡ませ、
人情溢れる長屋の人々と、次々と起こる事件を解決しながら笙之介が成長するさまを描いている。
宮部みゆきを読むとおもうのは、作者の描く家族の形はいつもどこか歪んでいて、
決してハッピーエンドには終わらない。
4つのエピソードの中でも、大店の一人娘がかどわかされた真相は家族の一端を表し、
悲しい結末を迎えるし、笙之介自身の家族もしかりで、幸せな家族という理想をことごとく
破壊していく。家族に理想を求めないという本質はいつも底辺にあるのではないだろうか。
だからこそ、どの小説を読んでも、出会った人々の少しのやさしさやいたわりにほっとするし、
それがあるから乗り越えられると思わせてくれる。
人の帰るべき場所は、家族という理想ではなく人のやさしさにありということかなぁ・・
NHKでドラマ化されていたらしいので、それも見てみたい。
自分も「桜ほうさら」読みましたよ。
人生には思いがけないことが起きることもあります。
でも一生懸命生きていれば帳尻が合うようになっているのかなって思いましたよ。
ドラマも見ましたが良かったです。
ドラマもみてみます。