メカニック日記

メカニックです。仕事ネタから感じた事思った事など気まぐれに更新していきます…

プロフィア…チェックランプ点灯。

2016-05-20 01:56:40 | 日野
KS-SS1Eプロフィア…

チェックランプが点灯する…との事で入庫。

早速、スキャンツールで故障コードを確認します…


いろいろと入っておりますが…現在故障なのはP2002のみ。

で、このP2002は特定の箇所やセンサーの不具合を示すものでは無く、DPRに関連する複数の箇所の不具合を示す故障コードです…

なのでDPRステータスを確認…




触媒の劣化判定が出ております…

この触媒劣化の判定は…
差圧やら温度変化などその他色々をECUがモニターしており総合的に判断して触媒劣化フラグがオンになります…

なので…どこが悪いっていう訳でも無いんです。

問題なのは触媒が本当に劣化してるのかどうか⁉︎…という事。
差圧チェックすると基準値ギリギリなので…


とりあえずDPRを強制再生させる為に、ステータスをリセットして…


強制再生。
温度変化を注意して見ておきます…














最終的にIN側が385℃
OUT側が488℃程まで上がりましたが…もう少し上がって欲しいですね…

で、少し時間を空けて再度差圧チェック。


9.3kPaだった差圧も6.9kPaまで下がりました…
ただ今回は、差圧不良の判定では無く触媒劣化…

なので最後にオパシメータで排気ガスを測定…数値も問題無いのでコレで一度納車して様子を見てもらいます…


納車する時に気付いた事…

クラッチが滑り気味…
自動調整タイプなので下手に調整は出来ません…
荷を積んだ状態で滑って動けなくなったら大変な事になるのでお客様には修理の必要性を説明しておきます…
この車両は50トン級のトレーラーを牽引するトラクターなので、60km/h規制車なんです。
実際にはメーター読みで56km/hぐらいでリミッターが作動します…
当然、高速は走れません…

で、ミッションはZF社製の前進16段のバック2段式…



ギヤは8速にHI.LOWのスプリッター付きで16段…


ニュートラルポジションが3速と4速の間と…5速と6速の間の2箇所あるんですが…
よく聞くのが、楽だから…という理由で空荷や単車時に5速発進する…という話し。

当然クラッチには良くありません…
せめて3速発進にした方が確実にクラッチには優しいです…

しかもこのZFのクラッチ…ディスクやカバーなど部品だけで50万以上したはずです…
何年か前に作業した時は工賃入れて100万近い金額になった記憶があります…笑

どんな車でもマニュアルであれば、発進はなるべく低いギヤで半クラッチもあまり多用しないように心がける事で無駄な修理を減らせて車も長持ちします…

車はドライバーによって良くも悪くもなりますからね…










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