リフトアクスルが右側だけ上がり方がおかしく、上がる時に異音がする…との症状で入庫したトレーラー。
調べた結果リフトアクスル用のチャンバーのロッドが変な方向を向いており、アームが曲がっていたので交換の見積りを出していたのが1ヶ月程前の話。
予定が合い本日入庫…
これは車両をリフトアップしてタイヤを外した状態。
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BPWのツーサイドリフトアクスル…というタイプのアクスルです。
リフトアクスルって何…⁇という方の為に簡単に説明すると、そのまんまなんですがアクスル(車軸)をリフトアップする機構で…
トレーラーの多軸車で荷を積んでいない時や軽い荷を積んでる時などに必要のない車軸をリフトアップする機構の事です。
何故そんな事をする必要があるのか?…ですが…
1番のメリットは高速道路などの通行料金に割引が適用されるんです。
大型トレーラーの高速道路での車種区分は特大車なんですが、トラクターとトレーラーの合計軸数が3軸だと大型料金で通行出来るんです。
大型車の通行料金は特大車に比べ4割も安くなるので大幅な経費の削減になります…
なので、例えばトラクターが2軸、トレーラーも2軸の場合は合計で4軸なので本来なら特大車扱いなんですが、トレーラーにリフトアクスル機構があり、2軸のうち1軸がリフトアップされて路面に接地してる軸数が合計で3軸になれば連結状態でも大型料金で通行出来ます。
ただし、リフトアクスルは空荷もしくは比較的軽い荷の時にしかリフトしないので、ガッツリ荷物を積んでると通常通り特大車扱いとなります…
なので帰り荷の無い事が多いタンクトレーラーなどを主に採用率も上がってます…
リフトアクスルの制御には自動と下降しか無く、通常は自動にしておきます。
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エアサスのベローズの圧力が規定圧以上になると強制的に軸が降りるので荷を積んでるのにリフトアクスルして通行料金を安くしよう…というズルは出来ないようになってます。
長くなりましたが…作業の方を。
今回のケースはリフト用のステーが割れて変形した事によるリフト不良…
取り外したステー。
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新品との比較
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チャンバーもロッドが曲がってます
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チャンバーの押込み不良でステーが割れたのか…
それともステーが割れてチャンバーが悪くなったのか…
スプリングピボットボルトにはガタや摩耗はありません…
軸方向のガタも無さそうです。
スプリングピボットボルトの比較。
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このピボットボルトも定期的なトルク管理が必要です。
チャンバーブラケットやステーやカラー類は全て交換します…
スプリングブッシュはガタは無いので再使用します。
組み付けていきます。
穴を合わせて…
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スペーサープレートも交換します。
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スラスト方向のガタを抑制するものなんですが、組む時に穴の位置を合わせて保持させるのが意外と大変なので、プレートを保持しつつも穴の位置も合わせれるように…と、以前、不要になったピボットボルトを切っただけのSST…
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スペーサーを入れて
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SSTで保持。
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ハンガーから飛び出さないけどスペーサーは保持出来るナイスな長さでカットしてあります。
仮組みしたブラケットを合わせて…
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新品のピボットボルトを挿入。
後はところてん方式でボルトを軽く叩いていけば反対側に保持用のSSTが抜けていきます。
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で、内側にナットを取り付けて規定トルクで締め付け…
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るんですが、このスプリングピボットのボルトの締め付けトルクは900Nmという高トルクで…
フレーム外側からはボルトの回り止めがある為、内側からじゃないと締められないんですが…
当然、車両の内側にはそんな長いトルクレンチが振れるスペースはありません…
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なのでこのような倍力レンチを使用します。
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このレンチの倍率は3倍なので300Nmのトルクを入力すれば900Nmで出力されます…
全長も短いので車両の下の限られたスペースでも十分に使用出来ます。
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このエアサスの足廻りはメーカーから定期的なトルク管理が指定されてます。
更にリフト用のチャンバーも取り付け。
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このチャンバーの締め付けトルクは180Nm…
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後はタイヤを取り付けて完成です。
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完成後のテスト。
作動はこんな感じで動きます。
リフトアクスルその1
リフトアクスルその2
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無事に左右共、正常にリフトアップするようになりました…
仕事を終えて帰りの道中…
太陽の光が綺麗な夕焼け空…
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調べた結果リフトアクスル用のチャンバーのロッドが変な方向を向いており、アームが曲がっていたので交換の見積りを出していたのが1ヶ月程前の話。
予定が合い本日入庫…
これは車両をリフトアップしてタイヤを外した状態。
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BPWのツーサイドリフトアクスル…というタイプのアクスルです。
リフトアクスルって何…⁇という方の為に簡単に説明すると、そのまんまなんですがアクスル(車軸)をリフトアップする機構で…
トレーラーの多軸車で荷を積んでいない時や軽い荷を積んでる時などに必要のない車軸をリフトアップする機構の事です。
何故そんな事をする必要があるのか?…ですが…
1番のメリットは高速道路などの通行料金に割引が適用されるんです。
大型トレーラーの高速道路での車種区分は特大車なんですが、トラクターとトレーラーの合計軸数が3軸だと大型料金で通行出来るんです。
大型車の通行料金は特大車に比べ4割も安くなるので大幅な経費の削減になります…
なので、例えばトラクターが2軸、トレーラーも2軸の場合は合計で4軸なので本来なら特大車扱いなんですが、トレーラーにリフトアクスル機構があり、2軸のうち1軸がリフトアップされて路面に接地してる軸数が合計で3軸になれば連結状態でも大型料金で通行出来ます。
ただし、リフトアクスルは空荷もしくは比較的軽い荷の時にしかリフトしないので、ガッツリ荷物を積んでると通常通り特大車扱いとなります…
なので帰り荷の無い事が多いタンクトレーラーなどを主に採用率も上がってます…
リフトアクスルの制御には自動と下降しか無く、通常は自動にしておきます。
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エアサスのベローズの圧力が規定圧以上になると強制的に軸が降りるので荷を積んでるのにリフトアクスルして通行料金を安くしよう…というズルは出来ないようになってます。
長くなりましたが…作業の方を。
今回のケースはリフト用のステーが割れて変形した事によるリフト不良…
取り外したステー。
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新品との比較
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チャンバーもロッドが曲がってます
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チャンバーの押込み不良でステーが割れたのか…
それともステーが割れてチャンバーが悪くなったのか…
スプリングピボットボルトにはガタや摩耗はありません…
軸方向のガタも無さそうです。
スプリングピボットボルトの比較。
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このピボットボルトも定期的なトルク管理が必要です。
チャンバーブラケットやステーやカラー類は全て交換します…
スプリングブッシュはガタは無いので再使用します。
組み付けていきます。
穴を合わせて…
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スペーサープレートも交換します。
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スラスト方向のガタを抑制するものなんですが、組む時に穴の位置を合わせて保持させるのが意外と大変なので、プレートを保持しつつも穴の位置も合わせれるように…と、以前、不要になったピボットボルトを切っただけのSST…
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スペーサーを入れて
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SSTで保持。
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ハンガーから飛び出さないけどスペーサーは保持出来るナイスな長さでカットしてあります。
仮組みしたブラケットを合わせて…
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新品のピボットボルトを挿入。
後はところてん方式でボルトを軽く叩いていけば反対側に保持用のSSTが抜けていきます。
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で、内側にナットを取り付けて規定トルクで締め付け…
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るんですが、このスプリングピボットのボルトの締め付けトルクは900Nmという高トルクで…
フレーム外側からはボルトの回り止めがある為、内側からじゃないと締められないんですが…
当然、車両の内側にはそんな長いトルクレンチが振れるスペースはありません…
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なのでこのような倍力レンチを使用します。
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このレンチの倍率は3倍なので300Nmのトルクを入力すれば900Nmで出力されます…
全長も短いので車両の下の限られたスペースでも十分に使用出来ます。
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このエアサスの足廻りはメーカーから定期的なトルク管理が指定されてます。
更にリフト用のチャンバーも取り付け。
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このチャンバーの締め付けトルクは180Nm…
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後はタイヤを取り付けて完成です。
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完成後のテスト。
作動はこんな感じで動きます。
リフトアクスルその1
リフトアクスルその2
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無事に左右共、正常にリフトアップするようになりました…
仕事を終えて帰りの道中…
太陽の光が綺麗な夕焼け空…
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