前回の記事とは別のクオン…
ゴールデンウィーク前に立て続けに重なったエンジン不調の修理…



前回も書きましたがロッカーシャフトASSYが重たいので1人でも安全&確実に脱着するために治具を考案中…(製作する時間があるかどうかは謎…)

純正SSTがあるようですがどうせ高いので値段すら聞いてません…








まあこれは完全に設計当時のミスですね。


ハーネスキットに含まれるカバー類を取り付けて完了。

ヘッドカバーやら補機類を取り付け。

エラーコードが無いことを確認して…

インジェクターのID書き換え。

エンジンを始動して各データを見ながら暖機。



ついでにDPFも強制再生…

温度やデータも特に気になる所も無さそう…

最後にもう一度エラーがないか確認して

チェックランプが点灯してエンジンがバラついているという事で入庫。
エラーコードを見てみると現在故障で1番と3番の電流低下or断線のエラー、過去履歴には2番も同内容の履歴が残っています…

前回記事にしたクオンは初期診断こそしていませんが、同じ1、3番だったのでもしかしたらよくある事例なのかもしれませんね…
エラーコードを消去してもすぐに再入力されるような状態。
一度段取りを組むために出庫してもらう時にはチェックランプも消えていたりとランダムに症状が出ていました…
となるとハーネスも疑わしい訳でその辺りも含めて一度ハーネスだけ交換してみるか検討していましたが、インジェクターのエア噛みの症状も出始めている…という事だったので今回はインジェクターとハーネスの交換作業をする事に。
部品を手配して後日再入庫していただき作業を開始…
まずはインジェクター交換を先に済ませておきます…
ここは前回と同様の作業なのでサラっと。


前回も書きましたがロッカーシャフトASSYが重たいので1人でも安全&確実に脱着するために治具を考案中…(製作する時間があるかどうかは謎…)

純正SSTがあるようですがどうせ高いので値段すら聞いてません…

で、リビルトインジェクターを組み付け。


バルブクリアランスとプレリフトの調整時に各シリンダの上死点を出す必要がありますが、GH系のエンジンはクランキング用のサービスホールがクラッチハウジングの真下にあります…
つまり調整時には下に潜ってクランクシャフトを回しては今度は上に登ってカムシャフトの合マークを確認という作業を繰り返す訳ですが…
これが意外と面倒で時間かかるんです…
なので今後の事も考えてクランキングツールを購入しました。

調整も終わり残るはインジェクターハーネスの交換。
古いハーネスを取り外していきます…


問題のインジェクターハーネスは硬化してあちこちで被覆が破れておりました…



いつどこでショートしていてもおかしくない状態ですが…
故障コード自体はショートではなく断線系のコードだったので原因はハーネスなのかどうかはなんとも言えませんね…
で、このインジェクターハーネス…
元々はインジェクターハーネスだけの単品供給設定がなくエンジンハーネスごと交換が必要だったらしいのですが、あまりにトラブルが多いためか現在ではインジェクターハーネスのみの供給があります…
が、元々のエンジンハーネスの設計が一体物で作ってあり当然中継コネクターなど無いため、供給されるハーネスはECUの集中コネクターのピン部から差し換える必要があります…

まあこれは完全に設計当時のミスですね。
ハーネスのシリンダヘッド貫通部をコネクタ接続にしておけばよかっただけの話だし、この方式を採用するんだったらもう少し被覆の材質を考えるべきでしょうね。

各インジェクターとVCB駆動用のソレノイドに入るハーネスをコネクタから抜いて…

コルゲートから引き抜きますが、見事に全部同じ色なんですよね…

各インジェクターとVCB駆動用のソレノイドに入るハーネスをコネクタから抜いて…

コルゲートから引き抜きますが、見事に全部同じ色なんですよね…
これではトラブルシューティング時も困るよなぁ。

で、新品のハーネスを無理のないように通します…


供給されるハーネスも見事に全部同じ色なので事前にどの配線を何番のピンに挿すか印を付けておきました。


で、新品のハーネスを無理のないように通します…


供給されるハーネスも見事に全部同じ色なので事前にどの配線を何番のピンに挿すか印を付けておきました。


各配線を挿してアースも接続したら…

ハーネスキットに含まれるカバー類を取り付けて完了。

ヘッドカバーやら補機類を取り付け。

エラーコードが無いことを確認して…

インジェクターのID書き換え。

エンジンを始動して各データを見ながら暖機。


インジェクターの補正値も良好。

ついでにDPFも強制再生…

温度やデータも特に気になる所も無さそう…

最後にもう一度エラーがないか確認して

最終の試運転も問題ナシ。
これで全ての作業が完了。
試運転時に感じた事…
LKG系も含め現行の2PG系もそうですが運転していて思うのは良い車なんですよね…
乗りやすいし、エンジンとエスコットとの相性も良いし…
故障やトラブルは別として運転手さんからの評判も酷評は聞きませんから…
つまり何が言いたいか…
ボルボトラックが親会社になってからのUDは徹底した情報制限で顧客囲い込みを計りましたが結果はどうでしょう?
あるデータを見れば一目瞭然で、日本国内で言えばそのマーケティングは上手くいっておらず、ブランド力は低下しています。
結局近年はボルボにとってもUDを傘下に収めておくメリットも無くなり、そんな時にちょうど業務提携の話をしていたいすゞに買収を持ちかけた訳です…
一度下がったブランド力を取り戻すのは簡単な事ではありませんが、少なくともベースとなる車両は決して悪い車ではないので、あとは売り方やアフターサービス次第で顧客の満足度や信頼は必ず上がると思うんですけどねぇ…