Ⅳ.競争は避けられない?
このことは、
生きるという一点のために
避けられない。
ただ、
今、生きているということは
規範意識からはずれた、
惰性的な生き方となっていく。
企業家も
リストラする、
首を切る、
賃下げをする、
陰険に働く仲間通しを争わせる。
密告制を作るということが、
倫理意識、
道徳意識のあり方からすると
如何にはずれているか
違和感が有ってしかるべきなのである。
生きるためには、
そんな泣き言さえ言っておれなくなる。
そして、
それが
社会的作用であれば有るほど、
社会全体が
人間的精神の豊かさを失っていく。
Ⅴ.社会倫理と生存欲求の
断絶と跳躍
それは人間社会に、
それまでたどってきた軌道の転換が
強いられてくる。
それはバラバラである
(自由であり得る)
ときは問題はない。
問題なのは、
一方の自由が
他方の生存を否定するときである。
一方の自由が
他方の自由を!
というような甘い幻想を
現実が
ことごとく打ち消してしまう。
それは、
或る狭間で(瞬間に)
あの忌まわしい全体主義に
転換あるいは跳躍するとき(瞬間)でもある。
お互いに隣人の人としての魂を
自分のことのように大切にしたいものである。