最近の対局振り返りその5。
4月21日木曜日、碁聖戦の予選で寺山怜四段と対局しました。
寺山四段はみなさんご存知のように、NHK杯で準優勝するなど活躍しています。
研究会でもよく打ちますが、最近はたくさん負かされています。
私の白番
1図 黒1と構えられたところでふと記憶が蘇って手が止まる
ブログで確認すると1年と2ヶ月前でした。同じ布石でやられてます。
黒△と黒1の幅だと白Aから入りたくなりますが、二の舞になっちゃうかとしばし少考。
2図 実戦はこちらを選択。白5までをなんとなくイメージ。
3図 もし白1と打つと、黒2などの構えが理想的。気分的に黒△が、黒Aの中国流より良い位置にあるような気もする。白Bの三々も入りにくい。
4図 少し進んで普通の定石を選ぶとやっぱり黒の構えが美しく見える。
5図 実戦はちょっとレアな進行を選択。黒にポン抜きを与えるので打つ棋士は少ないです。白19に期待。
さて、この碁は中盤も謎の変化が現れましたので、少し長くなりますが紹介します。
6図 黒1と打たれたら上辺白10子は取られです。
白2のポン抜きで打つつもりでしたが、さすがに上辺の黒地が大きすぎて形勢は黒良しだったでしょう。
7図 しかし実戦は黒1と反発。白も2から反撃して、上辺を助けました。
黒の形は俗に言う「亀の甲」ですが、これは更に浦島太郎もビックリの「亀の甲の尻尾つき」です。
しかし、上辺4子取っての白復活も巨大です。もともとは、やや黒ペースでしたが、ここで互角に戻ったようです。
8図 黒は「亀の甲羅」を活用して下辺白に寄り付きましたが、なんと亀の甲にへばりついた白△が働いて生還。
半目勝負の形勢です。
266手完 白中押し勝ち 残り白3分 黒1分
最後は投了となりましたが、作れば白1目半勝ちです。
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