走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

意図するところは、、、

2020年08月16日 | 仕事
んんんん、先日書いたブログで気になることが、、、、

私の患者層を危険人物と肯定した感がある。一般的に多くの人が精神科系疾患に病んでいる人、薬物依存者、ホームレスを危険な人だと認識しているかもしれない。確かに一般病棟で働く看護師は受けなくて良い、危険回避のコースを精神科や救急で働く看護師は毎年受けなければならない(一般的な危険回避のコースは雇用者全員の受講義務が毎年課せられている)。これは職場による危険度が高いから。病院へ行かなければならない程病気の方は突発的な行動に出ることがあり、統計的にも暴力的な行動に出る割合が高い。

しかし一般社会ではどうだろう?一般社会で生活している人は病気があっても程度が低かったり、治療により上手く症状コントロールができているという事。

今一度考えて欲しい。メンタルヘルス、薬物依存、ホームレスを差別していないか?無意識にそう思っていないか?

ステレオタイプ について以前にも書いた。同じような状況、人種、地域、言語などにより、「あの人たちはこう言う人たち」と決めつける事だ。レッテルを貼りつけるという事。このような行動は差別と言われるのがカナダ。差別ではなく傾向を理解するためだ、その人たちを理解するためだ、という人もいるでしょう。しかし同じ人間である事が大前提。食べ物の好みや食べ方が違っていても同じ人間。皮膚の色や出身地、育てられ方で、特別扱いされる理由はない。

以前カルチャーセーフティーに書いたように理解するというのは「あの人たちはこう言う人たち」と決めつけるのではなく、その人に直接聞くことが大事。個人差というものはどこにでもあるものですから、一概にこうであると決めつけるととんでもない誤解を生むことだってあります。

私は今の仕事を通して沢山の刺々しい態度を示す人たちと出会ってきました。NP学生がビビるような場面もありました。でも私はこの人たちの健康度を向上するためにここにいるんだ、傷つける意思はどこにもないからとでーんっと構えています。そうするとトゲが引っ込んでいきます。心を落ち着かせてくれます。声を和らげてくれます(もちろん病気中の病気の状態は見逃しません。つまりアンテナは高く張っています)。

「思い」って知らぬ間に顔や態度に出るんですよ。先入観を持てば持つほど相手に伝わります。真っ新な気持ちで、患者さんと対等である事をわかってもらえるように、そんな診察を今後も続けていきます。


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