シリーズ3日目。
私が思う、日本の看護界の課題。
正看護師も含むOO看護師の明確な区別化とスタンダードとスコープの作成
学士課程の見直し : 3+1 の教育課程から真の4年課程への移行
3年制と4年制看護教育課程の区別化
学士、修士、博士教育課程の教育機関以外の団体によるクレデンシャル化
看護の団体の3本化(教育機関、免許管理団体、職能団体)と役割分担と協同
本日は
学士、修士、博士教育課程の教育機関以外の団体によるクレデンシャル化
について
これについて書いた過去の記事は
大学のクレデンシャル
患者寄り添う その6
少しフォーカスはずれますがスカラーや修士で検索しても面白い記事が出てきます。
クレデンシャルと言うのは英和辞典で調べると資格情報や資格証明と出てきます。北米では組織や教育機関がある水準を満たしているか太鼓判を押す事で、そのような機関が存在するのです。教育機関に関しては以前に書いたように、クレデンシャルがあれば大学間で単位の移行ができたり、資格試験の受験を満たすかどうかなどの指標となります。
例えばカナダの看護系大学のクレデンシャルはここが行い、それを満たす教育機関のリストはこれになります。そして使用された基準の内容も閲覧する事ができます。アメリカも同様にあります。こういうものがあると個人個人の学歴を吟味しなくても、クレデンシャルがあるかないかで最低限の水準を満たしているかどうか、すぐにわかるようになります。これは第3者、つまり文科省や免許発行団体、海外の教育機関、雇用主にとってとても便利なツールとなるのです。
最低限の水準というのは、どういう意味でしょう?APN(高度実践看護師)はEBPを理解し実践することを課されています。その為にはリサーチと統計学が不可欠です。しかし残念ながら日本の診療看護師の教育過程では統計学の単位は名ばかりのものなのか、統計学やリサーチ学の知識が皆無に近い診療看護師さんと多く出会いました。ほぼ全員と言っていいでしょう。在学中に何をしたかを聞くと、「質的研究の文書を読んでおいてと言われただけ」「臨床実践の授業の方が多く、重要視されていたので統計学にかける時間がなかった」「何も学ばなかった」などなど。単位として公表していても実際の内容が伴っていない事が伺われます。クレデンシャルで最低限の教育内容と質が確保されている海外では、起こらない現象が日本では起こっているのです(診療看護師の教育課程の私の解釈が間違っていたら、是非教えてください)。
大学も大学院の看護科で学べる内容は大学によってかなりの差があると聞きます。海外でも有名大学からそうでない大学までランキングがあるぐらいですから、差はあります。しかし最低限の水準は守られているのでそれを下回ることはないのです。それを保証してくれるクレデンシャルシステムがあり、監査が入るから、そう言い切れるのです。
これもまた、日本の看護の水準を向上させる一策だと思いませんか?