走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

違うものさし

2019年09月27日 | 仕事
昨日の記事で社会的役割を果たしているかどうか、と書きました。英語ではSocial Function level と言います。依存を語るときに大切なキーワードになります。

疾病を語るとき、疾患に対する医療費と言うのは医療の物差しとして使われます。先日も書きましたが医療費に関する薬物依存の分類はタバコが群を抜き、アルコールがその半分。アッパーやダウナーと呼ばれる違法薬物はとても低いのです。それはタバコによってかかる疾患が多く治療費もかかるからです。

ではSocial Function の面ではどうでしょうか?タバコをやめられない人は大勢います。しかしタバコが手放せなくても学校や仕事もキチンとできる人がほとんどなのではないでしょうか?しかしながらガンや慢性閉塞性肺疾患などの長い闘病の末、次第に活動範囲が狭まりSocial Functionを果たせなくなるのです。

アルコール依存の場合初期は大丈夫ですが依存となればあっという間にSocial Functionが下がっていきます。

アッパーやダウナーなどの違法薬物はSocial Functionがあっという間に下がっていきます。しかしこれらの依存から医療費がかかる疾患への移行はタバコ依存の比とならないほど小さいのです。

一言に依存と言ってもタバコ、アルコール、違法薬物依存では特徴がこのように異なるのです。そしてもう一度。その依存も死亡と言う成り行きは避けられないので、手を出さないに越したことはない、という事です。



Hvar 島へ来ました。その中のHvarスクエアです。セレブが来る場所でも有名。ナイトクラブやバーも多い事で有名。もちろん私はそんな場所は嫌いなのでひっそりとした港町に宿泊しています。

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