走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

看護師とNPの違い

2022年06月06日 | 仕事
NP学生さん、看護師から切り替えができない、と悩んでいます。

問診というのは鑑別診断を絞り込むためのものです。よってこちらから沢山の症状に関する質問をしていきます。患者の中には自分から全ての症状を話そうとする人がいますが、それだけでは足りないことがほとんどです。患者さんの中にはなぜその症状が出るのか自分なりの推測まで話してくれる人もいます。でもこのような付け足しは診断に至る過程にとって役に立たない場合が多い。よって出来るだけ質問に集中してもらえる環境づくりが大切。

そしてこのような診察とカウンセリングは別物。カウンセリング目的で診察にくる場合もあります。その時には上記とは異なる形式で行います。

で、学生さんは患者さんが横道へそれても修正しようとしません。そうすることは患者さんに対して失礼だと感じてしまう、と言います。5分で終了するはずの問診が15〜20分かかります。そして時間をかけた割には診断に絞り込めていません。必要な質問をこなしていないからです。

看護師として患者の話を聞くことを大切にしていた。その気持ちもよくわかります。しかし患者さんが診察に来たのは症状があり、それを治して欲しいから。時間をかけて話を聞いて、話を聞いてくれる良い人の印象は与えることはできます。しかし診断と治療ができる人の印象はというよりプロとしての達成度は低く評価されます。

看護師とは異なるNP。このような視点もあるんだと気づいた週でした。

冒頭写真: カナダ西部の原生林がどれだけ巨大だったかわかる木の根っこ


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