走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

歯の事情 その2

2017年05月03日 | 仕事
昨日の続き。

私の患者層は歯がない人や虫歯だらけの人が殆ど。なぜでしょう?

薬物依存が多いからです。アルコール依存も含まれます。

唾液の重要さをご存知ですか?唾液は口腔内の湿度を保ち歯や歯茎を乾燥から守ります。体が脱水症状になったり口の中の唾液量が減ると、喉の渇きのサインが発生し、水分を補給するようになります。

と、ここまでは正常な人間の反応。

薬物依存の人たちは薬物を使用中に、覚醒や鎮静に陥るので口渇のサインに気づかなくなります。それに、そんな状態で歯や歯茎の健康を気にかける人はいません。なので急速に口腔内の健康度が低下し虫歯になるし、歯茎も痩せれば歯が抜けてしまいます。入れ歯が必要になっても、めんどくさがっていかない人が殆どです。

違法薬物には歯のエナメル質を弱くしてしまうものもあり、そのせいで虫歯になる事もあります。依存者には使用を開始する前に口腔ケアをする事を指導します。せめてうがいだけでも。

ついでに言えば、私の患者層の喫煙率はほぼ90%ぐらいの高さ。喫煙は舌癌の発生率を上昇させます (肺がんの他に、喉頭癌、食道癌、膀胱癌も)。なので私にとって診察中に口腔内を観察する事はとても大切です。

外回りをするときにスナックを配ったりするのですが、歯のない方が多いので柔らかめのものを選びます。

ほら、歯の事情で私の仕事の準備も変わります。大切でしょ?

さあ、みなさんは将来の入れ歯を避けるために、歯ブラシの他に歯間ブラシや糸ようじを使ってしっかり歯茎の健康を保っていきましょう!

子供の将来を外国でと思っている親御さんは、英語教室の他にも歯の矯正に力を入れましょう(必要であれば)。留学した時、歯並びで自尊心を傷つけられる事を避けれるし、ビジネスの世界でも歯の事を気にせず交渉ができるようになるために!なーんて、お節介な一言でした。



このうさぎ食べる事に夢中で近寄っても全然逃げませんでした。

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