走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

質を上げるって絵空事

2022年03月30日 | 仕事


よく日本で聞くのが看護の質を確保する為に准看を廃止しなければならない、とか卒業教育に力を入れなければならない、とか認定や専門看護師を増やさなければならない、診療看護師による看護教育をしてフィジカルアセスメント能力をあげよう、などの声を聞きます。

んんんんんん?何十万人いる看護師ですよ。向上心のある人を沢山作っても底にいる人を上げることは可能なんでしょうか?まさか専門看護師や認定看護師に教育だけではなく監視をして欲しいのでしょうか?

世界の看護教育は4年制がエントリーレベルとなりつつある中、日本は未だに3年制のまま。それでいて質の確保?卒業教育を強化してもそれに参加する人、伸びる人は限られる。底にいる人はそのままでは??

准看を廃止したところでまばらな看護の質は変わりません。それよりも准看護師をどう活躍させるか、そこへ力を注いではいかがでしょうか?

海外のNPはフィジカルアセスメントや鑑別診断を活かし診療を行っていて、看護師を教育する為に作られたものではありません。看護師の教育は看護師がしっかり担っています。NPの教育もNPで行われています。どんなに誰が頑張ったって、それに反応する人は限られます。学校じゃないんだから。質の確保というのは最低限のレベルをキープできるか、と全体のレベルアップ(例えば完全に4年制教育制度)の二刀流で行うべきなのではないでしょうか?

あげっぱなしの免許なんだから、エントリーレベルから下がってしまったって、道徳的に外れる人が出たって不思議ではないんですよ。人間はそんなものですから。

冒頭写真: カモシカの親子を。バンフは街中でも鹿やらカリブやら普通に現れます。自動車の速度制限は時速30km野生動物が現れた時は停止しなければなりません。





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