走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

便利性と不都合

2019年04月25日 | 仕事
アップルではシリ、Googleではアレクサとかグーグル。音声機能で調べたい事を調べられる。便利です。特に運転中。タイプなしで調べ出してくれる機能は重宝しています。しかしご存知ですか?この音声機能を絶えずオープンにしておく事は会話を随時聞かれているって事を。呼ばれた時にいつでも出てこれるようにスタンバイしているわけですから、持ち主の声を聞いているのは納得します。ただ聞いているだけではなくデータを収集しているとしたら?

何故データを集めたがるのか?マーケティングです。消費者が何に興味を持っているか知ればそこにフォーカスしたものを売る事が出来るから。音声機能だけではありません。インターネットで検索をした後から、その調べたものの広告が出てくる事はありませんか?広告のカスタマイズと呼び、これが今の世なのです。

これと同様な事を医療に活かしたい、と多くの人が思っています。人をいかに健康に導くのか?慢性疾患をうまくコントロールするのか?などなど世界中が多方面から模索を行なっています。これらの事をプライバシーの侵害と呼ぶのか?それとも自分に有益な事だと思うのか?様々な意見があると思います。昨日と一昨日に書いた事はこれらに関連する事です。貴方はどう思いますか?

私が働くカナダBC州は薬の処方が電子登録されるようになり久しい。州はどんな薬が処方されているかしっかり把握しています。そしてそのデータを処方者の指導に使ったり、同じ効用のある薬であれば安い方の処方をする仕組みを作ったり、医療者が患者を管理するだけではなく、処方者を州が管理するためにも使われるデータという訳です。

各薬品会社はこのデータを欲しがります。とても有益だからです。アクセスがあるのは薬剤師と処方者(医師やナースプラクティショナーなど)。業者と癒着しデータを横流しした医師がいました。大きな社会問題に発展しました。それ以来データへのアクセスはより厳しいものとなりました。私も処方者の一人で、患者の処方を安全に行うためにアクセスする時があります。とても便利です。便利さと不都合さ、全ては二面性。

日本はまだこのようなシステムが完成していないと聞きます。日本はどんな軌跡をたどるのでしょうか?



この植物を見るといつも映画トイストーリーの緑色の宇宙人を思い出します。この植物がモデルだったのではないか?と一人で思っています。

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