ルーカス2度目の診察。前編はこちらから。
2週間の間に私はちゃんと宿題をした。性転換のガイドラインを読み、プライマリーケアとして何をしていかなければならないのか把握した。内分泌科の性転換のガイドラインも読んだ。どんな薬をどうやって始めるのか、治療中何を観察していけば良いのか。この辺りで紹介できるところも探した。医師、看護師、カウンセラー、栄養士、法律家、作業療法士がチームとして働いている場所へ紹介することを決めた。
ルーカスは前回よりずっとオープンで嬉しそうにしている。母親に思い切って話したら良いサポートがもらえたと。私の周囲にもゲイの人やその両親がいる。打ち明けるまではかなり迷うが、その後は受け止めてもらえて上手くいくケースばかりだ。同性愛者やトランズジェンダーはマイノリティーだから驚かれるかもしれない。しかし性的嗜好が自分と違っていても、その人であることには変わりないのだから。人間として認めていて大切に思う人ならば性的嗜好の違いがそれまでの関係を全て壊すようなことはないと思う。されどだからこそ打ち明けることで絶縁、疎遠になってしまうのではという不安はつきものだ。それを乗り越えて母親に相談できたルーカス、大切な第一歩を歩みだした彼に大きなエールを送りたい。

カリフォルニア海岸