走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

違いを受け入れられる世の中へ

2016年05月31日 | 仕事
悪夢にうなされたことはありますか?

私は昔ストレスがたまるといつも同じ海岸に立っていて必ず津波に追われる。走って逃げようとしても逃げきれず波に飲み込まれそうになる。怖くてたまらない。

夢とわかっていて目を覚ませ!と自分に念じて起きれる時とそうでない時と。

想像できますか?目が覚められずその中で生きていく苦しさを。

幻聴が聞こえる人の中には執拗な悪魔のような声で自分を殺そうとしている人を殺される前に殺してしまえ!と耳を塞いでもこだまする声。昼夜問わず聞こえてくる声がもたらす恐怖を。

幻覚がある人の中には血塗られた壁、周りには敵としか思えぬ顔、顔、顔、、、、走って逃げてもそれらが追いかけてくる恐怖を。

(これらは最悪のケースでこのようなケースばかりではありません。勘違いしないように)

忘れて欲しくないのは、好きでそんな状況にいるのではなく病気がそうさせていること。痴呆も統合性障害も強度の鬱も。あなたの目からは恐ろしい人に見えるかもしれません。しかしそういう病んでいる人でも同じ人間なのです。

人間として生きる権利、医療を受ける権利があり、私たちと同じように支援を受ける権利、人間らしく生きる権利があるのです。あなたの優しい気持ちは必ず伝わると思っています。

州の花 ドグウッド


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4 コメント

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偏見 (kay)
2016-05-31 15:53:23
無知から生じる偏見の恐ろしさは、わたしもいろいろな場面で見聞きして
実感していますので、この記事のこともよくわかります。
が、同時に、妄想のために言葉や体の暴力をふるってしまう人を見て、
恐怖心に固まってしまう人のことを、「それは偏見だ!」と言ってしまうことは
できないと思います。感受性の強い人は、それが病気のせいだとわかっていても、
怖いものは怖いのです。実際に叩かれたり襲われそうになった経験をしている人は、
その恐怖から立ち直るのがとても困難なのです。
そういった事実もふまえて、この社会でそういう人達が人々に恐怖を引き起こすことなく
気持ちよく暮らせるようになればどんなにか良いでしょう。

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こんにちは (のびた)
2016-05-31 17:51:17
私は悪夢を見たことは有りません
だから苦しみもがくことは想像の範囲内ですね
ただ添乗員を辞めて5年以上たつのに 未だにその仕事の夢を見ます それも何かの都合で間に合わなかったり
大概 業務に支障を起こしている夢で はらはらしています

今日も介護施設 自分の出番で無い時は客席に端に居て時には短い会話を利用者さんと話します
ひとり凶暴性があるから近寄らないように言われている高齢の女性かが居ます
私が近づくと 少し怖ろしいくらいの目でじっと私を見つめます 眼をそらさないからちょっと難しいです
それでも私は笑顔で話しかけたり 歌を聴かせます
うーうーと唸っていますが 何か喋りたいのかもしれません 話しかけると少し反応します

州の花 こちらで言う ヤマボウシの花に似ていますね
最近 街路樹で多く見かけます
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Kay さんへ (美加)
2016-06-01 11:54:22
ものを伝えるということは難しいですね。意図していない方向にとられてしまうことを改めて認識しました。コメントをありがとうございます。題名が良くなかったのかな??と読み返して思いました。幻覚や妄想の中で生きている人の痛みを知ってもらいたいと思っただけですよ。人間何が悲しいかって、人間として扱ってもらえないことだと思っているので。
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のびたさんへ (美加)
2016-06-01 11:59:55
ヤマボウシですよ。当たりです!
アートは心に届きますから、ボランティア活動頑張ってください。
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