走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

研究費

2020年05月16日 | 仕事
昨日「日の当たらない分野」と書きました。それについてもう少し書きます。

医療は日々進歩しています。進歩できるのは研究者がいて、研究をする予算があるから。研究者にとって予算の獲得はとても重要です。予算があればある程研究にお金をかける事が出来るから。大学院の学生や教授達は予算獲得のため、大学以外からの出資者に掛け合います。あちこちから希望者が出ているので、出費側の基金は選ぶ立場になるわけです。そんなこんなで集めたお金で行われるのが研究と言うものです。

少し話を変えて高校や大学での部活動を考えてみましょう。人気のある部活とそうでないと部活がありませんでしたか?人気の部活は全国大会で優勝したとか、OB会から寄付金があるとか、人気のない部活とは雲泥の差ではなかったでしょうか?それと同じで医療の分野の中にも花形スターの存在があり、その逆となる日陰的存在まであるのです。

小児分野はそのトップバッターとなるでしょう。子供の疾病に惜しみなくお金を出すのは大企業から個人まで大勢います。最新の治療と言われる外科系や集中治療系もそうです。昔昔は緩和医療は敗北の医療と言われていたので日陰の存在でした。医療の概念が変わり、緩和ケアは日陰から抜け出ました。今では多くの予算が獲得できる分野です。Geriatric ジェリアトリックと呼ばれる老人系もじわじわと上がってきています。高齢化社会となってきたからです。精神科はどうでしょう?薬物依存医療はどうでしょうか?日本ではまだまだ対岸の家事程度にしか思われていませんよね。タバコやお酒がやめられなくて苦しんでいる日本人がゼロではないのに。

人気というより需要といった方が分かりやすいでしょうか?基金側も国民が必要としてくれる分野への研究に投資したいと思うのが常です。必要と思う国民の数が少なければ?研究は必要と基金を説得できる研究者が少なかったら?日の当たらない分野はいつまでたっても日が当たらないのです。

続く



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