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ネットフレックスでフクシマを描いたドラマシリーズ(主演 役所広司)が公開されています。
それを見ながら、フクシマは防ぐことができたのか?と疑問が湧いたので英語と日本語で検索してみました。
英語では学術的な論文や解説が多く出てきます。どれも防止できた、と結んでいます。日本語の検索では英語での検索とは対照的に限られた結果が出てきます。そして防止についてはできなかった、と出てきます。「どの結果の防止」を意味するのか?にもよりますから一概に決めつけるわけには行きませんが、この差は興味深いことだと思いました。
で、英語版では
failure to follow international best practices and standards,
が指摘されています。
ベストプラクティス、 スタンダード。
あら?どこかで聞いた言葉???このブログで何度も書いています。職業の水準を保つために最低限あるべきものをスタンダードと呼びます。世の中には完璧、完全なものはないのだから、過去に学びベストなプラクティス(業務)をするために日々アップデートしていきます。それは文章化され、同職の中で共通項となるものです。それらに従っていなかったことへの指摘です。
他には東京電力、原子力安全保安院が政府から完全に独立していなかったこと。
あら、これもブログに何度も書いている、クレデンシャルの意味と同様ですね。ウオッチドッグが機能するためには独立した(利害関係の発生しない)機関でなければならないことです。
論点はまだまだありますから、興味のある方はぜひ読んでみてください。
日本の国や企業は日本人気質(勤勉、勤労、誠実、忠誠、共同などなど)に大きく頼っています。モラルが高いとでも言いましょうか?無料残業を黙々としたり、災害があっても助け合って、と社会秩序の高い国だと思います。しかしベストプラクティスに言われるような科学はどう盛り込まれているのでしょうか?
海外ではプロと言われる職業には必ずあるスタンダードが日本にはなく、個人のモラルに委ねられている国。組織的に水準を上げるというより、個人に頑張っていただきましょう!的な風潮がずっと続いています。
大惨事に繋がる航空業界は世界の水準に従わないと飛べないけれど、自国の核燃料は自国の管理。世界のベストプラクティスに見合っていない状況で稼働させていた原子力が事故を起こした。同じ日本で同じ津波を受けた女川原発は大丈夫だったのだから。この代償はあまりにも大きく、高額で、日本を揺るがせたのではないでしょうか?
そしてこれらは核だけではなく、医療界も同じ。あげっぱなし免許。水準もなく、ウオッチドッグもいない。その代わり刑事罰や、訴訟に怯えて働く医療者たち。スタンダードを持たない、独立した機関を持たない危険さを考えて欲しいと改めて思いました。
え?大袈裟、飛躍した考え?
医療者ってあなたの命を預ける職業ですよ。私なら国家試験一回パスしただけの人には命を預けませんよ。個人のモラルやプロ意識なんて様々ですから。