走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

アルコール依存とお薬と

2019年12月08日 | 仕事

転がり込んでいた家主の母親が病死しホームレスになってしまった(家は姉によって死後に売却された)彼女。シェルターを転々、時には病院の救急室へ入院させてと出没していた。

そんな彼女から電話が入る。場所を聞くと依存の治療施設。ついにアルコール依存の治療をする決意ができたよう。彼女は言う、今の薬がきつすぎて頭がぼーっとする。以前の薬に変更して欲しいと。彼女の施設に在住の医師はいない。かかりつけ医かWalk Inと言われる診療所での診察によって投与薬が決まる。この施設から私の診療所まで高速を使って車で片道1時間以上。診察に来れない理由は十分わかる。

Walk In に行くように伝えるが、美加は私のかかりつけ。誰よりも私の事を知っている。一回ポッキリの医師に何がわかるの?!今の薬だってたった一回しか会っていないのに、、、と。

アルコールを飲んでいないからか、いつもよりずーっとしっかりした声。電話で問診をする事にした。施設専属の薬局へ電話をして、処方薬のリストをもらう。自分が処方していた薬、最後に入院した時の退院時の処方薬、最後に精神科に入院していた時の退院時の処方薬のリスト。これらを見比べて、これからどうするか決める。彼女が文句を言っていた現在の処方薬は隣町の精神科医によって処方されたもの、、、、向精神薬がかなりの高容量で、アルコール依存の治療薬も容量が高い。肝臓の検査はどうなっているのか???疑問が湧く。時間をかけて新処方を決めて薬局に送り、定期的な血液検査で肝機能をモニターする(薬の副作用)。

処方は処方の後のフォローアップが大事。それをするのがプライマリーの使命。私のかかりつけ、と言われて使命感も上がる。上手くいきますように、、、


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