走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

不安を増す検診

2019年02月26日 | 仕事
昨日の続き。

もちろん私も患者をこのトライアルに紹介します。そのうちの1人が引っかかりました。長年の喫煙歴、精神科系疾患、アルコール依存症の彼。今は完全にアルコールを絶っていて、服薬もきちんとするので精神科系疾患も落ち着いています。しかしやめられないのがタバコ。

ガンがはっきり画像に写ったわけではなく、これは確信が持てないぐらいの形状。検診側が決めたのは6ヶ月後もう一度低量放射線のCTを撮り、その怪き病巣が育っているかどうか確認する事。

その旨の手紙が彼にも私にも送られて来ました。彼は図書館へ行き、そしてインターネットでも調べたと言います。ガンの治療や生存率について。

ちょっとちょっと、それはまだ早すぎる。見つけられた所見はガンとは呼べない程度で、念のためにもう一度撮影をする段階。

そう患者にとってゼロか100もゼロか1も同じこと。ゼロでなければ全てがバッドニュースとなるんだろうな、と思った。

不安かもしれませんが今の段階では、、、と言うとイヤイヤ不安ではない。ただ心の準備をしているだけだと。

このような患者に与える不安の要素も検診ビジネスには重要なファクターなのです。なにせその為の症状がなければ乳がん検査の自己もクリニカルの触診も無くなったのですから。


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