走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

自覚と拒否

2015年04月04日 | 仕事
マックは昨日病院から退院したばかり。シェルターのクリニックにやってきた。来診の理由をはっきり言わない。2月に妻を亡くし娘を頼りにこの街に来たけど様子がおかしいと娘に勧められ病院へ行くとそのまま入院したと。

診断名は?不安症。妻が死んでから不安だったから。

退院時の処方は?そんなものなかった。

ん、ん、、、、なんかおかしい。
調べてみると幻覚を伴う大鬱病性障害。
退院時処方はかなり強い薬を多種類。

あー薬ね。病院でもらっていた薬は頭をぼーっとさせるから、もう飲まないよ。あんな薬は要らないんだ。僕が欲しいのはパーカセット。それ出してと。

パーカセットはアセタミノフェンとオキシコドン(麻薬の一種)の複合剤。
あれだけなんだよ!僕の神経をリラックスさせてくれるのは!僕は酒もドラッグもしない。その辺にいるような中毒患者じゃないんだよ。だからパーカセット処方してくれ!精神科の薬は絶対飲まない!だいたいね医者はそうやって診断をつけて薬漬けにするんだよ。僕は病気でもないのに。妻が死んで不安になっているだけなのにと。

病院でもパーカセットを欲しいと何度も言っていたと記録にある。

んんー。そういう態度が処方薬の依存患者なんですけど、、、、。

マックは自殺企図も他殺企図もない。幻覚も否定している。なので今のところ病院へ再入院させる理由はなし。病気の説明や出されていた薬の作用の説明をしようとしたが、パーカセットを出してくれないなら、もういい!と出て行ってしまった。

あらら、心配だわ。でも本人に自覚がなくて拒否するなら、今の状況ではこれ以上できることがない。またドアをノックしてきた時に暖かくドアを開けるだけだ。



グランドキャニオン、サウスリムの宿泊施設やレストラン。結構数があるのだけど、予約は1年ぐらい前から入り出すようでお目当がなくなってしまう!さすが世界のグランドキャニオン。

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