走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

食文化

2021年11月08日 | 仕事
日本人は食文化を重要視する国民の一つ。私が住んでいる北米はその真反対と言っても良いと常々思う。

旬のものを頂く
そのものの美味しさを生かして頂く
美味しさを追求する
食を囲み家族、地域、職場、友人、つまり人間関係を形成する

北米では
食べ歩き
カロリーを満たすもので心を満たすものではない
質より量
手間暇かけない

高校のクリニックへ来た彼女。生理不順。食生活を聞くと食事とお菓子の見分けができない。

昨日食べたものとしてあげたのは
ライスクリスピーとワゴンウイール(ロッテのチョコパイみたいなもの)
それ以外食べてないもの、と彼女は言う。朝食抜き、学校で食事をするのは嫌い、帰宅後友達の家で上記のものを食べたので夕食時にはお腹が空いていなかった、と言います。彼女は貧困層ではありません。家には十分な食料があると言います。その前日はご飯に醤油をかけて食べた、と言います。タンパク質や野菜は?と聞くと、親は作ってくれるけど一緒に食べないから、と。

学校で食べたがらない子供たちは彼女だけではありません。高校のクリニックでは頻繁に聞く状況です。我が家の末娘も昼食休憩中に合唱やバンドの練習が入るので手短に食べれるものを持参しています。そして学校終了後バレエ教室へ移動する前に車の中でもう一度食事をします。お恥ずかしい話です。しかし週末は家族揃って朝食、昼食、夕食を団欒も交えて楽しみます。

日本も核家族化、塾や夜勤で家族が食を共にする機会が減少している、と聞きます。その成行が北米の姿かもしれません。いつか宇宙食で済ませる日がやってくるかもしれませんよ。悲しいですね。

冒頭写真:こんな看板があるのも人口あたり馬保有率北米一の街だから


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2 コメント

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Unknown (missy0806)
2021-11-09 02:31:48
ソフィーさん  私も食べること大好き人間です。食 = 幸福感 同感です。人間の営みは食と火を囲んで発展してきたのに、北米でそれを軽視する文化(移民移動により失われた)は嫌いです。だからせめて家族にだけはとせっせと料理をする私です。ああああ、日本で美味しいものを食べたい〜
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Unknown (ソフィー)
2021-11-08 20:03:37
食べるのが大好きな私にとって
食事が宇宙食のようになってしまったらこの世の終わりと感じてしまうかもしれません。
以前髄膜炎になったとき、ベット上安静を言い渡されたときも、病院食完食しました(笑)食生活の向上は 「幸福感」にもつながるものと私は思います。
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