走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

NPの適性

2020年02月06日 | 仕事

昨日初日だったNP学生さん。実は昨年のうちに大学側から、適性かどうか大学側も考えているような学生ですが受け入れてもらえますか?と聞かれていた。チャレンジ好きな私は受け入れた。

で、実際出会って、不適性の意味がよくわかった。以下書くことは北米でNPになりたいと思っている人へのメッセージでもあります。

RNとNPの最大の違いはNPは診断治療を自分で決めて行う繰り返し。よって問題解決能力や決断力が低い人には勧めない。そしてその1つ1つの決断した事に対する責務がある認識の高さも必要。いつも誰かに確認しないと不安でたまらない、そういう人にも勧めない。医学の進歩は早く、それに追いつく為には検索能力や電子機器の使用に長けていないとついていけない。よってコンピューターに弱い人には勧めない。カナダBC州はまだまだNP開発途上期。自主的に未開の地を開拓するぐらいのバイタリティーも必要。

まあ、こんなところでしょうか?

今まで若いNP学生も同年代のNP学生も受け入れてきた。今回の学生さんは同年代。輝かしいRN時代の経歴があってもNPは違うもの。RNとして優れていたから必ずしもNPになれるわけではない。きっちり基本から学んでいって欲しい。

で、この学生さんが何をしたか?自分で何も調べようとせず、全て私から聞こうとする。珍しい疾病を持っている人の診察をしている私をシャドーして、その病気について説明してくれ、という。自分で調べろ!!!!
実習の日を決めるのは学生。それを私に決めてくれと頼む。大学側のクリニカルインストラクターの訪問日も私に決めて欲しい、、、、何もかも「私はわからないから決めて欲しい、教えてほしい、やって見せて欲しい」まじか?!
実習はおんぶに抱っこの場所ではありません。教室では学べない臨床を体験するところ!教室で学べることは教室で習得してから実習へ来てください。
部分的な身体所見を取るように言うと、普通の4倍ぐらいの時間をかけてしかできない。その上システム的ではない。
極め付けだったのが、持参した聴診器ではよく聞こえないから貸して欲しい、と。見てみると超安物の聴診器だった。その聴診器から聞こえる音で診断や治療を決めるのよ。高価でももっと性能の良い聴診器を購入するべきだと思わない?

部分的な身体所見を5分以内でできるように練習してから来週出直して、と言ってしまった。

ハイハイ、お陰で朝から大学側から電話をもらうし、NPリードからも、どうしたの?と連絡があった。でもね。NPリードはわかってくれましたよ。私は何も間違っていないと。で、この学生さんはしばらくほかのNPが受け入れることになりそう(見つかればの話)。問診と所見が30分以内でできるようになれば、私の元へ戻ってくるらしい。さあ、どうなるでしょうか?問診と所見だけよ。鑑別診断と治療は入っていませんから。はあああああ。

冒頭写真: ふわふわのパウダー


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