走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

なぜシンポジウムを計画したのか??

2019年04月30日 | 仕事
週末のツイッターはとても賑やかでした。なにを書いたのか?

このブログを再掲載したからです。これは学歴への冒涜と題しています。日本ではなぜ診療看護師や専門看護師に師長や副師長を兼任させるのか?私は疑問を持ちました。

私が働くBC州ではナースプラクティショナー(NP)とクリニカル スペシャリスト ナース(CNS)は修士が必須で採用においては師長の一つ上、部長と同等クラスとされます。看護部長も修士が必須です(管理系の修士のストリートがあります)。師長もとても業務量の多い職種で兼任で出来るような内容ではないと思いました(経験あり)。私が働く場所では師長は学士が必須となります(看護師のプログラムで3年制が廃止されて久しいですが、まだまだグランドファーザーした看護師は多い。なので最近はいくら経験があっても素晴らしいリーダーでも学士がなければ師長になれません)。よって師長職はAPN(NPとCNSの総称) 違うランクと位置付けられています。

医療をグローバルな視点で考察できる修士修了者が学士で十分な仕事をさせられているとすると、本来ある能力を発揮する場がないと私は受け止めます。だから学歴に対する冒涜だと書いたのです。

以前こんなブログも書きました。修士以上の学歴の持ち主は思考力、実行力、改革力を備え持つからこそ、自分で新しい役割を作り出すこともでき、細かい事を設定しなくても組織や国民に有効な功績を収めることができるとされているから、部長クラスと同等の給与を貰うことができ、自由に動くこともできます。

私が学歴への冒涜だと言い切ったのは、日本の修士以上の学歴保持者が欧米と肩を並べる教育を受け、欧米と同様に実力のある者であるということが大前提です。

さあ、私は日本の修士以上の学歴保持者の方に聞きたい。貴方もその1人ですか?

もし、貴方が「いえ、私はそんな思考力も考察力も改革力もありません」 と言うのなら、私は貴方を責めたくはありません。その背景には貴方個人の能力の問題ではなくシステム的な問題があると考えるからです。以前にも書きましたが、私が言いたいことは誰が悪いと指差しゲームをするためではありません。

ツイッターのコメントの返しで書きました(字数制限がないのでここでは少し変えています)。

修士以上の学歴者が適材所で働けない理由は
管理側の認識相違か?
学歴者にそれに見合う能力が備わっていないのか?
大学院教育に足りない部分があるのか?
どちらにしても学歴保有者が能力を発揮できない臨床現場の存在が、医療的には世界レベルでも看護では遅れをとっていることを表していると言っていいのではないでしょうか?

私はこの2年。日本の学識者の文献を読み、日本の診療看護師や専門看護師と言葉を交わし、色々な事を感じ、ここに書いてきました。

リーダーシップの欠如
英語をマスターしよう
団結すると(給与について)
どっちが大変(看護師の違い日本とカナダ)
看護実習
自分の使命は明確ですか?
もっともっと書いています。

知らない事を知らない。日本の中にいると見えない事は多くあると思います。日本の現状をこれが看護界なのだと鵜呑みをせず、日本の外で日々進化する看護へ目を向けて、可能性はもっとあるのだと知ってもらいたいと思います。

このような思いから、今年のシンポジウムを計画しました。日本APNシンポジウムと題しながら日本で働くAPNはあえて招待していません。海外一色です。看護協会がついに立ち上がって日本でNPを制度化すると言ったからこそ知って欲しい世界のレベルを皆さんに伝えたくて。

きっとこれから臨床で、教育で、何を始めれば良いのか糸口が見つかると思います。



新緑が眩しい森の散歩


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。