走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

日本語と英語の感覚の違い

2020年02月17日 | 仕事

先日のブログを書いている時に難しな、、、と思った事。適切な日本語がない。

私が看護学生の時、いわゆるガーゼ交換は包交と呼ばれていました。授業中に包帯の巻き方などを学びました。卒後に外科系に就職したので術後のガーゼ交換の介助はしていました。それでも医師が変えてそのあとテープで留めたり、包帯をぐるぐるぐらいでした。褥瘡については病態生理や回復過程について学んだ事がありませんでした。ストーマも現場に出てからやり方を学んだぐらいでした。臨床に出てから、特に外科系を離れてから最も使った知識や技術は褥瘡や難治性の蜂窩織炎、ストーマに関するものでした。今はこのような内容が授業に加わったのでしょうか?

で、こちらでは術後の包交もドレーン管理も看護師の仕事です。ストーマも褥瘡も糖尿病 や血管性の創傷、蜂窩織炎、火傷の包交も総称してwound care と呼びます。看護師が行いスペシャリストはwound, ostomy care (WOC) と呼ばれます。広く深く学ぶ量が多いので現場のたたき上げなどはなく、大学などのプログラムとして資格を得る看護です。なので包交という言葉を海外の創傷管理に使うと全然ピンときません。看護学校で学んだものはたいした知識も必要なく医師に言われた通りガーゼをとめたり、包帯を巻いていただけでしたから。

で、さっき書いたWOCは日本にも認定としてあるもので皮膚排泄ケア認定と呼ばれているようですね。やっている事をスキンケアと呼んでいる。スキンケアは一般的な肌のお手入れとして既に浸透しているのでピンときません。こちらでは学術的で奥が深く、WOCは独立して外来さえもきりもりしているのに。

ガーゼ交換と言う言葉自体も現代には当てはまらない。昔はガーゼしかなかった。今は様々な種類のドレッシング(サラダにかけるドレッシングではなく科学的に開発された絆創膏)があり、病態生理や創傷の状態を観察した上、どれを選ぶか、どう交換するかも看護師の腕の見せ所。

日本にはWound ウーンドもDressingドレッシングも看護界では使用しない言葉。包交とかガーゼ交換って時代遅れの陳腐な言葉と感じて、ブログを書きながら、難しいな、と思いました。





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