走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

患者との会話 その2

2021年11月15日 | 仕事

私の免許は定期的に記録監査されるので、大事な患者教育がされていないのは基準に満たされていないと問題になります。


だから正直に

ホスピスについて説明しようとしたが拒否された、と記録します。この拒否も曲者で以前はrefuse と書いていましたが、今は Opted out と書くようになりました。Refuseと言うと完全拒否感が出ますが、Opted Outと言うと選択肢があり、よく考慮をしたうえで選んだ選択だった、とニュアンスが違うから。だって聞きたいですか?とハイとイイエで答えられる2択を示しているわけで、イイエも等しい選択結果だと。これも患者に指摘された事。


で、またこの質問をしていいですか?と聞く事でそれっきりではないことも互いが認識できる。特に患者はこれは何か重要な話かもしれない、と少しでも印象が残るから。


先日の患者との会話。


ご自分の余命がどれくらいあるかご存知ですか?

知らん

余命がどれぐらいあるのか知りたいですか?

知りたい

612ヶ月と専門医は予測しています。


と患者は知りたいと意思表明しているので情報が入ってきます。


同じ患者でホスピスについては断られました。またこのことについて聞いても良いですか?と言うと


うん


と彼は言いました。もし嫌だと言われたら、次回もう少しホスピスの話をする前に序章的な事を踏まえてアプローチしたいと考えています。あくまでも患者が主役。そこは忘れずにのアプローチです。


こんな難しい話題だけではなく、糖尿病や心不全などの慢性期疾患の患者教育にも役立ちます。クッキー型で同じようにくりぬかられた教育をどさっと患者の目の前に山積みするよりカスタマイズできるやり方です。


冒頭写真掃いて24時間以内にこうなる。秋だね〜



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