走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

患者を守るために

2015年05月18日 | 仕事
サマンサは他の処方者を探した。クリニックを去った足で向かったのはナチュラルパスの医師。彼女の前回の記事はこちら

BC州で処方者の法律が変更された時、NPの他にもナチュラルパス、助産師による処方も可能になった。
ナチュラルパスはヨーロッパで発祥した人間の治癒力や昔から使われていたハーブなどによる治療をする医療者。中国の漢方に似ている。
ナチュラルパスの医師の中にボランティアでホームレスの人たちに治療を行っている人がいる。サマンサはそこへ行ったのだ。

そしてその医師はサマンサの要求通り処方を書いた。薬剤師から一週間ごとに処方していること。既に処方されている睡眠薬について連絡をされたのにもかかわらず、処方をした。

私はナチュラルパス宛に手紙を書いた。エキストラの処方をするのなら、それだけではなくサマンサのケアを全てして欲しいと。理由もはっきり書いた。

サマンサが服用している薬の数は尋常ではない。その中には薬と薬の間の作用で注意が警告されているものもある。薬をキャンディのように服用しているサマンサだが、どれだけ危険なことをしているか、説明しても彼女の理解は低い。私は種類を減らし、相互作用が起こらないような組み合わせに持っていきたいと思っているのに。彼女が不安になるたび薬を乱用し、服用量を増加するのは危険極まりない。
こういう状態で私はサマンサのケア(全ての処方せん)の責任を取ることに不安を感じる。だから手紙を送ったのだ。サマンサへの嫌がらせではない。サマンサの健康を守るためだ。

伝わると良いが、、、、。



ウイスラー4日目。賑わっています。

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